堆肥(3)  剪定枝

〇 札幌市が配布している堆肥について
豊平公園で緑の相談員をしている方が、
「山本処理場に堆肥を取りに行ったときに、係の人から渡されたものだよ」
と言って、以下の用紙を私に見せてくれました。

その用紙の大きさはA4で、内容は、右半分に堆肥の積込み時等の注意事項と会場の案内図が書かれていて、左半分に堆肥の成分が記載されています。
札幌市では毎年5月~11月の期間中の4週に1回、個人の庭から出る剪定枝などの回収を行っています。 それを堆肥化して、毎年秋に1度、市民に配布する事業を行っているのです。

この堆肥の成分表を見ると、

窒素全量 0.47% N
リン酸全量 0.35% P
カリ全量 0.33% K
※有機炭素 5.75% 堆肥としては低い値
 炭素窒素比 12.4% CN率  この値は完熟堆肥
水分含有量 35.6%
水素イオン濃度 6.9 pH

〇 有機炭素の意味
堆肥成分の中で、有機炭素の割合が多いほど未熟な堆肥を、少ないほど完熟している堆肥を意味する。
未熟堆肥や有機物が多い堆肥:有機炭素含有率は 20〜40%。
完熟堆肥:分解が進み、炭素量は減少して 10〜20%程度になることが多い。

〇  有機炭素とCN率の関係
CN率は、
有機炭素  ÷  窒素全量    CN率
5.75% ÷  0.47% = 12.23 ≒ 12.4
以上の式で表せるが、
CN率とは、 堆肥の肥料効果や分解速度・程度を判断する重要な指標となります。
また、堆肥の分解速度とは、
堆肥中の有機物(炭素C・水素H・窒素Nなどを含む有機化合物)が、微生物の働きによって分解され、最終的に 、二酸化炭素(CO₂)や水(H₂O)、アンモニア(NH₃)などの無機物に変化していく速度や割合 を指します。
ので、CN率が低いほど有機物が分解されて、堆肥の中の窒素分の量ではなく、割合(%)が大きくなることを意味します。

〇 札幌市清掃局が配布している堆肥の評価
・札幌市清掃局が資源回収で1年間の間に集めた剪定枝等は、数回(2~3回?)の切り替えしを行って剪定枝の分解促進を図っている。
・このためにCN率は12.4と低く、完熟堆肥になっている。
・肥料分(N・P・K)は1%以下なので、その効果はあまり期待できないが、土壌の団粒構造の形成や保水性の改善には十分と考えられる。

 

 

堆肥(2) 市販されている牛糞堆肥の中身

DCMホーマックで2種類の堆肥が販売されています。
I 堆肥 その1
2025.11.10
上の写真は、堆肥の入っているビニール袋の裏面右下に記載されている内容

〇 肥料の名称 ;醗酵牛糞堆肥
〇 肥料の種類 ;堆肥
〇 製造販売会社;森産業(株)
・北海道河東郡士幌町(帯広市の北側)
・森産業(株)は群馬県に本社があり、キノコ菌の分野で国内トップシェアを誇る企業。
・士幌町にも工場があり、バーク堆肥や園芸用土を製造販売
〇 正味重量;16kg(充填時40リットル)
〇 原料  ;牛糞、おがくず、樹皮、もみ殻
〇 主要な成分の含有量等
・窒素全量 ;0.9%
・リン酸全量;1.0%
・カリ全量 ;1.2%
炭素窒素比;21
※この牛糞堆肥の肥料成分は1%前後で、当然ですが、化成肥料(8-8-8)に比べて1/8。
〇炭素窒素比(C/N比)
・堆肥の品質を見るうえで、最も重要な指標(数値)
・有機物(植物体や動物のフンや遺体)に含まれる炭素と窒素の質量比(割合)。
・炭素窒素比(C/N比)は堆肥の成熟度を表す数値で、農林水産省の「土づくりのための堆肥利用指針」の中で、炭素窒素比(C/N比)は目安として20~30程度が望ましいとされている。

II  堆肥 その2 2025.11.10
〇 肥料の名称 ;土いきかえる堆肥
〇 肥料の種類 ;堆肥
〇 製造販売会社;森産業(株)
・I 堆肥その1 の醗酵堆肥と同じ会社
〇 正味重量  ;17kg(40リットル)
〇 原料   ;牛糞、おがくず、樹皮、もみ殻、ココヤシビート
〇  主要な成分の含有量等
・窒素全量 ;1.1%
・リン酸全量;1.1%
・カリ全量 ;1.2%
炭素窒素比;24

◎2種類の堆肥の違い
上の2種類の堆肥を比較すると
・肥料成分は両者とも1%前後で大した違いはない
・炭素窒素比(CN率)も農林水産省の目安(20~30)の範囲内である
・2種類ともに牛糞・おがくず・樹皮・もみ殻が入っている
しかし、「土いきかえる堆肥」には「※ココヤシビート」が付け加えられている。
・二つの価格は、「醗酵牛糞堆肥」が514円/40L袋で、「土いきかえる堆肥」が848円/40L。
・この価格差334円/袋、6割も高いのは、ココヤシビートの有無によるものか?
・肥料分がほぼ同じで、CN率は「土いきかえる堆肥」がやや高めながら目安範囲内に収まっている。2種類の堆肥として品質は多少の違いはあるがほぼ同等と思われるので、実用面では価格の低い「醗酵堆肥」で十分である。

※ココヤシビート
・ココヤシ(ココナッツ)の殻を粉砕・発酵させて作られる天然の有機培土、土壌改良剤。主にインドやスリランカで生産
・多孔質構造で、保水性、通気性、排水性が良い
・pHは弱酸性(5.5~6.0)

次回は、堆肥の品質基準であるCN率について深堀します。

 

 

堆肥(1) 肥料と堆肥の違い

豊平公園の緑の相談で9月末ごろから、時折尋ねられる質問に、
「肥料をいつやったら良いか?」
というのがあります。
札幌のこの時期は、漬物用のダイコン、キャベツ、ハクサイ以外の野菜はほとんど終わっているので、樹木や草花(宿根草類)に対する肥料と思いきや、野菜も含めての質問のようなのです。
質問者に話をよく聞くと、
「本を読むと、お礼肥や寒肥を入れたほうが良いと書いてあるので、それで質問した」
とのこと。
この人は肥料と堆肥を一括りにする、混同しているようなのです。
市販されている園芸書は、関東以西を基準に植物のタネまき・植付け・移植・施肥などの時期を記載しているので、札幌のように寒い地域では当てはまらないことが多いのです。以下は関東以西と札幌の樹木の開花時期です。

       開花時期
札幌 関東以西
サクラ 4月下旬~5月上旬 3月下旬~4月上旬
サツキ 6月下旬~7月上旬 5月下旬~6月上旬
ムクゲ 8月上旬~10月上旬 7月上旬~10月上旬

札幌の樹木の開花期は関東以西に比べて約1か月遅く、秋の紅葉は関東以西での平野部で11月中旬~12月上旬になり、札幌では10月中下旬で1か月ほど早くなます。このことは、植物の植込み、剪定、施肥など植物管理すべてに影響します。

肥料<窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)など>は施されたらすぐに植物の根に吸収されるわけではなく、まず水に溶ける必要があります。また、植物に肥料を施す時期は植物が成長している時期、つまり、春から夏です。植物の成長が遅くなる若しくは成長しない秋や冬に夏と同じように肥料を与えても、根から吸収しきれません。土壌中に溶けた肥料成分は地下に浸透するか外側に拡がっていくだけです。 その意味で、どの種類の肥料をいつやるか?は、肥料の性質を理解しておくことが重要になります。

その前に、お礼肥と寒肥の意味を確認しておきます。
〇 お礼肥
・対象;主に花木・果樹、草花類
・目的;花が咲いた後や実を収穫した後に、翌年の花や実の準備を助けるため
・資材;油粕、骨粉、化成肥料、鶏糞など
〇 寒肥
・対象;花木、果樹
・目的;冬の寒い時期に与える肥料のことで、春からの成長や花・実つきを良くするための施肥
・資材;油粕、骨粉、堆肥など
野菜の施肥用語に元肥(基肥)、追肥が一般的使われますが、お礼肥や寒肥は主に花木や果樹で用いる用語です。宿根草類もこちらの部類に入るのでしょう。

上述の質問者が尋ねた秋以降にまく肥料という意味での、具体的な肥料はどんなものがあるでしょうか? 代表的なものを挙げると
〇 肥料
①化学(化成)肥料
化成20k
写真の肥料は、20kg/1袋、 数字の8-8-8は、窒素(N)ーリン酸(P)-カリ(K)がそれぞれ8%づつ入っているを表しています。
1袋が20kgなので
20kg × 8% = 1.6kg
一袋に窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)がそれぞれ1.6kgづつ含まれています。
この化成肥料の袋の中には、白い小さな粒が入っています。 化成肥料は即効性と言われますが、その意味は、雨が降ったり、水をかけると直ぐ水に溶けて根から吸収されるのです(窒素などの養分は水に溶けて初めて根から吸収されます)。
・札幌のような寒冷地は、植物の生育期間が短いので、野菜など5月からのタネまきや植付後の初期生育を促進するために、即効性のある化成肥料を使います。 また、花木や果樹のお礼肥的な意味合いでの化成肥料の使用は一般的には行いません。

②有機質肥料
・油粕、骨粉、米ぬかなど
・これらは、細かい粉状なので、比較的早く根から吸収されますが、化成肥料に比べると遅いです。
・化成肥料は畑にまいてから数日以内に根から吸収され始めます。 一方、有機質肥料は肥料の種類や土壌条件によって異なりますが、土壌微生物の分解を経て、アンモニア態窒素や硝酸態窒素に変化して吸収去されるため、一般的には7~14日程かかります。
・有機質肥料の成分比率

窒素 リン酸 カリ
油粕 5~7% 1~2% 1~2%
骨粉 4% 17~20% 0%
米ぬか 2~3% 4~6% 1~2%

有機質肥料は、化成肥料(代表的な8-8-8)に比べると肥料成分は少なめです。
・有機化成肥料という名前の肥料も販売されていますが、これは化成肥料と油粕や骨粉などの有機質肥料を混ぜたもので、化成肥料に比べると肥効期間が長くなります。

〇堆肥
①植物性堆肥
・材料;落ち葉、わら、バーク(樹皮、剪定枝など)
・特徴;土壌の通気性や保水性の改善、肥料分は少ない
②動物性堆肥
・材料;牛糞、馬糞
※鶏糞は即効性があり、化成肥料に近い
・特徴;植物性堆肥と同様に土壌改良(土をふかふかにする、微生物の活動を盛んにする)効果と、有機質肥料に劣るが肥料効果もある。
・牛糞堆肥の肥料成分(窒素・リン酸・カリ)は1~2%
・馬糞堆肥の肥料成分は0.5%前後
・化成肥料(8%-8%-8%)に比べると堆肥の肥料成分はかなり低い

③ 堆肥の特性
・堆肥は、堆肥に含まれる有機部が微生物によって分解されると、粘着性の物質が生成されて、それが土壌の※団粒構造を形成します。これが、土壌の通気性・保水性・排水性を高め、根の伸長を促進します。
※団粒構造;土の微細な粒子が微生物や有機物の働きによって結びつき、小さな団子状の塊(団粒)を形成した状態のこと

画像はヤンマーさんのサイトからお借りしました
https://www.yanmar.com/jp/agri/agrilife/kitchen_garden/field/soil/

上図の一番右側の図で、大きい丸が団粒で、その中の小さな丸が単粒。 単粒と単粒の隙間には水分が保持されるが、団粒と団粒の隙間は空気が埋める。ので、植物の根は単粒と単粒の隙間を埋めている水分を吸収し、団粒と団粒の隙間にある空気から酸素を吸っている。
④ 堆肥の投入時期
・札幌のような寒冷地では10月中旬が適期
・その理由 9月に堆肥を投入すると、まだ気温が高いため堆肥の分解が急速に進み、分解で生じた窒素やリンなどの栄養分が冬の雪解け水で地下に浸透・流出してしまうため。
また、11月以降に堆肥を入れないのは、すでに地温が低下しているので、分解がほとんど進まず、翌年の春に投入するのと同じ効果しか得られないため。
また、11月に入ると3時過ぎには暗くなり作業時間が極端に短くなることや、わざわざ寒さの厳しいこの時期に行うメリットがないことが挙げられる。

以上が肥料(化成肥料・有機質肥料)と堆肥の特性と違いです。次回は、実際に園芸店で販売されている堆肥について検討します。

 

 

 

畑起こし 令和4年(2022)

今年も家庭菜園が始まりました。
今冬は雪が異常に多くて、我家の庭には4月10日過ぎまで?その後も?雪が残っていました。例年は4月20日前後から畑起こしをするのですが、今年は地面の乾きが遅くなるだろうと思って、少し遅めの4月25日頃から始めようと考えていたのです。しかし、バレイショを5月初めに植えるので、やはり、例年と同じ4月21日から畑起こしを始めました。その理由は、毎年、60㎡程の畑を4月20日から4月末までの10日間で終えるのですが、この歳になると、1日に10㎡程しかしないので、出来ないので、どうしても、1回目の畑起こしが終わるのが4月末になってしまうのです。
土は乾いていて、剣先スコップでの掘り起こしは思っていたよりも程度は良かったです。今春初めての掘り起こしは30分足らずで止めました。やはり土は重いです。剣先スコップで掘り起こしているとコガネムシの幼虫が出てきます。しゃがんでその幼虫を取り除こうと土に触れると、ほのかに土の香りがしてきます。札幌にもやっと暖かい春がやってきました。

2022.4.23

畑起しの時期になると、
「畑に堆肥を入れないとどうなるのか? 土がやせるとは?」
など土に関することが頭に浮かんできます。

野菜をつくるとき、堆肥(有機物)を入れないで、化成肥料だけを与え続けていると土がやせる、作物が穫れなくなる と言われています。
北海道は畑に毎年2㎏/㎡の堆肥を入れることをと推奨?しています。そうすると、畑の地力が維持できるのです。 自分でも数年に一度秋に落葉を入れたり、毎年、果樹の剪定枝を細かく切り刻んで入れたりはしていますが、2㎏/㎡の堆肥(有機物)は入れてないように思うのです。 ナスは半身萎凋病が出るのでダメなのですが、それでも、トマト、キュウリ等他の作物はそれなりに収穫できています。 キュウリは毎年5本植えて、120〜200本収穫しています。 昨年は、6月中旬〜8月上旬までほとんど雨が降らなかったのでベト病などの病気が発生しなかったのです。 そうしたら300本(60本/株)も収穫できました(そのかわり、潅水はしっかりとやりました 葉にかけるのではなく、畝間に水を時間をかけてじっくり染み込ませて)。
ということは、畑に堆肥を入れなくなったから急に作物が撮れなくなるのではなく、家庭菜園では、平米に何キロ入れたということよりも、毎年堆肥を少しづつでも入れようと思う気持ちが大事だと思っています。

有機物(樹木や草花、昆虫や動物の体など)を生産できるのは葉緑素を持っている植物だけです。人類も最近では人工光合成により有機物を合成して、近い将来には人工有機物が工場で生産される日が来るようですが、それは別の話として、植物は水と二酸化炭素と太陽のエネルギーでデンプン(有機物)を作っています。それを我々人間も含めた動物が食べて生きているのです。植物が生産したデンプンなどの有機物を消費するのは動物だけではありません。カビの仲間の菌類も、有機物を消費するのです。

消費者である人間を含めた動物は、口から食物(有機物)を入れて胃や腸で分解し、その分解された食物は小腸で血管から吸収されて血液で各細胞に運ばれます。そして、腸で吸収されなかった残りかすは肛門から排出されます。
一方、地球上のもう一つの消費者であるカビなどの菌類は、土中に細い細い菌糸を伸ばして、その先から植物の細胞壁を壊す物質を出して細胞内に入り、必要な栄養を吸収して自分の体をつくっています。
そして、菌類が食べ残したかす、動物で言えばうんこなどの排泄物が、土なのです。土は菌類が食べ残した残骸なのです。その残骸が植物の根を生長させるのに絶好の環境、つまり※団粒構造をつくっているのです。 それは、適度な通気性と排水性を持ち、かつ保水性と保肥力がある、と言われています。
菌類は有機物を分解して自分たちの体を維持するためのエネルギーをつくり、最終的には、有機物は水と二酸化炭素に分解され、リン酸やカリ、マグネシュウムなどの無機物だけが残るのです。 極端な言い方をすれば、菌類によって有機物が食いつくされた畑には石のような鉱物以外何も残らなくなるのです。
「土がやせる」ということは、多種多様な菌類が生息してた畑に菌類のエサがなくなったことを意味し、言い換えれば、「有機物のない、菌類の生息できない土、植物の根に理想的な環境を与えてくれる団粒構造がなくなってしまう土」ということになります。

※団粒構造
個々の土壌粒子が集合して団粒をつくっているもの。 団粒構造は土壌粒子がばらばらに存在している単粒構造にくらべ,大小さまざまの孔隙(こうげき)に富み,通気・通水性,保水性にすぐれ,土壌生物の活動も盛んで,植物生育も良好である。
(コトバンクより)

団粒構造 タキイネットショップより
https://shop.takii.co.jp/simages/shop/selection/soil_1006_02.html

 

晩秋の畑起こし

2018.10.28
写真は、我家の家庭菜園で育てたハクサイ。 外葉が淡褐色になって枯れてきています。 とりあえず、外葉をとれば漬物や鍋の材料として十分に使えます。 しかし、株が小さく病気の症状が進んでいるものは食材として使う気がしません。 病気の症状からすると、べと病か黄化病のように見えるのですが判りません。 ハクサイのこの症状は3年前程から出だして、病状の強弱はあるにせよ毎年出ています。 これらの病気はカビ(菌類)が原因で、べと病は葉から感染し、黄化病は根から感染します。 いずれも取り残しの残渣や根に生存越冬し、次年度に悪さをします。

最近、このような病気が出やすくなっているのは、我家の家庭菜園で植える作物はだいたい決まっていて、トマト、ピーマン、ナス、バレイショなどのナス科、エダマメのマメ科、スウィートコーンのイネ科、キュウリのウリ科で、植え付ける前に作付計画を立てて、同じ科に属する作物は連続して植えないようにしているのですが、それでも場所が狭いので毎年同じような作物を同じようなところに植え続けている傾向にあることと、牛糞や腐葉土などの堆肥の投入が少なく化成肥料が主体であること、これらのことが地力を落として土の中にいる様々な土壌菌の多様性をなくして病気が出やすくなっていると思っているのです。 2020.11.15
それで、今年は作物の収穫後に畑起こしをすることにしました。
作物の収穫後に田畑を起こす用語として、「秋起こし」と「寒起こし」があります。
「秋起こし」は稲の収穫後早い時期(10月上中旬?)に稲わらを田んぼにすきこんで分解を促進させて地力の向上を図ることを目的としてます。 新潟県や北陸、東北地方など米の単作(一毛作)地帯で使われている言葉のように思います。
「寒起こし」は、1〜2月の真冬にスコップ(シャベル)で深さ30㎝ほど土を粗く掘り起こし、寒さにさらして病害虫を死滅させることを目的としています。 これは、関東以西の太平洋側に面する、冬場に太陽が十分降り注ぐ地帯で、秋遅くまで何らかの作物を育てていて、それが終わってから行われる農作業のようです。

二つの用語ともに田畑の地力維持を図るためのものです。 それで、これに倣って我家の家庭菜園でも畑起こしをしてみました。 当初はダイコン、キャベツ、ハクサイ(漬物用)を収穫してからこの作業をしようと思っていたのですが、そうすると11月半ば以降になってしまうので、それより少し早い11月上旬に始めました。 ところが、この時期になると太陽の位置は低く時雨れも多いために畑の土が乾かず、スコップのへらの部分に土がべっとりとへばりついて掘り起こしがやたら重く、15分ほどで止めてしまいました。 それでも何回に分けてやればいいのですが、春の雪解けに行う畑越しは5月初めにバレイショを植えるという期日の決まった作業があることと、掘り起こし当初はスコップに土がつくのですが、4月下旬になると土も乾き、作業もやしやすくなるのです。 それよりも、これから素晴らしいいシーズンが始まるという気持ち、モチベーションがこの時期と全く違うのです。 なので、晩秋の畑起こしはそれなりの気持ちがないとなかなかできないように思います。 明後日からは2〜3日雨模様で、その後は雪になるようです。 そんなことで、今年の晩秋の秋起こしは未完に終わることになると思います。  2020.10.18
写真は百合が原公園近くにあるタマネギ畑。 タマネギの収穫は8月下旬に概ね終わるのですが、それから約2ヵ月後の10月中旬にプラウで畑を起こしています。 2020.10.18
おそらく、札幌ではこの時期が畑起こしのギリギリのタイミングで、これ以降では、畑が水を含んでトラクターで起こすことが難しくなることが多くなるのではないでしょうか。 それと同じで、我家の家庭菜園の畑起こしもやはり10月中旬ごろまでに行うにが正しいのでしょうね。

 

<余談>
この投稿のタイトルを「晩秋の畑起こし」としました。 その理由は、北国札幌でニンニクなど一部の例外を除いてほとんどの作物が畑からなくなるのが10月下旬〜11月上旬だからです。 しかし、ダイコンやキャベツなどの収穫を待っていたら畑起こしは難しくなります。 なので、「晩秋の畑起こし」ではなく、10月中旬頃に行う北国版の「秋起こし」が妥当のように思えます。