今年(2024)5月下旬の天候不順と野菜苗の植付

5月25日は仕事が休みの日なので野菜苗を畑(庭)に植えようと思っていました。 ところが本州は真夏並みの暑さになるというのに、こちら札幌は気温がかなり低くなる予想だったので、野菜苗の植え付けを止めました。 実際、25日の最高気温は15.3℃とこの時期としてはかなり低く、野菜苗を植える天候(気温)ではありませんでした。

以下の表は2015~2023年までの9年間の我家の家庭菜園で野菜ポット苗を植えた月日とそのときどきの気温です。

年度 月日 平均気温 最高気温 最低気温
平成27年(2015) 5月23日 17.8 21.7 13.6
平成28年(2016) 5月19日 17.6 24.1 12.2
平成29年(2017) 5月20日 17.2 25.4 13.7
平成30年(2018) 5月22日 18.9 26.9 12.2
令和元年(2019) 5月23日 18.1 24.5 12.0
令和2年(2020) 5月29日 17.8 23.6 11.8
令和3年(2021) 5月26日 16.1 22.0 9.9
令和4年(2022) 5月26日 20.6 27.9 15.2
令和5年(2023) 5月25日 18.1 26.2 8.5
令和6年(2024) 5月25日 11.0 15.3 8,0

この表を見ると、我家の野菜苗の定植時期は、おおよそ、平均気温が17℃以上、最低気温が10℃以上の、時期は5月20日以降となっており、今年5月25日の気温は野菜苗を定植するには気温が低かったようです。
ホーマックなど園芸店では、5月上旬(ゴールデンウィーク)から野菜苗を販売しています。 企業として早く売りたい気持ちは分かりますが、商売とは言えあれは早すぎます。
最近は、野菜苗を植える前にビニールマルチを張って、かつ、定植後円筒状ビニール風除けを設置して、野菜苗を寒さから保護することが多くなっています。 しかし、そのような資材の無かった頃(使わなかった頃)は、キュウリの定植時期は6月中旬の札幌祭り(北海道神宮祭)頃と言われていました。
キュウリの苗を早い時期に植えると、苗が萎れて最後に枯れてしまうことがあります。 この原因は、キュウリは葉の面積が大きいのでそこからの蒸散量も多くなるのですが、5月上中旬の気温の低い時期に植えると、当然地温も低いためにキュウリの根は土壌中の水分を吸い上げる力が低くなっているのです。 ところが、葉は蒸散を続けているので、キュウリ体内での水分バランスが崩れて葉が萎れるのです。
トマトは葉の形状を見てわかる通り、キュウリの葉に比べ葉の面積が小さく、また乾燥にも強いため、札幌の5月に周期的にやってくる来る寒さにも比較的耐性があり、5月20日前後に植えてもほとんど問題はないのです。 しかし、キュウリの定植はどうあろうと6月上旬以降にすべきです。 この時期に定植するにしても、やはり、植える場所をビニールマルチで被うって地温を上げてからの方がより安全と思われます。

<トマト苗について>
2024.5.26

写真のトマト苗は、我家で育てたものです。
①4月4日 :は種(セルトレイ)
②4月27日:1回目移植(セルトレイ → 6㎝ポリポット)
③5月7日 :2回目移植(6㎝ポリポット → 9cmポリポット)
苗の大きさは、草丈が約30cmで、本葉が8枚出ています。 頂点の小さな葉をかき分けると小さなつぼみが見えます。

トマトの苗を購入するときは、
①葉は7枚以上
②茎はしっかりと太く、節間が均等で、
③花が咲き始めている
このような苗を選びなさいと言われています。 我家で育てた苗は①の条件は満たしているものの、②の茎は細目で、節間は均等ではなく間延びしているし、③については小さなつぼみが見える程度で開花までにはまだしばらく時間がかかりそうです。専門の育苗ハウスで育てられた苗に比べると、一般住宅ではこんなものだと諦める?妥協しています。
しかし、ホーマックなどの園芸店で販売されている苗も、昔は花が咲いているポット苗があったのですが、最近はほとんど見かけなくなりました。さらに、苗自体も以前に比べると小振りになってきているようです。

 

 

春の訪れ2024

昨日(2024.4.8)は春らしい本当にいい天気でした。 札幌の最高気温が20℃を超えたと思ったら、今日(2024.4.9)は日中の最高気温が5℃を下回る3月中旬に逆戻りしました。 防寒用の耳当てかニット帽を被らないと耳が痛かったです。
季節が春と冬を行ったり来たりしています。

気温が20℃近くまで上がった4月7日に豊平公園を散策しました。
2024.4.7
シラカバの林床の雪もほとんど融けてきました。2024.4.7
写真はハルニレのつぼみ。 開花は4月中下旬。 もう少しです。

⇒ ハルニレ(その1):ハルニレの花

2024.4.7
クリスマスローズは雪の中で咲いているのを見かけます。
豊平公園バラ園の北側、ヤチダモの並木の下に植えられています。

2024.4.7
スノードロップ。 ヤチダモの並木(東側)の下に咲いています。
⇒ スノードロップ(雪の雫) 

2024.4.7
写真はバラの枝。 バラの芽出しは早く、こもで冬囲いをしていると、その中で新芽が動き出しています。

 

今冬(2024)3月の気温と雪

今年初めて自転車に乗りました。 歩道にはまだ雪が残っているので、わき見をしてちゃんと下を見て走らないと、雪の固まりに乗り上げてひっくり返りそうになります。 それに、まだ歩車道の清掃が終わっていないので、滑り止めに撒かれた砂と一冬雪の中に埋もれていた得体のしれないごみでタイヤがパンクしそうな感じがして心配でした。 昨年は雪解けが早く、3月半ばには自転車に乗っていたように思います。 それ比べて今年は3月末になってもまだ歩道に雪が残っているので、春の訪れはもう少し先のようです。 東京では28℃まで気温が上がったというのに。

下のグラフは札幌の3月の平均気温をグラフ化したものです。

・タイトル:札幌の3月の平均気温(1877<明治10年;西南の役> ~2024) 札幌管区気象台
・グラフ右端が2024年3月
・左側の目盛りは気温で、-6~+6で、中央が±0
・中段の数値は年で、4年間隔で記載、一番右の数値は2021,その左横は2017

昨年(2023)3月の平均気温が4.9℃で、今年が0.7℃なので、今冬の雪解けが非常に遅く感じるのはわかります。 このグラフでここ10年の3月の平均気温を見ると、2℃以上になった年が多く、今年は久しぶりに寒い3月だったようです。

札幌の150年近くの気温を見ていると、いろいろなことが読み取れます。
・気温は年によって大きくぶれて、2~3℃は当たり前で、6℃前後上下している年もある。
・この150年を大まかに3つに分けると
・1877年~1930年代までは50年間は、気温の振幅が激しい。 平均気温が-6℃近くまで下がる極端に気温の低い年もある。
・1930~1980年までは気温の振幅が少なく、比較的穏やかな50年のように思われる。
・1980~2024年までは、再度気温の振幅は大きくなり、しかも、気温は徐々に高くなっている。

私が札幌市に勤め始めたのが1970代の後半ですが、その当時の3月の平均気温はマイナスという感覚でした。 今、このグラフを見ると1970~80年代は3月の平均気温はマイナスの年が多いので、その感覚は間違ってなかったようです。
そして、1990年に入ると、3月の平均気温が2℃を超える年が出てきて、それ以降、数年置きにそれを繰り返すようになります。 また、この年代から3月の平均気温が0℃を下回る年はほとんどなくなり、平均気温が3~4℃になる年が普通になってきたのです。
今年の3月は、1990年以前なら普通の3月で
「3月末に歩道脇にまだ雪が残っている」
というような不満気な意見は出てくることはなく、当たり前のことだったのです。
来年3月の気温を予想すると、2025年の3月は暖かい月になりそうです。

以下のグラフは、札幌管区気象台の今年度と昨年度の積雪深
札幌管区気象台の積雪深グラフ
赤    ;今年度(2024)
青(破線);昨年度(2023)

 

 

なごり雪

昨日(3月10日)の早朝に札幌周辺で20~30cmの雪が降りました。
今冬は2月に季節外れの暖かさ続いたので、3月半ば付近でのこの思いがけない雪は
「雪はもういらない。勘弁してほしい」という気持ちが本当のところです。
それぐらいに降ってくる雪にはへきへきしています。

 

汽車を待つ君の横で
ぼくは時計を気にしてる
季節はずれの雪が降ってる
「東京で見る雪はこれが最後ね」と
さみしそうに 君がつぶやく
なごり雪も 降る時を知り
ふざけすぎた 季節のあとで
今 春が来て 君はきれいになった
去年よりずっと きれいになった

これは、「なごり雪」の最初の歌詞です。
イルカの落ち着いた柔らかい声質が心地よく、「懐かしのフォークソング」、「60・70代に心にしみる曲」などユーチューブに必ずと言っていいほど入っているヒット曲です。
「東京で見る雪はこれが最後ね」は、時期としてはちょうど今頃(3月上旬)なのでしょうか。 東京では一冬に2~3回降る程度で、それも積もっても2~3cmです。この「なごり雪」の歌詞には雪を愛おしむというか、肯定的な感情で雪を捉えているように思います。
もし、札幌で「なごり雪」という言葉を使うとすると、それは4月上旬の雪になるのでしょうか?
しかし、そのとき空を見上げて思う気持ちは、
「なんで今頃降るの?、勘弁してや」
そんな感情しか沸き上がってこないのです。
12月上旬~3月上旬までの3か月間、玄関前の雪かきをしなければならない者にとって、なごり惜しむ雪なんてこれっぽっちもありません。
でも、イルカの「なごり雪」は良い曲ですね。

なごり雪 ⇒ https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?q=%e3%82%a4%e3%83%ab%e3%82%ab%e3%
80%80%e3%81%aa%e3%81%94%e3%82%8a%
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B7EBE2D53ABA3FB73&FORM=VIRE

 

 

雪割 雪の融け方とリンゴの枝折れ

リンゴの苗を植えて今年で7年目なります。 5年目の夏に、花芽をつけさせるために枝を横に寝かせました。 方法は、実を生らせたい枝にひもを括り付けて垂れ下がった片方の端を地面に置いた石に巻き付けて、その重みで枝を引っ張り下げるのです。 一夏固定しておくと枝が固まり、翌年の6年目にはその枝には花が咲き、実が生りました。
枝を横に寝かせたことにより雪の重みで枝が雪折れしやすくなったので、6年目の冬(昨年)から雪割作業を始めました。 昨冬は雪が多かったこともあり2回雪割をしたのですが、今冬(7年目)は1月に2回大雪があったので、2月初めに雪割をしました。 そのとき、「今冬はこれで終わりかな?」と思っていたのですが、その後の降雪でリンゴの枝が埋もれているのに気づき、とりあえず雪割をしました。
雪の重みでリンゴの枝、特に主枝が折れると、その裂けた傷口から病原菌(腐らん病等)の侵入による枝枯れが発生する可能性があることや傷口の処置、枝の仕立て直しとその後の手当てが何かと大変なのです。

2024.2.21
雪割作業終えたリンゴの樹姿

雪割作業は埋もれた枝を傷つけないようにリンゴの枝の外側からスコップで雪を掘っていくのですが、その雪が重くて体に堪えます。 1本ならまだしも、「3本やれ」と言われると返事に窮するくらい、この時期の雪は重いです。
今冬の札幌は、2月13日に札幌市として55年ぶりに10℃を超える記録的な暖かさを記録するなど、2月初旬から例年に比べてとても暖かかったのです。 そのためか2月21日の雪割の日に雪の上を用心して歩くと、雪中に足をとられて往生することもなかったです。 雪がしっかり締まっている、固まっているのです。

リンゴの樹の周りの雪割をしていると、上層は “ ざらめ雪 ” で重く、30~50cmほど掘り下げると ” しまり雪 ”  になっていることに気づきます。
この表面の雪が硬くなっているのは、2月全般を通じて暖かかったことによって暖かい風が雪面を走り、新雪が解けてざらめ雪(重い雪)になり、その後の寒さでざらめ雪が固まっていったからなのでしょう。
また、1月は気温が低いことと太陽が低く日照時間も少ないために雪は解けないで、その後に降り続く雪が下層にある雪を圧縮していくのですが、2月に入ると太陽の位置も高くなり、また、気温の高い日も出てくるので、そのことが表面の雪を溶かして
“ざらめ雪 ” にするのです。 そして、2月に寒暖を繰り返すことによって、新雪→ざらめ雪→ざらめ雪の固まり というように雪質が変化していったのです。
リンゴの枝は。この  “しまり雪” と “ ざらめ雪 ” が幹枝に絡みつき、雪が融けるとき、その重みに引っ張られて折れるのです。

下図の札幌の積雪深さと降雪量(札幌管区気象台;中央区北2条西18丁目)を見ると、積雪の一番深い2月下旬の積雪深さは約75cmで、降雪量は約3m75cmです。 降った雪は全体の20%まで減っている?、圧縮さてているのです。

・降雪量(cm)
札幌管区気象台の累計降雪量グラフ
・積雪深(cm)
札幌管区気象台の積雪深グラフ
札幌市ホームページ 「冬の暮らし・除雪」より

雪の解け方は、上述したように12月中下旬から1月下旬までに降った雪はその後に降ったの雪の重みで “ しまり雪 ” に、2月以降は表面の雪が融けて “ざらめ雪 ” になって積雪は減っていくようです。 また、積雪下の地面も氷点下ではなく0℃以上はあるので、表層の雪が融けるのに比べるとその割合は小さいかもしれませんが、地温によっても雪は解けていくのです。
なので、果樹や庭木、低木類など雪の絡みついた枝は、雪が圧縮される “しまり雪” と粒状の氷になる“ざらめ雪” によって、さらに、地温によって 雪がなくなる最後まで下に下にと引っ張られていくのです。