イチョウ(その4):冬芽

RIMG0032 イチョウ2011.11.28
上の写真は、葉柄痕が積み重なって、その先にできた冬芽です。枝先に赤褐色で三角錐の形をしたものが冬芽です。小枝の長さは2cm強?と思いますが、葉柄痕の積重ね(年輪)は7~8年ありそうです。このような形態の冬芽は、銀杏(ギンナン)ができる花芽なのでしょうね。
013 イチョウ2014.1.12
これは、街路樹の冬芽です。一昨年(2012年)に剪定され、昨年(2013年)に徒長枝的伸びた枝の冬芽です。条件が違うと、冬芽の形態も変わるものです。
015 イチョウ 北大2011.11.26 雄株
イチョウは雌雄異株です。雄株は枝を縦に伸ばし、雌株は水平的に出るといわれます。北大のイチョウ並木を見ると、確かにその傾向はあるようです。
013 イチョウ 北大2011.11.26 雌株
001 イチョウ2013.10.18
これは、国道230号の藻岩高校沿いに植えられているイチョウです。一つは、藻岩高校の敷地内の外周に植えられていて、すでに黄葉の始まっているチョウです。もう一つは国道の街路樹イチョウで、まだ全く黄葉の気配が見えません。二つの黄葉の早晩の違いは明白です。
都心部の北海道大学や道庁前のイチョウ並木の黄葉の見頃は10月下旬~11月上旬です。しかし、同じ都心部の北3条通や北5条通の街路樹イチョウはまだ青々としている樹が多く、その早晩の差は1週間前後?調べていないので分かりませんが、明確にあるようです。
話は少々ずれますが、街路樹で同じ路線で剪定されたものと剪定されなかったものがある場合、たとえば、ヤマモミジの葉は濃緑色が残ったどす黒い濃紅赤になるなど、剪定された街路樹は鮮やかに紅黄葉しない、できないものをよく見かけます。そして、剪定されなかった樹が葉を落としても、剪定された樹はいつまでも葉を付けている傾向があるようです。
なぜそうなるのか?、その作用(メカニズム)は分からないのですが、長年、街路樹の剪定を見ていると、そのような傾向は明確にあるように思います。
それと同じことが上述の藻岩高校と国道230号のイチョウに当てはまるのではないでしょうか?
落葉のメカニズムは、秋口寒さが増してくると、樹木は先ず、葉にある窒素や鉄、マグネシウムなどの微量要素(樹木自身ではつくれない栄養素?根から吸い上げなければならない栄養素?)を樹体内に戻します。厳しい冬に耐えられる体力をつくるために、そして来春、新芽を出すのに使うためにです。それが完了すると、葉柄の付け根に離層が形成されます。そのときに、エチレンなどの植物ホルモンが増えるそうです。そして、落葉します。冬の準備完了です。
鮮やかさを欠く、落葉時期が少し遅れる傾向のある剪定された街路樹は、剪定という大きなショックで離層を形成するメカニズムに狂いが生じたのでしょうか? それとも自分の体に戻すべき栄養素を上手く戻せないという変調をきたしたのでしょか? 何か樹体内の異常(植物ホルモンの異常?)が冴えない紅黄葉と落葉の遅延を引き起こしているのでしょうか?
あるいは、剪定によって自分の体を切り刻まれ、本来葉でつくらなければならない養分をつくれなかったために、秋口に体に戻さなければ成らない栄養素を葉に長く残しておいて、夏場に作れなかった栄養分を必死に作ろうとしているのでしょうか?
本当の理由は樹木に聞いてみないと分かりませんが、それでも、剪定という行為が紅黄葉と落葉の遅延に影響を与えているのは確かなようです。

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