ヤチダモ

1-017 ヤチダモ2013.1.13
先週の金曜日(4月5日)に仕事の帰りに豊平公園へ立ち寄ってきました。この豊平公園は国の林業試験場跡地を公園化したもで、面積約7haの地区公園です。この公園は、多くの部分で当時の樹木をそのまま保存・活用していまので、通常の公園に比べて格段に多種多様な樹木と出会えます。その一つがヤチダモの列植です。
5月中旬になると、このヤチダモの列植の下にムスカリやチューリップなどの球根類が咲き誇ります。それは絵的にすばらしく、ここに載せようと思ったのですが撮ってなかったのです。5月中旬過ぎに掲載したいと思います。
1-RIMG0038.jpg2013.4.5
ヤチダモのすくすく上に枝を伸ばす樹形の特性がよくわかります。樹高は20mくらいでしょうか。
冬芽 ~ 開花 ~ 新芽
1-RIMG0031.jpg2012.12.15
これは短枝の先についた冬芽です。節間が詰まっていて、半円形の葉痕上部に1個側芽をつけています。
※短枝:短い枝のこと。枝には、よく伸びる枝(徒長枝)と節間の詰まった生長の少ない枝(短枝)があります。短枝は組織が充実していて、花芽や実が結実しやすいという性質があります。
1-196.jpg2012.4.30
ヤチダモは葉が出る前に花を咲かせます。これは雄花(ヤチダモは雌雄異株)のようです。ヤチダモの雄花は2~5cmの赤黒い紫色の塊で、ほとんど見るに値しません。しかし、ヤチダモは高木で枝も高いところにつけるので、なかなか花の写真が撮れないのです。これは赤レンガ庁舎のある道庁の池の辺で、垂れ下がっている枝に咲いた花を偶然見つけて撮ったものです。
1-050 ヤチダモ2012.5.19
5月中旬芽吹きます。芽吹く時期は遅い部類にはいるのでしょうか。北海道の北部や東部の農家では、ヤチダモの芽が開けば露地で何をまいても植えてもよいと言われており、その開葉は遅霜の終わりを告げる天然の便りなっているそうです。
しかし、市街地ではヤチダモの開葉が遅いというイメージがないのです。その理由は、ニセアカシア、プラタナスやシンジュといった外来種の芽出しが遅く5月中旬以降で、特に街路樹に植えられたこれらの樹種は5月下旬になってやっと芽吹くものが多いからです。
1-038 ヤチダモ 石山 善住寺2012.5.26
南区石山善住寺
5月下旬に新葉が展がり始めます。ヤチダモらしい樹形をしています。細枝が少なく、真っすぐな主幹に太い枝が上に伸びていく樹姿は、正に「これがヤチダモだ」という感じです。
1-088.jpg2011.8.9
これは東区の大覚寺にあるヤチダモです。樹高は優に20mは超えています。
1-089.jpg2011.8.9
幹径も1.2~1.3mはありそうです。この樹は法律で定める保存樹に指定されています
このような大木が、円山公園の円山川沿いに、西区役所前の広場などにも残っています。かって札幌の低湿地帯にはこのような大樹が数多く見られたのでしょうか。
北海道では、ヤチダモはヨーロッパトウヒと共に防風林の主要樹種として植栽されきました。ヨーロッパトウヒは鉄道の防風林として見かけますが、ヤチダモは札幌市から石狩市にかけての低湿地帯に見られます。これらついては改めて紹介したいと思います。
名前の由来
日本有用樹木誌より
タモの名の語源については、 水田の畦によく植えられていてタモノキ(田茂木)と称していたのが広まった、あるいは、自然信仰の対象にされ「霊(たま)」と呼ばれていたのが転訛した、などの説がある。ヤチは谷沿いの湿地(谷地)に多いことに因んだもの
Data
・科名 モクセイ科
・属名 トネリコ属
・学名 Fraxinus mandshurica var.japonica 小種名 mandshurica は満州産の という意味
・花期 4月下旬~5月
・分布 北海道、本州(中部以北)、朝鮮

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