ハリギリ(その2)

ハリギリ(センノキ)は、イタヤカエデの葉を二回りくらい大きくした葉(掌状浅裂葉)をしていて、一目でそれと分かるため、直ぐ覚えられる樹木です。そして、この樹は札幌の中心部で、大きな公園にも、山中にと場所の偏りなく100年を超えるような大木があります。 この樹はイタヤカデやハルニレと肩を並べる、この札幌で最もよく見かける樹(自生種)の一つです。
1-008 ハリギリ
2011.9.1 真駒内公園
真駒内公園には135年を超えるハリギリが2本あります。その内の1本で、樹高21m、目通幹周315cm(幹径約1m)樹齢200年の大木です。(真駒内公園のホームページより)
1-113 ハリギリ 月寒神社
2011.9.1 月寒神社
月寒公園に隣接する月寒神社です。そこにある大木です。樹高は、近くで見上げるだけで検討がつかないのですが、20mは十分にありそうです。
それよりも、この樹は地際から1~1.5mの辺りで直径が50~70cmもある幹が均等に5本真っすぐ上に伸びて樹形をつくっていることです。近づいて上を見上げると、一種吸い込まれそうな大きさを感じます。
1-037 ハリギリ
2011.9.1 月寒神社
1-038 ハリギリ
2011.7.2 円山
円山に登る山道沿いにあります。台風などの強風で幹が斜めに傾いたのでしょか?主幹と主枝の付き方からそのように見えます。
1-106 ハリギリ STV北
2012.6.24 中央区北1条西7丁目 STV北側
樹高 約13m、幹周2m弱(幹径70cm)、樹齢約120年の樹です。都心部には、この樹のほかに、北1条西2丁目の歩道に、道庁南口、北1条西6丁目にある道立文書館別館横に樹齢100年を越すと思われる大木が残っています。
ハリギリは肥沃な土壌に生育するといわれています。豊平川が運んできた栄養のある土壌が広がる扇状地、今の札幌で言えば、中央区、南区、豊平区、白石区、東区には、その昔、このようなハリギリの大木があちこちに生えていたのでしょうか。
1 冬芽
1-RIMG0019-001(赤字)2012.12.29
①冬芽 頂芽は平べったい円錐形又は半球形をしています。 芽鱗(蕾の保護をする)は2枚のように見え、色は暗紫色でつやがあります。
②葉痕 細長いⅤ字 形で、その中に、維管束が10~13個あるらしいです。
③とげ エゾウコギやタラノキなどウコギ科の仲間は枝にトゲを持っている種類が多いのですが、このハリギリのトゲが大きくて鋭いです。
1-073 ハリギリ2011.4.30
4月下旬、冬芽がふくらみ、暖かければ明日にでも展葉しそうです。
1-088 ハリギリ2011.5.15
5月中旬、展葉しています。
ハリギリも食べられますが、これは開きすぎのようです。蕾から少し葉が開きかけ位のものが食べ頃です。しかし、苦味やえぐみが強いらしく、味はタラノ芽より落ちるようです。
1-006 ハリギリ2011.8.4
8月上旬~お盆の頃にかけて、写真ファイルのように白い花を樹冠一杯に咲かせます。
国道230号線(石山通)を車で中心部に向かって走り、五輪通の下を潜り抜けて上がりきったところで、前方左側に藻岩山が見えます。夏の盛りに、この斜面のところどころにハリギリの白い花を見ることができます。
1-008 ハリギリ2011.8.4
ハリギリ、タラノキ、エゾウコギなどウコギ科の仲間は多数の花が集まって球形になる咲き方(散形花序)をするものが多いです。この花は最盛期を過ぎています。5枚の花弁と5本?の長く延びた雄しべが目立ちます。
2 名前の由来
牧野新日本植物図鑑では、
針桐の意味で、葉の大きいことをキリに見立て、枝に針があることを述べた名。センノキは語源不明。
3 Data
・科名 ウコギ科
・属名 ハリギリ属
・学名 Kalopanax pictus
樹に咲く花や牧野新日本植物図鑑では、小種名に “septemlobus”という単語を使っており、その意味は“七浅裂の”です。一方、北海道樹木図鑑は“pictus”で、その意味は“色彩のある、美しい”です。ハリギリの葉を考えると“septemlobus”の方が的を得て良さそうな気がするのですが・・・・。
“pictus”は英語の“picture”にあたる単語と思うのですが、この“pictus”を用いた命名者(Nakai:おそらく日本人)は、ハリギリのどの部分、何を持ってこの単語を使おうと思ったのでしょうかね? このようなことに連想を膨らませるのも面白いものです。
・花期 7月中旬?~8月旬
・分布 日本、南千島、サハリン、朝鮮、中国

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