シラタマノキ  晩秋に気づく

2025.11.29
吐く息が白く見える朝の散歩中に見つけました。
擁壁の天端から垂れ下がるシラタマノキの枝々に、 白い実がこぼれ落ちそうに実っています。すぐそこまで来ている雪の季節を前に自分を目立たせたいのでしょうか?、たわわに実ったその白い実に自然と目が行ってしまいます。
この白い実に気づくのは、ほとんどの樹木が葉を落とす晩秋若しくは初秋のこの時期です。
2025.11.29
シラタマノキの実の大きさは1センチ前後で、果実の表面に少し光沢があります。白い果実は、花後に萼(がく)が丸く肥大したものだそうです。
この実を指でつぶすと、湿布の、あのスッーとする爽やかな匂い?香り?がします。調べると、サリチル酸メチルの香りです。
このサリチル酸メチルとは、
植物が病原体などのストレスに応答して生成する揮発性のシグナル物質で、植物の防御反応?応答?において重要な役割を果たしているのだそうです。
たとえば、ある葉が病原菌に感染すると、その局所でサリチル酸が合成され、それがサリチル酸メチルに変換されて揮発性の形で他の部位や周囲の植物に拡散する、これによって、まだ感染していない部分にも防御態勢を整えるよう信号が伝わるのだそうです。
スギの香りもシラタマノキが生成する香り(サリチル酸メチル)と同じ作用・効果があり、植物が自ら守るために発する揮発性物質です。

〇   シラタマノキ(白玉の木);  ツツジ科の常緑小低木で、北海道から本州中部以北の亜高山〜高山帯に自生..

 

 

ヤドリギ 赤い実

2025.11.24
大小様々なヤドリギがハルニレの枝にたくさんついています。 夏の間は葉に隠れて全く気付かないのですが、晩秋になり葉が落ちると、
「こんなにヤドリギがついていたんだ」
と改めて見直してしまいます。 2025.11.24
ハルニレの樹冠中央にあるヤドリギ。 赤い実をたくさんつけて
います。
2025.11.24
この公園のハルニレについたヤドリギは赤い実をつけています。
大きさは5mmほど。1-007ヤドリギ
⇒ ヤドリギ(その2): 黄色い実
日本に自生するヤドリギ(Viscum album subsp. coloratum)の実は、基本的に淡黄色の実をつけるのが一般的だそうで、赤い実をつけるのは「アカミヤドリギ」という変種です。 なので、この公園で赤い実をつけるヤドリギは少数派なのかもしれません。
「ヤドリギ(その2):黄色い実」の写真は2月に撮っているので、ヤドリギの実は一冬ついているのようです。
ナナカマドの赤い実も2月までついています。 一方、キハダの黒い実は12月にはほとんど無くなっている

のを見かけるので、野鳥にとってヤドリギやナナカマドの実は直ぐ食べたくなるほど美味しい実ではないのでしょうかね?、それとも、一番美味しい食べごろが2月頃になることを知っているのでしょうか?

〇  ヤドリギがどのように樹木に着生するか?について投稿しているので、興味のある方は
⇒ ヤドリギって、どうして樹の垂直面に着生できるの?
をクリックしてください。



サザンカ 晩秋の花

2025.0.17
10月中旬に百合が原公園の温室を見ました。そこにはツバキ類が修景的に植えられていて、その多くは今のところまだつぼみですが、サザンカとツバキガの花が1株づつ咲いていました。写真はツバキの株。樹高は3m前後。
2025.10.17
温室の入り口横にサザンカが咲いていました。今がちょうど見ごろのようです。
2025.10.17
サザンカの花。 ツバキの花は筒状というか立体的に咲くのですが、サザンカは花弁を開いて平面的に咲きます。 花の中央にある黄色の花糸(雄しべ)は、ツバキは基部で筒状に結合していますが、サザンカはばらばらです。

2021.11.15
百合が原公園の温室では10月中旬が見頃でしたが、わが故郷で撮ったサザンカは11月中旬でした。関東以西ではこの時期に最盛期を迎えるようです。
関東以西でも落葉期にさしかかるこの時期は花を咲かせる植物は少なく、街路や個人の庭に植えられているピンクや赤の花を見ると、それはサザンカとすぐわかるのです。
2021.11.15
サザンカの花の大きさは5~8cmなのですが、この家の前に植えられている花は大きくて立派です。10cmはありそうです。
2015.1.22
これは京都府立植物園で撮ったものです。 時期は1月下旬。中央の株がサザンカで、高さ3~4m?。株全体に赤い点々が散らばっています。それらがサザンカの
花です。
2015.1.15
接近して撮影。
2015.1.15
拡大写真。
京都府立植物園のサザンカはツバキに似ているような気がします。その理由は、
①花弁が内側に少し巻いていること、
②葉色が濃緑、照葉で表面につやがあること(サザンカの葉色はツバキに比べて薄い)、
③開花時期が1月下旬である点です。
自分ではサザンカは晩秋に開花するというイメージがあり、京都府立植物園のサザンカは本当にサザンカ?と思ったので、サザンカについて開花時期等をもう少し詳しく調べてみました。
その前に、サザンカとツバキの基本的相違点の整理

項目 サザンカ ツバキ(ヤブツバキ)
学名 Camellia sasanqua
(カメリア サザンカ)
Camellia japonica
(カメリア ジャポニカ)
自生地 日本((四国~沖縄) 日本、韓国、中国
花・花弁の落ち方 花弁が散る 花ごとぽとりと落ちる
花糸(雄しべ)
の形状
1本1本が別々 基部で筒状に結合
花の咲き方  平面的(花弁が平たく広がる) 筒状立体的
葉の色・つや ツバキに比べて薄め 濃緑、照葉

上記の違いを踏まえたうえで、開花時期を調べると、
サザンカは10~12月に咲くのが一般的なようですが、開花時期は系統(品種群)によって違いがあるようです。

品種群 開花時期 特徴  学名    
①サザンカ群 10〜12月 最も一般的。紅・桃色などの一重や半八重の花が咲き、枝は立性。 Camellia × sasanqua
②カンツバキ群 11月〜3月 八重咲き・千重咲きが多く、華やか。枝は横張り性で、盆栽にも使われる Camellia × hiemalis
③ハルサザンカ群 12月〜4月 サザンカとツバキの交雑種。花色・花形が多彩で、葉も厚くツバキに近い Camellia × vernalis

私たちが知っているのは①のサザンカ群で、10~12月に咲くサザンカです。学名はCamellia sasanqua。

②のカンツバキ群は、カンツバキがツバキではなくサザンカの仲間とは知りませんでした。写真などで、雪を被った筵に半分覆われてその中に赤い花を咲かせるあのカンツバキです。この学名はCamellia × hiemalis、その意味は、カメリア属 とヒエマリスをかけあわせてできた品種群のことのようです。 ヒエマリスとは、ラテン語で「冬の」という意味。サザンカ(Camellia sasanqua)とツバキ(Camellia japonica)の交雑種。
また、この群を Camellia sasanqua ‘Shishigashira’(カメリア サザンカ   ‘シシガシラ’  持っています持っています。 それは、この群の多くの品種が シシガシラ という品種を改良して作出されているからだそうです。

③のハルサザンカ群は、開花期が12~4月で、学名はCamellia × verrnalis。vermalis(ベルマリス)の意味は「春の」「春に関する」という意味で、ここでは「春に花が咲く」という意味合いでしょうか。
サザンカには3つの品種群があるのですが、サザンカ群はサザンカ原種をもとにつくられた品種群で、残りの2つ、カンツバキ群とハルサザンカ群はツバキとの交配種です。
それで、「サザンカとツバキを交配してできた品種群でツバキの仲間はあるのか」とAIに尋ねると、例外的にあるがほとんどはサザンカの仲間になる とのことです。
その理由は、両者をかけあわせると、そのほとんどがサザンカの特徴を現すとのこと。
ツバキの特徴と言えば、花糸が基部で結合している、花ごと落ちる、筒状の花、葉が照葉で濃緑、一方、カンツバキは花糸がバラバラ、花弁は1枚1枚散る、花弁は開くなどの特徴を持っています。ツバキとサザンカをかけあわせてできた上記サザンカ3群の品種がツバキではなくサザンカの分類に入ったということは、上記に示したサザンカの特徴を有していることなので、雪除けで半分筵に覆われた冬囲いの内から赤い花を覗かせるカンツバキも、おそらく、花ごと落ちるのではなく、花弁1枚1枚が散り、花糸はバラバラに出ているのでしょう。

 

 

リンゴ  さび病(赤星病)  

アサイド

2025.9.8
毎年、8月に入ると葉に黄色の円形状の病斑を見つけます。写真 中央の葉の右側中ほどの黄色く真ん中が黒い点が病斑(赤い矢印の先)。
2025.9.8
病斑の大きさは、白線の桝の大きさが1cm角なので、1cm弱です。
2025.9.8
葉裏には、さび病特有の茶色のヒゲの塊があります。
2025.9.8
このひげ状のものを「触手状突起」「さび胞子堆」と呼ぶそうです。 「さび胞子堆」の「堆」は、病原菌の胞子が“うず高く積み重なっている状態のことを意味するようです。 確かに「髭」の下はこんもりと盛り上がっています。この「髭」の中?に胞子があって、風や雨で飛散し、次の感染源になります。
我家の庭にあるリンゴを7月頃から週に1~2回枝透かしを兼ねて、葉に病虫害がないか観察するのですが、7月下旬頃?からこの「髭」を見つけて取り除いています。1回当たり葉を5~6枚取り除くので、一夏で30~40枚の葉を処分しています。葉はポケットに入れて、後でゴミ箱に捨てます。
農薬はダコニール(殺菌剤;予防薬;病気が発生する前にかける薬、ベンレートのような治療薬ではない)を5月~7月にかけて3~4回散布しているのですが、毎年発病します。袋をかけているので果実にはつきません。
リンゴさび病は、落葉についているさび病菌が越冬して、翌春、それが再びリンゴに病気を発生させることはなく、 近くにビャクシン類がなければ発病しないそうです。千葉県の市川市などでは条例を制定して、ナシ栽培地から一定距離内(1~2km)にビャクシン類を植えることを禁止しています。
我家のリンゴの被害は大したことはないのですが、今後のことを考えると、ビャクシン(正確な名前は分からない)を処分する必要がありそうです。

〇 さび病について
リンゴのさび病は赤星病ともいいます。
リンゴのさび病(赤星病)の分類の位置付けは、サビキン目、サビキン科、ギムノスポランギウム属、(Gymnosporangium属)となります。 サビキン目には約14科、約7,700種以上、サビキン科は166属、7000~7500種でサビキン目の大半を占めています。ネットで調べるとサビキン目は出てくるのですが、サビキン科はヒットしません。ので、菌類を研究されている方及びその関係者は、大まかにサビキン目 ≒ サビキン科と捉えているようです。
サビキン科に属するGymnosporangium属には約74種が知られています。この属は、異種寄生型のさび病菌で、主にヒノキ科(ビャクシン類)とバラ科(リンゴ・ナシなど)の植物を交互に寄生するタイプです。

〇 リンゴさび病の一生(生活史)
さび病菌には、1つの植物だけで一生を終えるタイプと、2種の植物を季節ごとに移りかえるものがあります。 リンゴは後者のタイプで、上述の異種寄生型と呼ばれます。
具体的には、
① 5月中下旬、ビャクシン類の枝葉で越冬した胞子 が飛散し、リンゴの若葉に感染
② 7月以降、リンゴの葉に赤褐色の病斑が出現、葉裏には髭状のさび夏胞子堆を形成(上の写真)
③ 7~8月、さび胞子が飛散してビャクシン類に再感染
④ リンゴから感染したビャクシン類の枝葉内部で菌糸が増殖し、冬胞子堆を形成→①に戻る
※我家の庭には半分枯れたビャクシンがリンゴの横にあって、おそらく、サビキン胞子はそこで越冬しているのでしょう。 寒さを感じ始める10月下旬には冬胞子堆を見ることができるのだそうです。
病原菌には、多数の植物に寄生する菌と、一つの作物だけに寄生する菌があります。前者は広宿主域性(こうしゅくしゅいきせい)、後者を宿主特異性と呼びます。前者は少数派で、全体の10~30%だそうです。
前者の広宿主域性タイプには、シクラメンの灰色カビ病やトマトやキュウリなど多数の作物に寄生する土壌性病害菌であり、一旦発病すると抜いて処分以外に手立てなくなる、治療が難しいやっかいな仲間です。
一方、後者の宿主特異性タイプの菌は一つの作物にしか寄生しないので、たとえば、隣家にナシにさび病が発生したから、その近くに植えてある我家のネギにさび病がつくかというと、そうはならないようです。ナシにつくさび病菌の種(シュ)とネギにつくさび病菌の種(シュ)では、名前は同じでも菌のタイプが違うのです。

〇 余計な話

階級 英語表記 説明
ドメイン Domain 最も広い分類。真核生物・細菌・古細菌など
Kingdom 植物界(Plantae)など
Phylum / Division 被子植物門、裸子植物門など。植物では「Division」も使用
Class 双子葉植物綱、単子葉植物綱など
Order バラ目、キク目、イネ目など
Family バラ科、キク科、イネ科など
Genus サクラ属、バラ属など
Species メイヨシノ、タンポポなど
上表は植物分類の階層を表したものですが、上述の
ナシにつくさび病菌の種(しゅ)とネギにつくさび病菌の種(しゅ)では、名前はさび病菌と同じでも菌のタイプが違うのです」の種(しゅ)の意味は、
上表の一番下の「種」(しゅ)のことで、 この意味合いは、エゾヤマザクラとチシマザクラの違いのレベルです。
種の定義;同じ種(しゅ)に属する個体は交配可能で、繁殖能力のある子孫を残せる。 例えば「エゾヤマザクラとオオシマザクラは交配しても種子はできない」が原則的な話です。 しかし、植物の場合、種間雑種(違う種(しゅ)どうしの交配でできた種)が多々あり、動物ではおおむね種の定義は当てはまるのですが、植物の場合、緩やかというか、大まかなようです。 ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの交雑種で属は同じですが、種(しゅ)が異なる種間雑種です。
驚いたことに、属間雑種もあるようです。自然界ではまれなのだそうですが(まれにでもある!)、人工的に行われているそうで、大学などの研究機関では、耐病性や優良系統の作出を目的に、リンゴとナシの交配(属間雑種)を作っているそうです。

 

 

リンゴ 開花

2025.5.16
リンゴ(品種;フジ)がきれいに花を咲かせてくれました。苗木を植えて9年目になりますが、こんなにたくさんの花をつけたのは初めてです。 今年はたくさん収穫できそうです。
苗木を植えてから最初にリンゴが収穫できたのが、4年目で、たったの1個でした。食べようと思ってリンゴを見ると、鳥に、おそらくカラスに突っつかれていました。1個しか実が生らなかった翌年、苗木を植えて5年目には約50個収穫できました。その翌年の6年目は10個と少なかったです。7年目は100個に袋掛けをして70個ほど収穫出来ました。 昨年の8年目はほとんど花が咲かず、実ついたのは5個でした。

リンゴは、摘果時期が遅いと、または着果負担(実をたくさんつける)が大きいと、翌年の花芽の着きが悪くなる、いわゆる隔年結果と呼ばれる状態になる。特に幼木期は、定植後できるだけ早く収量を確保したいため過着果となって生産が不安定になりやすい。(農研機構HPより)

我家のリンゴも上文のとおりで、幼木に実をつけ過ぎたようです。しかし、今年は植えて9年目になるので70~80個実を生らしても、来年以降、隔年結果にはならないだろうと楽観的に思っているのですが・・・・。

〇 余計な話(その1)
一昨年秋、我家のリンゴの枝にぷっくり膨らんだ花芽らしい冬芽が50個くらいあると見込んでいました。しかし、その翌年(昨年)花が咲いたのは5個でした。自分ではリンゴの葉芽と花芽の見分けはできると思っていたのですが、丸く膨らんだ冬芽でも花芽ではなく葉芽でした。 緑のセンターの相談員の方が、その年(我家でリンゴの花が5個しか咲かなかった年)は札幌市内でもリンゴの花が咲かなかった話を聞いていると仰っていたので、隔年結果だけではなく、気候も関係しているようです。
→ リンゴ 冬芽

2025.5.16
リンゴの花
リンゴの花は、1つの蕾に5~8個の花が咲きます。中心の花が最初に咲いて、その後に周りの蕾が開花します。 花が終わって、5月下旬から順次摘果を行うのですが、最初に咲いた真ん中の花は果実も大きく、果軸もしっかりしているので、それを残し、残りをハサミで取り除きます。

余計な話(その2)
上の上の最初の写真で、
① リンゴの下に咲いているのは西洋シャクナゲ
② リンゴの背後にある建物の右側に咲いているピンクの花はヤエザクラ。 我家のリンゴと隣家のヤエザクラはほぼ同じ時期に咲くようです。