オオヤマレンゲ 冬芽

2015.12.7
オオヤマレンゲの冬芽
芽鱗は托葉と葉柄が合着したキャップ状。 頂芽(枝先につく芽)は大きく長さ1~1.5cm(樹に咲く花)
オオヤマレンゲは、モクレン科モクレン属(Magnoria属)ですが、札幌ではオオヤマレンゲ以外に、これと同じ仲間であるホオノキ、コブシ、シデコブシ、ハクモクレン、モクレン、ユリノキを見ることができます。
これらの仲間の冬芽について言えば、オオヤマレンゲのものはホオノキとユリノキに似ています。 この3種の冬芽は無毛なのですが、ほかの4種(コブシ、シデコブシ、ハクモレン、モクレン)には白い長めの軟毛が被っています。

また、札幌で見られるオオヤマレンゲ以外のモクレン科モクレン属は、花芽を夏に形成し、その翌春に花を咲かせます。 しかし、6月上旬に咲くオオヤマレンゲの花はその前年にできた花芽が開花したものですが、その後夏の間次々に咲く花は、ハマナスのようにその年に花芽を形成したものです。

→ オオヤマレンゲ 幻の花

 

 

オオヤマレンゲ  幻の花

あまり見かけない花です。 少し黄色味を帯びた白い花弁の中心に赤紫色の葯が魅惑的で目を引きます。
オオヤマレンゲ 2011.6.11
北大植物園でこの花を最初に見たときは、その上品さと葯の魅惑的な赤色に魅入ってしまいました。
オオヤマレンゲ 2011.6.11
花の大きさは10cm弱でそれほどでもなく、この魅惑的な花の美しさを実感するには、近寄って、目の前で見るのが絶対です。 オオヤマレンゲ 2011.6.11 北大植物園
写真の樹の大きさは約2m。 自生地では大きくなっても5mほどの落葉低木。
オオヤマレンゲは、ホオノキやコブシと同じ仲間のモクレン科モクレン属(Magnolia sieboldii:マグノリア シーボルディー)。
花の咲き方は、ホオノキとよく似ていて、あちらにぽつんこちらにぽつんと、クリスマスツリーの電飾に似た咲き方をします。 ホオノキはそれが1ヶ月くらい続くのですが、オオヤマレンゲは6月上旬~8月中旬(お盆過ぎまで?)の3ヶ月近く咲き続けます。 ホオノキの花は、昨年できた花芽が一冬越して6月頃に咲き出すのですが、オオヤマレンゲの場合は、花が終わるとその基部から新梢が伸びだしそれに花芽(つぼみ)ができて、次から次に花が続きます。 オオヤマレンゲ 2011.7.3
なので、開花直前の蕾の横に花びらが落ちて花柱(雌しべ)だけになったものや オオヤマレンゲ 2011.6.26
果実が出来上がりつつあるものまでいろんな段階の花の姿が見られます。 オオヤマレンゲ 2014.6.24
モクレン属の花は、花弁とがくの区別がつかない、花被片と呼ばれる花弁状のものでできています。 オオヤマレンゲの花も3枚の小さめの花被片(がくに相当?)と5~6枚?の大きめの花被片( 花弁に相当?)で出来ています。
オオヤマレンゲ
2014.6.21
オオヤマレンゲは標高の高い奥深い山中(標高1400メートル以上の山地帯から亜高山帯下部※)に自生しており、一般の人が目に触れることが少ないことから、、“幻の花” “天女の花”と呼ばれているそうです。
※ 自生地 : 関東地方以西

この花を見たい方は、北大植物園の東側の歩道を歩いて下さい。 格子状のフェンス越しに見ることができます。 フェンスに“オオヤマレンゲ”と書かれた名札がついています。 今、白い花を咲かせていると思います。 植物園の中に入る必要はありません。

<追記 207.12.8>. 2015.9.12
百合が原公園