キハダ(その1):冬芽 

先週は北海道東部の沿岸近くに停滞する低気圧の影響で、札幌は真冬並みの天候が続きました。ことろが、今週は南からの高気圧の圏内に入り、4月中旬並みの10℃を上回る日が続いています。やっと札幌にも雪解けの季節がやってきました。昼間に少し時間を見つけて玄関前に張り付いている氷割りの作業をしました。
今冬は2月中旬~3月中旬にかけて雪の降る日が多く、その分、雪解けが例年に比べて相当遅れいているようです。都心部でも道路脇に土の混じった黒っぽい雪がいまだに残っています。
012.jpg
写真は、豊平幹線(南9条大橋と幌平橋の中間)から都心部を撮っています。手前の樹木は、豊平川の河川敷に生えているヤナギ類です。
今回の冬芽はキハダです。
キハダ22011.3.4
小枝は暗褐色をし、典型的な二股分枝の枝ぶりを示す。1年生枝は太く、径5~10mmあり、無毛で、赤褐色ないし黄褐色をし、つやがある。
キハダ32011.3.4
皮目(白いつぶつ)は大きく、だ円形ないし円形で、やや突出する。
葉痕は大きく、長さ6~13mmあり、灰色をし、馬蹄形ないしU字形で、冬芽を取り囲み、3グループの維管束痕を持つ。
冬芽は対生で、円錐形ないし半球形。
021 キハダ2011.7.16
016 キハダ2012.3.6
南区真駒内にあるエドウィン・ダン記念公園(旧真駒内中央公園)に生えているキハダ。高さ15m以上ある老木。この公園には、あと2~3本老木のキハダが生えています。
キハダは、公園ではほとんど見かけない樹ですが、札幌周辺の山々には普通に見られる樹木です。
085 キハダ(シコロ)の樹肌-0012010.9.10
キハダの樹皮は厚いコルク質で、樹皮だけを見てキハダと判別できるくらい特徴的です。自信が持てない場合、樹には申し訳ないですが、ナイフで樹皮を剥がすと黄色い内皮が出てきます。
128.jpg2011.8.13
この写真のほうが一般的?というか、色は白っぽい灰褐色、深くごつごつした網目状の溝がある外観で、老齢樹に見られる樹肌です。
<余談>キハダを別名シコロといいます。北海道の材木業者さんの間ではこの名が一般的なのだそうです。これは、アイヌの人がキハダのことを“シケレペニ”と呼んでいることからきているそうです。
このキハダは公園には馴染みの薄い樹なので、“シコロ”と呼ばれることを聞いたことがなかったのですが、数年前にただ一度、定山渓に住んでいる老人の方(林業に携わっていない)がそう呼んでいるのを聞いたことがあります。定山渓は今は温泉だけの町になっていますが、昔は営林署があって林業関係者も多く住んでいたからなのでしょうね。

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