家庭菜園の片隅にブロックで囲いをつくり、そこに夏の間に除草した草、野菜の残渣などを少量の土を間に挟みながら順次積んで置き、思い出したころに切り返しをする(2回程)と、翌春には黒褐色の土になっています。 少量ですが堆肥として畑にまいています。
この黒褐色の土(腐植化した土)は、
「微生物が有機物を分解し、再合成し、安定した高分子に変換した状態の土壌有機物」です。その主成分はフミン酸、フルボ酸、ヒューミンといった腐植物質で、これらは分解されにくく、数十~百年単位で残るという特徴があるそうです。
〇 有機物を分解すると最後に何が残るか?
微生物が有機物を分解するということは、自分の体の増殖と自分の体を維持するためエネルギーを得ることですが、その分解が進んで最後の物質が水(H₂O)と二酸化炭素(CO₂)になるのです。堆肥も有機物ですから、長い時間をかけて、最終的には水(H₂O)と二酸化炭素(CO₂)になります。
しかし、植物は根から窒素(N)やリン酸(P)、また、鉄(Fe)、マグネシュウム(Mg)といった微量要素(ミネラル)を吸収しているので、それらは土壌中に残ります。これらの物質は、他の鉱物と結合するなどの化学反応を経て沈殿するものや、土壌中の水の中を浮遊するものなど様々な形態があるようです。
ここで注目すべきは、堆肥の成分であるフミン酸、フルボ酸、ヒューミンといった腐植物質です。しかし、これらの物質も長い時間をかけて最終的には水と二酸化炭素に分解されるのですが、これら3種の腐植物質は、長期間に渡って堆肥の本質部分である、
・団粒構造を形成・維持する
・団粒構造ができることによって、土壌の保水性、排水性の改善
・団粒構造ができることによって、肥料(N・P・K 、微量要素(ミネラル)を土壌中に保持する力が高まる
※N・P・Kや微量要素は、土壌中で酸化や沈殿などの化学変化を起こすと、それらの物質は植物の根から吸収されなくなるが、フミン酸、フルボ酸、ヒューミンといった腐植物質に吸着した物質は根から吸収される
・堆肥は微生物の「えさ」であり、その微生物が増えることによって土壌の多様性が増し、乾燥や過湿、低温や高温など外部からのストレスに対する耐性が増す
というように、フミン酸、フルボ酸、ヒューミンといった腐植物質は堆肥の本質的価値を担っているのです。
次回は、
➀ 微生物(菌類や細菌 )が有機物を分解する過程で、団粒構造はどのようにして形成されるのか(微生物と団粒構造の関係)
➁ フミン酸、フルボ酸、ヒューミンといった腐植物質はどのような働き・作用があるのか?
を検討したいと思います。