堆肥(5) 樹木・草・菌類のCN率

堆肥の品質をはかる基準にCN率があります。その数値は、おおむね30以上が未熟堆肥、10~20が良質な堆肥と言われています。
それでは、堆肥の材料である樹木や草本などそれぞれ有機物本来のCN率はどれくらいなのでしょうか?

その前に、落ち葉がどのように細かく分解されていくのかを調べて見ました。
① ミミズ、ダンゴムシ、トビムシなどの土壌中の小動物が落ち葉をかじったり、細かく砕いたりして、表面積を増やす。これが微生物の活動を助ける。
② 微生物<※細菌やカビ(糸状菌)>が有機物を分解
・枯草菌     ⇒ 糖・アミノ酸・タンパク質を分解
・トルコデルマ菌 ⇒ セルロース
・放線菌     ⇒ ヘミセルロース
・白色腐朽菌   ⇒ リグニン

● 糖やアミノ酸は細胞内の核や葉緑素などに存在する物質。セルロースやリグニンは細胞壁の物質で、これらは分解しにくく、樹木の堅くてしっかりしているのは、細胞壁にリグニンが多く存在するため。
・糖やアミノ酸、セルロースやリグニンなど有機物の種類によって分解する細菌やカビがそれぞれ異なる。

上述の微生物<細菌やカビ(糸状菌)>によって落ち葉は分解されるが、その意味は、微生物が分解過程で自身の生命維持や組織を増やすためのエネルギーを得ることです。その過程で、有機物はエネルギーの他に水(H₂O)と二酸化炭素(CO₂)に分解されます。
このことは、有機物から酸素(O)、水素(H)、炭素(C)が抜け出て、窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)や微量要素(カルシュウム(Ca)、Ma(マグネシュウム)などの微量要素が残ることになる。

例えば、落ちたばかりの葉に、
炭素(C)が100,窒素(N)が2あったとすると、
それが微生物の分解により、
・落ちたばかりの葉のCN率
C/N = 100/2 = 50
・微生物が分解後のCN率
C/N =  50/2 = 25

落ち葉は微生物の分解により、CN率が
50 ⇒ 25
に下がったことになる。

〇 樹木や草本などのCN率

分類 有機物 CN率
細菌・カビ 細菌・放線菌
糸状菌
光合成菌 80
植物粕  油粕
おから 11
茶粕 12
米ぬか 23
コーヒー粕 23
動物ふん 鶏ふん
豚ふん 11
牛ふん 16
植物繊維 やし繊維 48
ピートモス 52
草本 マメ科植物 10~17
若い草 15~25
成長した草 50
藁(わら) 稲わら 60
もみ殻 75
麦わら 90
樹木 針葉樹落ち葉 20~60
剪定枝 70
樹皮 100~130
おがくず 134~1064
280

・ウィキペディア参照

・菌類のCN率は5~9と低い
・有機質肥料として使う油粕(7)と米ぬか(23)ではCN率に3倍の差がある ⇒ 使い方に注意が必要
・鶏ふん(7)もCN率は低く、化成肥料に近い使い方になる
・若い草はCN率が低いので、落ち葉に比べると堆肥化ははやい
・刈芝は若い草(15~25)と同程度のCN率。ただし、古い芝やサッチ(枯死組織)はリグニンやセルロースが多く、C/N比が高くなる。
・おがくずのCN率が高い理由は、樹皮や辺材は生きた細胞が多く、それらは蛋白質や酵素などの窒素化合物を比較的多く含んでいるため。一方、心材は死んだ組織で、タンニンやフェノールなどを多く含み、これらは、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の3つからなる物質。