植物と菌類は、どのようして共生関係を持つようになったか?
🔵 地球の誕生から植物が陸上に進出するまで
地球の誕生は、46億年前に超新星の爆発がきっかけで太陽系の形成が始まり、それから1,000~3,000万年の時間をかけて現在の地球の大きさになったようです。 その頃の地球は火の玉で、それがゆっくり冷えていって水蒸気ができ雨となり海ができます。海ができるまで1~2億年かかったと考えられています。
その海に原始生物が誕生し、次に有機物を生成する生物、つまり、光合成を行う生物(シナノバクテリア)が現われます。その生物は有機物をつくる過程で酸素を出します。 それが海に供給され、海が酸素を持ち切れなくってやっと海の外に出てきます。 そして、大気になるのですが、その密度になるまでの時間の長さはおおよそ30億年。 現在からすると約16億年前に現在私たちが吸っている空気、大気が出来上がったことになります。
地球が誕生してから30億年という途方もない年月をかけて陸上に生物が進出できる環境が整ったのです。植物が実際に陸上に進出したのはそれから11億年の年月を要します。現在から約5億年弱前です。地球誕生から約41億年が経っています。
🔵 最初に陸上に進出したのはどんな生物だったか?
生物が陸上に進出し始めたころ、海の中では三葉虫やオウムガイが生息し、コンブなどの藻類が繁茂していました。海の中はすでに生物で溢れて?いたのです。
一方、陸地は植物が存在しないので有機物などはなく、岩石の塊がごろごろしている火星や月のような状態だったのでしょう。 しかし、波打ち際など海岸線では海中で繁茂していた微生物の遺骸が岩の表面にマット状にあり、また、海中で育っていたコンブなどの海藻類や魚類等の死体が打ち上げられて有機物が存在していたのです。
実は、植物が陸上に進出する数千万年前には、菌類が陸上に進出していたと考えられています。菌類は細い菌糸を伸ばして岩石を酸で溶かしてミネラルを吸収する能力を持っていましたが、自らエネルギー(糖)を作り出す光合成はできませんでした。
🔵 それでは菌類はどのようにして生き延びていたのか?
菌類が陸上に進出したときには、既に海中には細菌や菌類などの微生物が大量に存在し、海藻類や三葉虫などの節足動物もいました。それらの遺体や残骸が波打ち際に打ち上げられ、特に微生物の遺骸が海岸などの水際や岩などにへばり?ついていて、菌類はそれを分解してエネルギーを得ていたようです。
植物が陸上に進出する時点で、海には既に大量の生物が存在し、海岸線にはそれらの遺骸が岩などにへばりつき、菌類はそれらをエサに繁殖していたのです。
このような条件の中で、植物が陸上に進出する形態がどのようなものであったのか?、現在最も有力な説は、地衣類が陸上に進出したのではないかと考えられています。
🔵 地衣類とは一体どんな植物なのか?
菌類が藻類(またはシアノバクテリア)を体内に住まわせてできた「二者一体の共生体」で、菌類が体の形をつくり、一方、藻類が光合成で糖を合成し菌類に提供していました。
2015.4.8
アオダモの樹皮についている白や灰色の模様が地衣類と思われるもの。 AIにこの写真を添付して尋ねると、地衣類と回答。
地衣類は植物の祖先ではないのですが、陸上生態系のごく初期に出現した 重要な生物のひとつです。菌類と藻類が共生することで乾燥に強く、 栄養の乏しい岩肌でも生育できたため、岩石の風化や初期の土壌形成に 大きく貢献しました。 このような地衣類や菌類の活動によって陸上環境が整えられたことが、 後に植物が陸上へ進出するための重要な土台となったのです。
🔵 陸上に最初に進出した植物
最初に陸上に進出した植物は、少しじめじめした日陰に育つゼニゴケのような形状したコケの仲間だったようです。
植物が陸上に進出した頃(今から約5億年弱前)には、既に菌類や地衣類が陸上に進出していました。
海に生息するコンブやワカメは海水で生きていけますが、陸上の植物は真水が必要です。しかし、内陸には海のように有機物はほとんどなく無味乾燥な石の世界です。
しかし、ゼニゴケに似たコケ類は、菌類や地衣類が増殖することによって有機物が堆積した場所、河川の岩場・河原や湧水の傍など常に水分があって湿気っている場所、そんな場所で生き延びていたのです。
植物が陸上に進出したときには、海には既に菌類、一時的に海水に浸かるような海岸には地衣類が生息していました。 しかし、陸上に上がるには、塩分を含んだ海水ではなく真水が必須です。両者は陸上に上がる前に海水から真水に適応する必要があったのです。 その場所は、川が海に注ぐ河口付近や湖でした。そのような汽水域で徐々に真水に適応していったのです。
ゼニゴケに似たコケ類は、自身を体を定着・支えるために仮根を出し、その仮根は栄養源を吸収できないと言われていたのですが、最近の研究で、リン酸を始めとする栄養源を吸収できることが判ってきました。 なので、ゼニゴケ様コケ類は仮根を含めた体全体で栄養を吸収していたようです。
そして、ゼニゴケ様の初期陸上植物=コケ類は、すでに陸上にいた菌類と共生し、リン酸などの栄養吸収を助けてもらうこと、言い換えれば、菌糸が植物の根の役割を果たすことで陸上生活が可能になったのです。
🔵 最初に陸上に進出した植物と共生した菌はアーバスキュラー菌根菌(AM菌)。
余計な話
🔵 どのようにして原始生物は生まれたのか?