ナシ 洋ナシ(ブランディ) 追熟

洋ナシ(ブランディ)を植えて12~13年?経ちますが、まともな洋ナシを約40個も収穫できたのは、今年が初めてです。 その理由は、昨年までは、農薬を4回ほどかけていました。 散布時期が適切でないのか?、シンクイムシに食われて、果実がでこぼこに歪んで食べられないものが多かったのです。 今年は袋かけをして、しかも、例年通り農薬も散布したので、シンクイムシの被害から免れました。 これが大きな要因のようです。

しかし、洋ナシはたくさん採れたからと言って、それが全て美味しく食べられるというわけではありません。 洋ナシは、樹に着生しているときには完熟せず追熟により初めて食べごろになる果実です。 類似のものに、キウイ メロン パパイヤ マンゴーなどがあります。 我家の朝食にたまにキウイが出てきますが、甘くて柔らかいものや、すっぱくて硬いものがあったりで、美味しさにバラばらつきがあります。 これは食べごろが分らない、追熟を知らないことによるためと思います。

追熟のメカニズムは、収穫されたばかりの洋梨には僅かにデンプンが含まれています。 このデンプンの状態で食べると硬くゴリゴリした食感で、甘みもあまり感じられずまずい梨でしかありません。 ところが、収穫後しばらく寝かせておくことでこのデンプンが果糖やしょ糖、ブドウ糖などの糖分に分解され、更にビタミンBやCも多くなります。 また不溶性のペクチンが熟すに従って、水に溶けてとろみのもとになる水溶性のペクチンに変化するため、あのとろっとしたなめらかな肉質に変化していきます。こうした一連の変化を追熟と言います。この追熟をさせてやらないと洋梨は美味しい果物にはなりません。(ウィキペディアより抜粋)

ということで、今年は、収穫した洋ナシ(ブランディ)の追熟調査をしてみました。 ブランディの収穫適期は9月上旬頃なので、9月初めから中旬にかけて、毎日、3~4個収穫し、常温(室内で追熟)と冷蔵庫の二つに分けて追熟をしてみました。 以下の表が結果です。

洋ナシ食味評価.pdf-1_01

1 追熟の方法
・収穫は、9月1日~9月21日までの3週間
・その日に3~4個収穫して、半分を室内で、残りを冷蔵庫で保管(冷蔵庫に入れて置く期間は10日間を目途)
・冷蔵庫に入れたものは、約10日後に取り出し、室内で追熟

2.食べる時期の判断
・収穫時の果実は緑色であるが、食べごろになると果皮が黄色味を増し、洋ナシ特有の芳香がでる = この頃が食べごろ

3.結果
・室内(常温のみ)で追熟したものは、食べごろになるまでに約24日
・冷蔵庫に保管後室内で追熟したものは、約31日
・冷蔵庫に保管したものは、冷蔵庫から取り出してから室内での追熟に約20日を要しており、室内もみ(常温)での追熟期間24日と大差が ない。
・初期に収穫したものが早く食べごろになるとは限らない。 それは、室内(常温のみ)と冷蔵庫+室内も同様の結果となる。
・冷蔵庫の保管は、追塾期間が長くなっただけで、食味、とろっとした感じ等それ以外に室内保管(常温)との明確な差はなかった。
・食べごろになるまでの日数(追塾期間)は、収穫の早晩に関係なく、個々の果実の質?による。
・収穫時期の早晩、常温・冷蔵の区別なく、10月16日に食べごろと判断したものは、果実内の水分が抜けたようで、あのとろっとした食感 は全くなく、全て果皮の表面が柔らかく、手で押すとしわができた。

4.食味
・「美味しい・まあまあ」と評価できたもの:14個/36個(室内:6個/17個、冷蔵庫:8個/19個)
・とりあえず食べられるもの:4個/36個(室内:1個/17個、冷蔵庫3個/19個)
・食べられない、1個食べれば十分なもの:18個/36個

 ナシ ブランディ

5.まとめ
・昨年、一昨年も収穫したすべてのもが、追熟中に果実の表面が黑く変色して食べられるものが1個もなかったのです。 今年はこの黒く変色 するものは少なかったのですが、おいしく食べられたものは14個/36個、約4割弱と散々な結果に終わりました。
・「収穫が早いものが早く追熟して早く食べられる訳ではなく、追塾の期間は個々の果実によるものである」ということ、それと、食べごろが10月16日以降になったものは、全て美味しくなかった という結果になりました。(ビニール袋等に入れて保管すれば、また、別の結果になったかもしれ ない)。

私の数少ない経験からすると、洋ナシを上手に追塾して、みずみずしくとろっとした食感のもをつくるのはなかなか容易なことではありません。 洋ナシの生産者はどのような方法で、追熟しているのでしょうかね? 一度、詳しく聞きたいものです。

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