カシワ

1月11日の真駒内公園に続いて、今回は冬芽です。
1-053 カシワ 冬芽(赤字)2012.3.13
1.冬芽
①頂芽・②側芽
・カシワの冬芽は、頂芽が1個だけのもありますが、写真のように、頂芽の周りに側芽(頂生側芽)が数個ついているのが多いようです。
・芽鱗はうろこ状で、白っぽい(灰白色)の短毛が密生しています。
③葉痕の中に維管束痕が見えます。並び方がばらばらです。
④白っぽい点々は、皮目のように見えるのですが、いかがでしょう?
○1年生枝には白っぽい短毛が密生しています。
1-052 カシワ 実殻2012.3.13
カシワの実が抜け落ちたあとの殻斗。ミズナラやコナラなどブナ科の実についている殻斗。「かくと」と読みます。「がく」のことだと思っていましたが再度調べてみると、、専門用語で総苞片ということらしいです。総苞片って何? 植物用語の一つで、花や花序の基部にあって、つぼみを包んでいた葉のことをいう。苞葉ともいう。それじゃ、がくと総苞片はどう違うの? 花弁とがくを併せて花被と呼び、がくは花の一部になります。苞は上述のとおり葉のようです。苞は花被(花とがく)の外側にあるもののようです。ということで、この写真ファイルでは、がくは実と一緒に落ちて、残っているのが殻斗(総苞片)ということでしょうか?植物の名称の意味を調べるとわけが分からなくなります。
2 名前の由来
牧野新日本植物図鑑では、カシワは炊葉(かしぐ葉)の意味で、食物を盛る葉ということである。昔は食物を盛る葉はすべてカシワと呼んだが、今日では、本種のみの名となった。

余談:5月5日、端午の節句の柏餅にはそれを包むためにカシワの葉が使われますが、これは大きくなった若葉を蒸した後乾燥して保存しておいたものです。北海道のカシワの葉は大きすぎて堅いので柏餅用としては質が落ちるのだそうです。確かにそう言われれば、柏餅を包んでいる葉はそんなに大きくないような気がします。
3.落葉に見る老木と若木の違い
1-RIMG0020 カシワ かしわ木公園2011.3.6
これは、真駒内の小さな公園(約500㎡)にあるカシワの樹です。おそらく公園がつくられる前からある樹で、樹齢は100年を優に超す老木と思います。この樹も真駒内公園のカシワと同じようにほとんど葉を落としています。この大きなカシワの樹の後にある樹、葉をつけている樹もカシワです。
1-RIMG0023 カシワ 真駒内公園2011.3.6
これは、真駒内公園の駐車場横に植栽されているカシワです。大きさは、右側の樹で5m弱、幹径も10cm強です。
1- カシワ2012.3.3
これは、北1条西8丁目にあるSTV(札幌テレビ放送)の前庭に植えられているカシワです。大きさは3mあるかなしかです。
物の本には、「秋に落葉せずに枯葉で枝に残り、翌春新芽が出る頃に新葉と古葉と入れ替わる。」などと書かれていますが、これらの例でも分かるように、老木は早くに落葉し、カシワの若木は3月になっても葉をつけている樹が多いようなのです。比較的遅くまで葉を落とさないミズナラやコナラなどを見ていても、若木に春先近くまで葉をつけている樹が多いように思います。若木には生理的、物理的に葉を落としにくくするような何か作用するものがあるのでしょうか?
カシワの老大木が葉を落とさずに春先までつけているのを想像するとちょっと異様な感じもしますが、そのような樹はあるのでしょうか?見たことがある、聞いたことがある方はコメントしていただければありがたいです。

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真駒内公園かしわ木広場のカシワ

真駒内公園のかしわ広場にあるカシワの樹です。1haはある広い芝生の真ん中に太い枝を広げて立っています。高さは22m強、幹径1m、樹齢300年の老大樹です。真駒内公園のシンボルツリーになっているようです。
1-010 カシワ2012.3.11
1-058.jpg2011.3.20
1-020 カシワ2011.3.20
近づいて上を見上げると、直径が50~60cmもある太い枝がくねくねと右に左に伸びて、あるものは知恵の輪のようにぐるりと一回りして外に伸びていく枝もあり、その動きの面白さにしばらく見入ってしまします。
このような老大木の、夏場より葉を落として幹枝だけになって、しかも、厳寒期の太い枝に白い雪がこんもりと積もって風雪にじっと耐えている姿に引き付けられます。
1-099 カシワ2011.5.5
1-024 カシワ2012.5.5
5月上旬、後のシラカバは新芽が吹き出し、エゾヤマザクラがピンクの花を咲かせても、カシワには何の変化もありません。
1-004 カシワ 真駒内公園2011.6.1
6月上旬、新葉が展がり始めています。5月下旬に新芽が開いたようです。
1-043 カシワ2012.6.2
太い枝の間から見える太陽に輝く鮮黄緑の新葉は美しいです。
1-088 カシワ2012.6.16
夏場には、この老大樹の木陰で癒しのひとときを過している人を見かけます。
1-031 カシワ 真駒内公園2012.6.29
1-017 カシワ2011.10.19
札幌の紅葉シーズンです。後うしろ)の樹々は、赤く紅葉したナナカマドやモミジ、黄葉したシラカバなどです。カシワもところどころ紅葉(褐葉)しかけています。
1-018 カシワ 真駒内公園 177年2011.11.13
11月上旬にはほとんどの葉を落としてしまいます。カシワは遅くまで葉をつけていると言われますが、このような老木は、すっかり葉を落としてしまします。しかし、若木は来春まで葉をつけたままにする樹が多いようです。
カシワは、本州では山野に生える落葉高木のようですが、北海道では海岸地帯に多いようで、札幌に程近い石狩浜のカシワ林は有名です。海岸線から2~300m?離れた砂丘には、冬場の厳しい北風に晒されてそれを避けるように枝を陸地に向けながら這うように生き耐えているカシワが広がっています。一方、真駒内公園のカシワは山地のもので、樹高も20mを超えるりっぱなものです。開拓使が入る前の北海道の原野には、このような立派なカシワがところどころに生えていたのでしょうか?
このカシワは樹齢300年の北海道では数少ない老大樹に属します。北海道の保存樹を見てみますと、小金湯のカツラが樹齢700年、イチイ(青山の水松:当別町)が樹齢1200年とされています。そのほかにミズナラやイチイ、ハルニレなどがありますが、350年が最高樹齢です。また、真駒内公園にはハルニレ、カツラ、イタヤカエデなど樹齢135年以上の古木が20本確認されています。それらの多くは樹齢200~400年です。その意味で、このカシワは堂々とした樹形とシチュエーションの良さで北海道を代表するカシワの樹と言えそうです。

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老木のカシワは冬に葉を落とす

先週の土曜日に真駒内公園に行ってきました。
豊平川に近い五輪通側の入り口から入り、シラカバ林を通り抜けて、400~500m南に向かって歩いていくと、
広い芝生の中央にカシワの大木が1本見えます。案内図面には「かしわ広場」と書かれています。
011 カシワ2012.3.10
樹高22m、幹径1.0m、樹齢300年の老大木です。
020 カシワ2011.3.5
樹冠下から見上げると、太い幹には、大きなこぶが出来ていたり、1回転して外に伸びていく太枝もあります。
樹肌は荒々しく深く割れこみ、老木の貫禄というか、300年生きてきた力強さを感じます。
去年は冬にこの樹を見ても何も感じなかったのですが、
「カシワって、秋に落葉しないで枯葉で枝に残り、翌春新芽の出るときに新葉と入れ替わるのじゃなかったっけ?」とふっと思い出したのです。
今年のこの老木には1枚も葉が残っていません。
南区内にあるカシワの樹を確認してみました。
五輪通北側にある さけ科学館 近くのカシワです。
1-040(赤字)
五輪通から北に向かって撮影 右側は真駒内川
写真中央を斜めに褐色をした樹木が走っています、その筋がカシワです。
樹高は3~5mで、樹幅も2~3mで、比較的小ぶりの木です
ほとんどの樹は葉をつけています。
下の写真は真駒内曙町4丁目にある かしわ木公園 のカシワです。
RIMG0020 カシワ かしわ木公園2012.3.13
2本の大木はほとんど葉をつけていません。太い幹周辺には葉を残していますが、上部の枝先には葉をつけていません。奥のほうに褐色の葉をつけた樹はカシワです。
RIMG0023 カシワ 真駒内公園2012.3.13
サケ科学館近くのカシワ 雪の土手の奥は真駒内川
これら3箇所のカシワの樹を見ると、多くの若齢木は3月上旬でも葉をつけているのですが、老齢樹になると葉を早めに落とすようです。特に樹冠上部の枝先は完全に落葉するようです。
それでは、なぜカシワの若木は春先まで葉を残し、老木になると葉を早く落とすのでしょうか?
少し、勉強します。
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