ドロノキ(その5) 投稿日時: 2014年6月27日 投稿者: kimagurenikki 返信 日曜日(6月23日)に石狩浜へハマナスを見に行く途中で見つけました。国道230号線(川沿5条1丁目付近)沿い豊平川河岸に生えていました。 写真手前は河岸に生えている樹々で、奥のほうに見える樹は豊平川を挟んで対岸に生えているもの(藻南公園)です。 2014.6.22 見つけたとき、「この真っ白の樹はなんだろう?」と検討がつかなかったので、近くまで行ってみました。 2014.6.22 その白いものは、20cm以上もある長い棒状をしており、枝先からぶら下がっています。 「ドロノキの綿毛だろう?」と思うのですが、樹冠全体が真っ白になるほど綿毛をつけるドロノキを見たことがなかったので、さらに、近づけるところまで近づいてしっかり見ると、やはりドロノキの白い綿毛のようです。それにしても、こんなに綿毛をつけるドロノキを見るのは初めてです。 にほんブログ村
ドロノキ(その4) 投稿日時: 2013年3月11日 投稿者: kimagurenikki 返信 2013.3.10 これは、自宅近くの国道230号線です。道路両脇に雪が残っていますが、ダンプで雪を運んで行く排雪作業が既に2回行われています。天気予想では、今晩低気圧の通過で雪が降る予想ですので、また道路脇には大きな雪山が出来そうです。通常の年ならこの3月10日にもなると、道路の黒いアスファルトが見えて、道路脇に積まれている雪も真っ黒なのですが、今年はこのとおりです。平成22年10月末の大雪や、ここ数年冬の厳しい寒さなど、冬の気候(気象)が変わってきているように感じます。 2012.3.10 1月末に近くの河川敷で採取してきドロノキです。同時期に採ってきた他の種類の枝は枯れて捨てたのですが、ドロノキは水挿しで1ヶ月半以上元気です。ただし、花瓶の水は2~3日に1回は取り替えています。 新根です。ドロノキはヤナギの仲間ですので、水挿ししても新根が出てくるようです。 2013.3.10 葉についている黒い点は、何かの幼虫の糞かと思ったのですが、よく見ると、葉だけではなく葉腋にも沢山付いています。ブラムシの死骸のようです。ドロノキの新葉を触るとネバネバします。このネバネバは、ドロノキの葉に自分の身を守る物質(アブラムシをやっつける物質)を含んでいるんでしょうか。それとも、このネバネバでアブラムシは身動きできなくなり死んでしまうのでしょうか? 今冬、ヤチダモの枝を水挿したときは、冬芽が膨らんで新芽が少し顔を出してからなかなか伸びないのです。伸び出した葉を見るとシンクイムシ?ハマキムシ?何かの幼虫(害虫)に食われて黒っぽくなっています。 葉の中から害虫を取り出して見たものですが、ただの小さな黒い塊です。この黒い害虫(ガの幼虫)もアブラムシ同様に冬芽の中で越冬して、暖かくなって樹が新葉を出すとそれを食べて成長するようです。 にほんブログ村
ドロノキ(その3) 投稿日時: 2013年1月21日 投稿者: kimagurenikki 返信 私の住んでる南区は、札幌市の西半分(面積では約6割)を占め、その大半が山林です。温泉で有名な札幌の奥座敷、定山渓は支笏洞爺国立公園の区域内に入っています。その真ん中を流れているのが豊平川です。豊平川には真駒内川を始め多くの小河川が流れ込んでいます。そこの河川敷や周辺には、ヤナギ、ニセアカシアなど多くの樹木が繁茂していますが、その中で、大きくて目立つのがドロノキです。 2012.11.24 真駒内公園 上下の写真の中央に立っているのがドロノキです。大きさは両樹とも20mは優に超しています。目通幹径も1m近くある大木です。 2012.3.11 真駒内公園 2012.5.29 これは、真駒内川沿い(南区真駒内南町6丁目)に生えています。 ①冬芽 2013.1.6 ・冬芽は褐色で、長さ1.5~2.0cmで細長い形をしています。冬芽の形状は、強いて言うなら、ナナカマドやツリバナに似ています。触るとネバネバします。 ・頂芽の芽鱗数は多く、側芽のそれは少ないようです。 ・葉痕は、つぶれたハートのようです。 ②名前の由来 牧野新日本植物図鑑:「木材として用いると柔らくて役立たないことが泥のようであることからついたものであるという」。しかし、北方植物園では、「・・・・、悪口をいいながらもアイヌはこの木で丸太舟をつくっていた。沖へ漁に出ると、カツラでつくった丸太舟などは、カジキマグロに割られてしまうが、ドロノキの舟は、刺さるだけで割れなかった、とコタンのカムイの話だ」 と書かれています。 ③Data ・科名 ヤナギ科 ・属名 ヤマナラシ属 ・学名 Populus maximoviczii ヤマナラシ属はポプラ属とも言われます。 ・花期 4月中旬~5月 ・分布 北海道、本州中部以北、サハリン、朝鮮、中国、シベリア ・英名 Japanese poplar 2011.4.49 4月下旬、芽吹き前に花を咲かせます。この赤い花は雄花です。 2011.5.4 藻南橋から そして、5月上旬、赤い花穂を長くたらします。満開です。花穂の長さは、10cm前後でしょうか? この花を見られるようになるまでには、もう少し時間が必要です。春はまだ先です。 2011.5.4 にほんブログ村
ドロノキ(その2):冬支度の早い樹 投稿日時: 2012年10月14日 投稿者: kimagurenikki 返信 2011.5.15 ドロノキはポプラの仲間(Populus属)で高さが20~30m、太さは1mになる樹です。南区の豊平川沿いや真駒内川のサイクリングロード沿いに大木があり、また、藤野など郊外の住宅地で、道路法面に大きくて目立つ樹があれば、最初にドロノキと考えてもいいほど、あちこちに生えてる樹です。 ドロノキは、材質が柔らかでさっぱり役に立たたず、「まるで泥みたいだ」ということからこの名前がついたそうですが、成長が早く大きくなる樹で、東区の「さとらんど」の駐車場に植えてあるのを見たことがあるぐらいで、公園樹としてはあまり利用されていません。そのため、ドロノキといういまいちの名前と樹形樹姿も他の樹に比べて見るところがないため、この樹に対するイメージは、大きくなりすぎる邪魔な樹程度で、あまりよい印象は持っていません。 しかし、これは人間側から見た目で、ドロノキには、他の樹木との生存競争で生き抜くための手段としてすばらしい能力を持っています。それが冬支度の早さです。 札幌では10~20年に1度ぐらいの割合で、10月に大雪に見舞われます。その時には、大きな樹が根返ったり、主枝主幹が雪の重みで折れたりします。被害を被るのはニセアカシアなどの外来種が多く、元々札幌の気候風土に馴染んでないでためです。しかし、平成22年10月26日に降った大雪は、シラカバなどの自生種も幹から折れる樹が多く見られ、在来種でも季節はずれの大雪の被害を受けるのです。 2011.9.10 ドロノキを観察していますと、8月お盆頃には樹冠下に葉がたくさん落ちている樹を見かけます。その葉は、部分的に黄色や黒色になっている葉や枯葉ように褐色になっている葉もあります。これらの葉はおそらく光合成などの働きが衰えた役目を終えた葉なのでしょう。そのような葉が夏のお盆頃から見られます。 2012.10.7 そして、10月上旬には、もう今にでも葉を落としてもいいように褐色に変色した樹を多く見かけます。風が吹けばひらひらと落ちそうです。雪でも降ろうものなら、その重みで直ぐに落ちそうです。冬支度の準備完了です。短い夏に効率よく成長して、思いがけない雪が降っても大丈夫なように、早めに樹体内に養分を戻し、落葉の準備を済ませる北国に適応した樹種のようです。 2012.9.8 お盆の頃から目立つ現象として、写真のように、樹冠の一部若しくは多くの部分で、葉が真っ白に見えることがあります。調べてみると、うどんこ病のようです。 にほんブログ村
ねこのしっぽ 投稿日時: 2012年7月2日 投稿者: kimagurenikki 返信 追記:7月1日 以前から、ドロノキという名前は少し可哀想ではないかと思っていたのですが、どうしてこのような名前が付いたのか調べてみました。 ① 河岸の泥洲に生えること、老齢になると肌(樹皮)が泥を塗りつけたような形状に転じること、材が泥のごとく役立たずであることの説がある。(日本有用樹木誌) ② ドロノキというへんな名は、材質が柔らかで、さっぱり役に立たず、まるで泥みたいだ、ということからきたらしい。一説には、幹や枝に白っぽいドロをなすりつけたようにみえるから、ともいわれる。(北方植物園) ③ ドロノキは、材が柔らかく、泥のようであることから。また、樹皮が泥を塗ったような暗灰褐色をしているところからや、年輪がくっきりしていないことから「どろのき」の名が付いたともいわれる。(語源由来辞典) 調べてみると、だいたい同じようなことが書かれています。③の年輪がくっきりしていないことと「どろ」の関係がいまいちはっきりしませんが・・・・・ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ドロノキは樹高が30mで、幹径が1.5mになる樹です。南区の豊平川沿いに大きな樹が多数生えています。 2011.5.15 真駒内公園の屋外競技場西側にある大木です。樹高は約25m、幹径は1m弱です。 2011.7.7 真駒内公園の豊平川沿いに生えています。この樹も、樹高は20~25m、幹径は1m弱あります。このほかに、独立樹として見栄えのするドロノキは、南区真駒内南町の真駒内川緑地南端にもあります。樹高、幹径も同じぐらいです。南区の豊平川などの川沿いで大きな樹を見れば、ドロノキはその一つと考えてもよさそうです。 ドロノキはワタノキ、ワタドロの別名を持っています。いま、ちょうどそのワタが空を舞ったり、地面に白い棒状のわたを落としています。 2012.6.27 ドロノキは、ヤナギ科に属し、ポプラと同じ仲間(ポプラ属)で、雌雄異株です。真駒内公園にある2本の大木と真駒内川沿いのドロノキは雄株のようで、綿毛をつけないのですが、この樹(南の沢川上流で撮影)は樹冠一杯につけています。雌株です。この樹の写真を撮っているときに、綿毛がふわふわと青空の中を飛んでいました。シャッターを何回も押したのですが、うまく撮れませんでした。 2012.6.27 もう少し近づいて撮ってみました。白い綿毛が青空に映えてきれいです。 2012.6.27 この綿毛(種子:果序)は長さ10~20cmぐらいです。 2012.6.27 落ちていた綿毛(果序)です。猫のしっぽに見えませんか?これを首に巻いたら暖かそうです。 2011.7.3 道路に落ちるとこのようになります。 2011.7.3 綿毛が取れてやせ細って見えます。それとも綿毛の少なめの樹なのでしょうか。ほかの落ちている綿毛を見ると、南の沢川沿いの綿毛に比べて全体的に細めのようです。 2011.7.3 拡大写真です。綿毛の中に褐色の小さな点が見えませんか?それが種子のようです。褐色の丸く巻いた片状のものが見えます。それが、種子が弾けるときに反り返ってできた片です。その中から種子のついた綿毛が出てきたのでしょう。綿毛は種子を遠くに運ぶ装置です。 にほんブログ村