ミニシンビジュウム

以前からシンビジュウムを育てて花を咲かせたいと思っていました。しかし、シンビジュウムは家庭で育てるには少し大きすぎて鉢を持つことをためらっていました。しかし、ミニタイプのシンビジュウムがあることを知り、それなら育てても良いかな?と思っていたところでした。
そんなときに、園芸好きの方からミニシンビジュウム(テーブルシンビジュウム)をいただくことができたのです。それが一昨年の秋で、それから約1年3か月程過ぎます。 2026.1.7
正月明け?から咲き始めました。 10cm弱?に伸びた花茎に気づきいたのが昨年12月中旬で、その約1ヵ月半後に開花しました。このシンビジュウムは、花芽が伸びだして約2ヵ月で花が咲き始めるようです。その間に別に2本の花茎が伸びてきて合計3本になりました。

この株は4~5年は鉢替えをしていないようです。3本の花茎すべてを咲かせると株を弱らせそうなので、それぞれの花茎のつぼみが8割ほど咲いたら、順次切り取って花瓶で楽しみます。2026.1.11
最初の1本目を玄関に飾っています。玄関は温度が低いので、しばらくの間、2月末まで楽しめるでしょうか?

その理由はシンビジュウムは冬場でも比較的涼しいところを好むためです。それで置き場所は、室温が低めの日光の当たる南向きの部屋にしています。その部屋は暖房の温度設定を最低にすると12月~2月にかけての室内温度の最高気温が約15℃前後、最低気温が13℃前後に保たれます。
余計な話ですが、この部屋で10月に収穫したサツマイモを保管しておくと翌春5月まで美味しくいただけます。
⇒ 焼き芋 

同じように比較的低めの気温を好むデンドロビウムを開花期間中だけ暖房の効いたリビングに置いたことがあります。 そのデンドロビウムはその後新芽が伸びなくなり、最終的に枯れてしまいました。 そんな経験があるので、シンビジュウムは暖かいリビングに移動しないで、切り花にして花瓶に生けて楽しみます。置き場所を替える(温度・湿度・光などの環境が突然変わること )ということは、植物にとって生死にかかわるストレスになる場合もあるようです。

シンビジュウムは花は大きくて見応えがあるのですが、草丈が1m近くに、花茎も50cm以上にもなり、一般家庭で鑑賞するには大きすぎるのです。 2026.11
豊平公園緑のセンター展示温室のシンビジュウム。草丈は70~80cmあり、斜めに伸びたピンクの花茎も50cm以上はあります。鉢は8号の深鉢で、鉢底から葉先までの高さは1mほどに。1個のつぼみも6㎝前後の大きさに。

一方、ミニシンビジュウムは、別名テーブルシンビジュウムという名前が付くとおり、従来のシンビジュムに比べて一回り小さく、室内に置いても威圧感のない大きさです。 2026.1.7
草丈は30cm程で、鉢(5号深鉢)の底から葉先までの高さが50cmほど。花茎の長さは約50cmで、花のボリューム感はシンビジュウムに比べて劣ります。

2026.1.7
一昨年の秋から我家で過ごしてきた、このミニシンビジュウムは、室内に置きっぱなしで、初夏に5mm程の粒状化成肥料を与えただけで、水やりも乾いたらやる程度で、管理らしい管理はしていません。それでも今冬3本も花茎が上がってきました。育てやすいタイプなのでしょう。 パソコンで調べると、ミニシンビジュウムは初心者向きらしいです。
3本の花が終わったら、4月に株分けも兼ねて鉢替えをしてやろうと思っています。

〇 シンビジュウム
・ラン科シンビジュウム属
・常緑多年草
・自生地;主にアジア(中国南部、インド、ネパール、東南アジアなど)の北緯20~30℃の高地に自生
・生育環境;標高1,000〜2,000mの冷涼で湿度の高い森林地帯に多く見られる。木の根元や岩場、落ち葉の堆積した場所などに着生または地生。

 

 

堆肥 (7) 未熟堆肥と窒素飢餓

◉未熟堆肥とはどのようなものか?
堆肥とは、菌類などの微生物が有機物(落ち葉や剪定枝、生ごみ、家畜のふん)を分解してできたもので、植物がそれを使って自分の体を成長させる栄養源です。未熟堆肥はその分解が不十分な状態のものです。葉や枝などの原型が残っていたり、強い臭いが残っていることもあります。 ※CN比で25~30以上の数値の堆肥
※CN比30とは、堆肥の中に炭素と窒素の比率が炭素(C)30に対して、窒素(N)が1の割合で存在することを意味します。

◉ なぜ、未熟堆肥を畑に入れると良くないのか?=なぜ、窒素飢餓を起こすのか?
未熟堆肥を畑に大量に入れることは、樹木の枝や落葉など炭素(C)を大量に内在している物質を土に入れることになります。菌類などの微生物はそれらを餌にしてエネルギーを得たり、自分の細胞を増殖して成長します。そのときに炭素(C)、水素(H)、酸素(O)は必要ですが、それとともに窒素(N)も当然に必要です。それではなぜ窒素(N)が不足(飢餓)するのでしょうか?
それは、樹木や落ち葉などのCN比は50~100に対して、微生物の体自体のCN比 は8~10と言われています。なので、土の中には自分の体をつくる炭素(C)などは周りにたくさんあるけれど、窒素(N)は自分の体のCN構成比を満足させるだけありません。そのために、微生物は元々土壌中に存在する窒素を利用することになります。このことは、野菜苗や花壇苗が利用するはずだった土壌中の窒素を奪うことを意味するので、苗類にとって窒素不足=窒素飢餓になるのです。

それでは、具体的に未熟堆肥を畑に入れた場合、どれくらい窒素が不足するのか、言い換えると、菌類など微生物はどれくらい土壌から窒素(N)を取り込んでいるのか?を計算してみます。
〇 条件の設定
・2kg/㎡ の堆肥を入れる(毎年2kg/㎡を畑に入れることが推奨されている)
・堆肥の全炭素(C);60%
・堆肥の全窒素(N);2%
※この堆肥のCN比は30、 60 ÷ 2 = 30
・微生物のCN比を10と仮定 菌類など微生物のCN比は8~10といわれている。

以上の条件で計算すると、
①投入された炭素と窒素の量(1㎡当たり)
・炭素量;2kg × 60% = 1200g
・窒素量;2kg ×  2% = 40g
②微生物がこの炭素を使って増殖するために必要な窒素量
・微生物のCN率;10 なので、
→ 必要な窒素 = 1200g ÷ 10 = 120g
③不足する窒素量
・必要窒素;120g ー 堆肥中の窒素;40g = 80g
・窒素80gを化成肥料8-8-8に換算すると、この化成肥料は100g中に8gの窒素(N)が入っているので、1000gの化成肥料8-8-8に相当

結論
この条件(CN比30の未熟堆肥を投入)では、微生物が堆肥中の炭素(C)を分解する過程で、土壌中から約80g/㎡の窒素(N)を吸収することになる。

それでは、
◉DCMホーマックで販売されている牛ふん堆肥はどうでしょうか?
〇 条件の設定
・2kg/㎡ の堆肥を入れる(毎年2kg/㎡を畑に入れることが推奨されている)
・堆肥の全炭素;18.9%
DCMホーマックの牛ふん堆肥の袋には炭素量(%)が記載されていないので、以下の計算式から推測
全炭素 ÷ 全窒素 = CN比 なので、
X   ÷ 0.9    = 21
X   ≒ 18.9
・堆肥の全窒素;0.9%
・微生物のCN比を10と仮定

以上の条件で計算すると、
①投入された炭素と窒素の量(1㎡当たり)
・炭素量;2kg × 18.9% = 378g
・窒素量;2kg ×  0.9% = 18g
②微生物がこの炭素を使って増殖するために必要な窒素量
・微生物のCN比;10 なので、
→ 必要な窒素 = 378g ÷ 10 = 37.8g
③不足する窒素量
・必要窒素;37.8g ー 堆肥中の窒素;18g = 19.8g

結論 DCMホーマック の牛ふん堆肥のCN比は21で、堆肥として十分に使えるものですが、それでも、微生物は土壌から約20g/㎡の窒素を吸収しています。

◉剪定枝の場合
〇 条件の設定
・2kg/㎡ の堆肥を入れる(毎年2kg/㎡を畑に入れることが推奨されている)
・堆肥の全炭素;5.75%
・堆肥の全窒素;0.47%
・微生物のCN率を10と仮定

以上の条件で計算すると、
①投入された炭素と窒素の量(1㎡当たり)
・炭素量;2kg × 5.75% = 116g
・窒素量;2kg × 0.47% = 9.4g
②微生物がこの炭素を使って増殖するために必要な窒素量
・微生物のCN比;10 なので、
→ 必要な窒素 = 116g ÷ 10 = 11.6g
③不足する窒素量
・必要窒素;11.6g ー 堆肥中の窒素;9.4g = 2.2g

結論 CN比が12.4の完熟堆肥 でも、菌類など微生物は土壌中からの窒素を必要としています。しかし、その量は未熟堆肥(CN比;30)やDCMホーマックの牛ふん堆肥(CN比;21)に比べて少ないです。

◉ まとめ
1㎡あたり2kgの堆肥を入れた場合、

名称 CN比 不足した窒素量
堆肥未熟 30 80g
牛ふん堆肥 21 19.8g
剪定枝堆肥 12.4 2.2g

〇上表で分かったことは、
・完熟堆肥でも窒素の量は少ないが 、菌類は土壌から窒素を取り込んでいる
・堆肥が未熟なほど、菌類など微生物は土壌中からの窒素の取り込み量が多くなる
しかし、上表の数値は投入された2kg/㎡の堆肥すべてを分解した場合で、実際に畑に入れた堆肥がすぐにすべての炭素を分解するわけではないのです。
たとえば、
札幌で5月上旬に堆肥を畑にすき込んだ場合、
・札幌の5月上旬:平均気温は10~15°くらい
・土壌温度もまだ低めなため、微生物の活動はゆっくり始まる
・堆肥は未熟で、CN比が高い ので、分解に時間がかかる

以上のことから、
・窒素の半分が吸収される時期は、6月中旬~下旬頃
・窒素の全量が吸収される時期は、7月中旬~8月上旬(盛夏)

以上のように投入された堆肥2kg/㎡の全量の窒素が微生物に吸収されるのは、お盆前で5月上旬に堆肥を入れてから約4か月かかることになります。
なので、市販されている牛ふん堆肥を前年の秋に、または植付け3週間前にすき込むなど、一般的に言われているような農作業をしていれば問題は起こらないのです。私は家庭菜園を40年近くやっていますが、植付け前日に堆肥(化成肥料と併せて)をすき込むこともたびたびあります。葉が黄色くなる、成長が芳しくないなど窒素飢餓と思われる現象を経験したことはないのです。

それでは、どのような場合に窒素飢餓が発生するのでしょうか?

 

堆肥 (6) 牛糞・剪定枝・落ち葉 比較

下表は、以前に投稿した牛ふん・剪定枝・落ち葉それぞれの堆肥成分を比較したものです。

  項目 単位 牛糞 剪定枝 落ち葉
窒素(N) 0.9 0.47 2.2
リン酸(p) 1.0 0.35 2.3
カリ((K) 1.2 0.33 0.3
有機炭素 5.75 35.0
炭素窒素比 21 12.4 16
水分含有量 35.6 31.6
水素イオン濃度(pH) 6.9 7.3
カルシュウム 11.5

・「肥料取締法」において堆肥を販売する場合、下記①~⑥の6項目を表示することが義務づけられている
① 窒素(N)
② リン酸(p)
③ カリ(K)
④ CN比
⑤ 水分
⑥ 原料
・牛糞堆肥の原料は牛糞の他に、おがくず、樹皮、もみ殻を混ぜたもので、その配合割合は分からない。

⇒ 堆肥(2) 市販されている牛糞堆肥の中身
⇒ 堆肥(3)  剪定枝

 

 

◎3種類の堆肥の比較と評価
・剪定枝や植物残渣など有機物を堆肥化すると、pHは6.5~8.0の範囲で安定するが、
・生芝など草本植物や野菜残渣などには窒素(N)分が含まれているため、アンモニア(NH₃;強アルカリ性 )が生成され、pHが7.5~8.0と上がりやすい
・落ち葉や剪定枝など木質系有機物は元々窒素(N)分が抜けているので、それらからできた堆肥は酸性寄り(6.5~7.0)になる傾向 がある
・落ち葉堆肥は本来は弱酸性に傾くが、今回の落ち葉堆肥は汚泥コンポストが入っているので、pHが7.3とアルカリ性を示したようである
・3種の堆肥のCN率は、
① 牛糞堆肥(市販);21
② 剪定枝堆肥   ;12.4
③ 落ち葉堆肥   ;16
であるが、
・家庭菜園で使用する堆肥の適正CN率の範囲は、10~20なので、②剪定枝堆肥と③落ち葉堆肥がその部類に入る。①市販の牛糞堆肥のCN率は21と適正範囲を1オーバーしているので、前年の秋季にすき込みするがベストで、それができなければ、タネまきや苗の植付けの3週間~1ヵ月前が推奨される。
・その理由;CN率が20以上の堆肥は、まだ分解が進行中の未熟堆肥である可能性がある?、高い?ので、畑にすき込みのタイミングを誤ると作物にダメージを与えることもあるため

〇 完熟堆肥とは
完熟堆肥であるかどうかの判断の目安の一つとしてCN率があり、その数値が10~20とされてます。しかし、それはあくまでも一つの目安であり、完熟堆肥かどうかの判断は、
「腐敗臭がなく、色は黒褐色で、原材料の形があまり残っていない」
など堆肥を手に取って臭いを嗅ぐなど堆肥そのものを確認することが大事です。

〇 我家において家庭菜園での堆肥(市販の牛ふん堆肥)の取り扱い方
豊平公園の緑の相談で、春先に堆肥の使い方の質問があった場合は、
「トマトなどの苗を植え付ける3週間~1ヵ月前に堆肥を畑にすき込むように」とお話をしています。
しかし、実際はなかなかそのように間を置くことが難しい場合もあり、苗を植え付ける前日に堆肥を入れることもたびたびあります。それでも今まで30年以上家庭菜園をやっていて、苗を痛めることはなかったのですが、いくつか心がけていることはあります。
・野菜の種類によって、例えば、レタスやホウレンソウなどの葉菜類は浅めの10~15㎝、ダイコンやニンジンなどの根菜類は少し深めの20~25cmの深さに入れろ  と言われていますが、家庭菜園では小面積に多種類の野菜苗などを植え付けるので、
・剣先スコップで30~40cmと深めに掘り起こして堆肥をすき込む
・堆肥の入れる量は、2kg/㎡。
これをホーマックで販売されている牛ふん堆肥で計算すると、ホーマックの牛ふん堆肥は40lと20lの2種類があり、今回は40l/袋で、牛ふん堆肥の比重を0.5で計算すると、
40L/袋 ×  0.5=20kg/袋
1㎡当たり2kgを入れるので、
20kg/袋 ÷ 2kg/㎡ = 10㎡/袋

となり、ホーマックで購入する牛ふん堆肥40L/袋は、約10㎡の畑にすき込むことができます。

ということで、我家の家庭菜園では、深く起こして堆肥をすき込み、堆肥の投入量は2Kg/㎡、 この2点を守って牛ふん堆肥を入れています。

〇 毎年、畑に堆肥2kgを入れる理由
以前は北海道でも2Kg/㎡ を推奨していたが、現在は過剰施肥の観点から、土壌診断に基づいた施肥が進んでいます。一方、道民向け家庭菜園関連書物では、多くの作物に2kg/㎡が使われています。

 

アボガド

アボガドを健康のために食べている人の中に園芸好きな方がいて、あの大きくて丸いタネに魅力を感じるのか?、それをまいて育ててみようと思う人は意外に多いようです。
豊平公園緑のセンターの相談で、
「アボガドのタネを鉢にまいたら、芽が出てきて葉っぱが2~3枚になった。これからどのように育てたらいいのか? また、アボガドの木がどれくらい大きくなったら実をつけるのか?」
という内容の電話を受けることがあります。 2025.12.21
写真は緑のセンター展示温室のアボガド。高さは2.5m程。
2025.12.21
葉は大きく、長さは30cm以上、幅は10cm弱あります。

アボガドの自生地は中南米で、特にメキシコを中心に分布しており、常緑樹で高さは20mになることもある高木です。 ただし、室内で育てると2~3mに収まることが多いそうです。

 

〇 「札幌のような北国で、アボガドのタネを鉢にまいて室内で育てた場合、何年くらいで花が咲き、実をつけるのか? 」

・札幌は北緯43°と緯度が高く、しかも日本海側に位置しているため、関東以西の太平洋側の地域に比べて、冬期間の太陽光は極端に少なく弱々しいので、年間を通じて温暖な気候に育つ常緑のアボガドにとって好ましい環境ではない
・室内の条件がかなり良ければ(日光に良く当て、適正な時期に鉢替え)、10年前後で花が咲く可能性はある。
・アボガドは1本の木では実がならない場合がほとんど。その理由は、アボカドの花は 1つの花に雌しべと雄しべがある両性花であるが、 雌しべと雄しべが成熟するタイミングがずれるため、同じ花の中で自家受粉しにくい性質を持つ。ので、同じ木に咲いた花の雄しべの花粉を雌しべに受粉させても、結実する可能性は極めて低い。
・本州では、開花が4~6月で、開花から収穫までに半年~1年かかり、収穫時期は11~3月。生育期間の短い札幌では、開花はしても果実の肥大成熟は難しそうである。
・アボガドには2種類の開花サイクル(AタイプとBタイプ)がある

◇ Aタイプ
1日目の午前に雌しべが成熟、受粉可能

花を閉じる

2日目の午後に雄しべが成熟(花粉を出す)

◇Bタイプ
1日目の午後に雌しべが成熟、受粉可能

花を閉じる

2日目の午前に雄しべが成熟(花粉を出す)

※アボガドは、品種によって雌雄の成熟時期(受粉可能時期)にAタイプとBタイプがあるので、1本の木では受粉の可能性は低い。だからといって、2本植えれば良いわけではない。A・B違うタイプの品種を最低1株づつ植えないと結実しない。
そうはいっても、同じ木で花の開花タイミングにはばらつきがあるため、ある花で雌花が受粉可能なときに、別の花で雄花が受粉可能な場合もあるので、同じ木で受粉期の重なりが生じることがあり、自家受粉が起こることもありうる。

サクランボやリンゴなどのバラ科の果樹に多いが、「2種類の異なった品種を植えないと実が成らない」と言われる。これは、両者とも1つの花に雄しべと雌しべを持っているが、自家不和合性といって、同じ木の雄しべと雌しべでは受粉できない。
また、トウモロコシは一つの株に雄花と雌花はつけるが、開花期をずらして、自家受粉の確立を下げるようにしている、これを雌雄異化という。
これらの方法は、遺伝子の多様性を保つためで、子孫を残すための手段。
この目的のために、アボガドは雌しべと雄しべが成熟するタイミングをずらす(これを雌雄異熟という)ことで遺伝子の多様性を図っている。

話が横道にそれましたが、結論として、札幌のような北国でアボカドの実を成らすのは極めて難しいようです。
豊平公園の担当者の話では
「現在展示しているアボガドはタネから育てたと思う。10年以上は経っている。花は1~2回咲いたのか?記憶ははっきりしない。 実は成ったことはない」ということです。

上述したとおり、違うタイプの品種をそれぞれ1株づつ必要なので実が成らないのは当然です。緑のセンターのような生育環境の良いところでこれですから、一般家庭でアボガドに花を咲かせ、さらに実を成らせ収穫するまで育て上げるには、環境の整った場所と適切な管理ができる場合において、多少の可能性があるといったところでしょうか。 この「多少」のニュアンスは、「その可能性は少ないが、ゼロではない、条件によっては起こることもある」。実を成らせることを期待しないで観葉植物として育てるというのであれば、一般的な観葉植物と同様の扱いで問題ないようです。

〇 追記
毎週日曜日の朝放送されるNHKの「趣味の園芸」でアボガドを見ました。 放送日;12月28日(日)
放送内容は、愛媛県のアボカドを栽培されている農家(以前はミカンを栽培)の果樹園を三上真司が訪ね、その農家の方に栽培方法を尋ねたり、試食をする。
・気候が温暖な愛媛県では3~4月に開花し、収穫は11月~とのこと ⇒  開花から収穫まで半年以上かかる
・栽培地は急な斜面で、これがアボガド栽培に適するとのこと ⇒ 水はけの良い土壌を好む
・園地には袋掛けしたアボガドがたくさん落ちていた ⇒ アボガドは生理落下が非常に多いとのこと

 

 

 

 

 

堆肥(5) 樹木・草・菌類のCN率

堆肥の品質をはかる基準にCN率があります。その数値は、おおむね30以上が未熟堆肥、10~20が良質な堆肥と言われています。
それでは、堆肥の材料である樹木や草本などそれぞれ有機物本来のCN率はどれくらいなのでしょうか?

その前に、落ち葉がどのように細かく分解されていくのかを調べて見ました。
① ミミズ、ダンゴムシ、トビムシなどの土壌中の小動物が落ち葉をかじったり、細かく砕いたりして、表面積を増やす。これが微生物の活動を助ける。
② 微生物<※細菌やカビ(糸状菌)>が有機物を分解
・枯草菌     ⇒ 糖・アミノ酸・タンパク質を分解
・トルコデルマ菌 ⇒ セルロース
・放線菌     ⇒ ヘミセルロース
・白色腐朽菌   ⇒ リグニン

● 糖やアミノ酸は細胞内の核や葉緑素などに存在する物質。セルロースやリグニンは細胞壁の物質で、これらは分解しにくく、樹木の堅くてしっかりしているのは、細胞壁にリグニンが多く存在するため。
・糖やアミノ酸、セルロースやリグニンなど有機物の種類によって分解する細菌やカビがそれぞれ異なる。

上述の微生物<細菌やカビ(糸状菌)>によって落ち葉は分解されるが、その意味は、微生物が分解過程で自身の生命維持や組織を増やすためのエネルギーを得ることです。その過程で、有機物はエネルギーの他に水(H₂O)と二酸化炭素(CO₂)に分解されます。
このことは、有機物から酸素(O)、水素(H)、炭素(C)が抜け出て、窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)や微量要素(カルシュウム(Ca)、Ma(マグネシュウム)などの微量要素が残ることになる。

例えば、落ちたばかりの葉に、
炭素(C)が100,窒素(N)が2あったとすると、
それが微生物の分解により、
・落ちたばかりの葉のCN率
C/N = 100/2 = 50
・微生物が分解後のCN率
C/N =  50/2 = 25

落ち葉は微生物の分解により、CN率が
50 ⇒ 25
に下がったことになる。

〇 樹木や草本などのCN率

分類 有機物 CN率
細菌・カビ 細菌・放線菌
糸状菌
光合成菌 80
植物粕  油粕
おから 11
茶粕 12
米ぬか 23
コーヒー粕 23
動物ふん 鶏ふん
豚ふん 11
牛ふん 16
植物繊維 やし繊維 48
ピートモス 52
草本 マメ科植物 10~17
若い草 15~25
成長した草 50
藁(わら) 稲わら 60
もみ殻 75
麦わら 90
樹木 針葉樹落ち葉 20~60
剪定枝 70
樹皮 100~130
おがくず 134~1064
280

・ウィキペディア参照

・菌類のCN率は5~9と低い
・有機質肥料として使う油粕(7)と米ぬか(23)ではCN率に3倍の差がある ⇒ 使い方に注意が必要
・鶏ふん(7)もCN率は低く、化成肥料に近い使い方になる
・若い草はCN率が低いので、落ち葉に比べると堆肥化ははやい
・刈芝は若い草(15~25)と同程度のCN率。ただし、古い芝やサッチ(枯死組織)はリグニンやセルロースが多く、C/N比が高くなる。
・おがくずのCN率が高い理由は、樹皮や辺材は生きた細胞が多く、それらは蛋白質や酵素などの窒素化合物を比較的多く含んでいるため。一方、心材は死んだ組織で、タンニンやフェノールなどを多く含み、これらは、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の3つからなる物質。