植物の新芽はなぜ赤い?

この時期、ハルニレ、イヌコリヤナギ、ヒュウガミズキなど樹木の新梢が赤い、枝先の葉が赤くなっているのを見かけます。 また、春先、草花や球根が新芽を土から顔を出すときに、それらが赤いのにも気づきます。 その色の多くは真っ赤な赤ではなく、あずき色に近い、黒みがかった赤色のものが多いです。
2011.6.19
ヒュウガミミズキ
2011.6.4
しかし、葉が大きくなるにつれて、その色はだんだんと薄くなっていき、最期は普通の緑色の葉になります。

この現象はどういう作用、どのような理由によるものなのでしょうか?

若い葉や芽が赤いのは、葉の中にある細胞、その中に含まれる赤い色はアントシアニンという色素です。 高等植物では普遍的な物質で花や果実の赤や黄色の元になっているものです。また、抗酸化物質としても知られています。
若い葉は光合成を行うために葉緑体をつくっていて、その段階では太陽の強い光に含まれている紫外線による害作用を防ぐことはできないそうで、ヒトが海水浴に行けば太陽光によって皮膚が日焼けでヒリヒリしますが、葉も同じように可視光、紫外線によって生ずる活性酸素による害作用を受けます。若い葉はこれらの光による害作用を充分に防ぐことができないため、アントシアニンによって太陽光を遮り、葉緑体が害作用を受けないようにしていると考えられているそうです(みんなの広場より抜粋要約)
2017.6.23
ハルニレ
しかし、いろいろな植物を見ていると、新葉では緑色のものが普通で?、若い葉や芽が赤い色をしているのは少数派です。 それでは、多数派の植物は若い葉を太陽の紫外線からどのようにして守っているのでしょうか?

紫外線から細胞を守る物質がアントシアニン以外にもあるようです。 アントシアニン以外の※フラボノイドや、細胞壁に含まれるリグニンなどがそれで、緑色の新芽では、これらの物質が紫外線から細胞を守っているようです。(みんなの広場より抜粋要約)

※フラボノイド : ポリフェノールの一種。植物に広く分布する色素成分。緑茶、ぶどう、食用菊、そば、たまねぎ、大豆、レモンなどに多く含まれる。フラボノイドの種類は4000以上あり、たまねぎ・ブロッコリーなどの「フラボノール類」、大豆などの「イソフラボン類」、緑茶などの茶葉に含まれる「カテキン類」に大別される。少量でも発がん物質の活性化を阻害するほどの抗酸化作用を発揮するほか、活性酸素の働きを抑制、血液循環の改善、動脈硬化予防、血圧の正常化維持などに効果が期待できる。(コトバンク)
・フラボノイドは植物によってつくられる。
・ポリフェノールの90%はフラボノイド
・アントシアンはフラボノイドの一種、 ブルーベリー、アロニアに多く含まれる。
・その他のよく知られているフラボノイド  ケルセチン(リンゴ、タマネギ)、カテキン(緑茶)、
イソフラボン(大豆)
2015.7.18
イヌコリヤナギ

 

 

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