クリ  冬芽

  
2015.2.26                                               2015.11.21

冬芽は、二列互生し、やや開出する。 側芽は卵形ないし広卵形で、やや先がとがり、やや扁平し、長さ3~4mmある。
芽鱗は帯赤褐色ないし赤栗色をし、ほぼ無毛で、4~6枚が覆瓦状に重なる。 仮頂芽は側芽よりやや大きい。(落葉広葉図譜)

写真でも分かるとおり、枝先の仮頂芽は側芽より明らかに大きく、側芽も含めて、クリの冬芽はふっくらと丸い。
アカナラ、コナラ、ミズナラなどクリと同じブナ科の樹種は、冬の間も葉(枯葉)をつけたままの樹をよく見かけます。

<余談 その1>
クリ材は 科学的にはタンニンの含入量が多く、耐久性や保存性が大変高く、かつ耐湿性も大きいため、現在の鉄道の枕木はコンクリート製ですが、ひと昔前まではクリ材が使われていました。
2018.3.21
写真は、エドウィン・ダン記念館の周りに設置されている木柵です。 この材が確かクリのはずです。 私の記憶では、昭和の末ころには現在の姿をしていたので、30年以上は持っているのでしょう。

<余談 その2>
クリは他の果樹に比べ、土質への要求度が少なく、寒地や暖地のいずれにも生育し、山の傾斜地や他の果樹に不向きな地でも問題なく、管理がしやすい。 専門的な技術も必要でなく、クリタマバチを除いて病害虫は少なく、食用となる堅果を生ずるので、古来より栽培されており、縄文時代の遺跡からはクリ材が大変多く出土している。 元々野生種が栽培されて大きい果実を得るようになったのであるが、野生種をシバグリと呼び、栽培種のうち特に大きい果実を産するものは古来よりタンバグリとして知られる。(日本有用樹木誌)

札幌市内にも、北海道の開拓が始まる以前から自生していると思われるような大きなクリの樹が存在しますが、名前を「シバグリ」と表記しているクリがあります。 それは、豊平区平岸、相馬神社の境内にあります。 → 相馬神社のシバグリ

 

 

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