石山緑地

先週の日曜日、自宅から3km程離れたところにある石山緑地に行ってきました。写真撮影には絶好の天気です。
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雪帽子の札幌軟石で出来た入口から入って行きます。シラカバの間からは、遠くに豊平川沿いに広がる山々が見えます。
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石で出来たよう壁の間にある雪面を歩いてきました。振り返って撮っています。旧約聖書に出てくるバベルの塔を思わせる石塔が見えます。名前はスパイラルスプリングです。
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スパイラルスプリングを少し離れて撮っています。雪面に浮ぶ樹々の影模様が印象的です。
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ずんずんと公園の奥に入って行きます。雪面に残る小さな足跡は動物のものです。ネズミにしては大きいし、キツネにしては小さいようで、なんの動物の足跡なのでしょうか?大きく蛇行した足跡は私のものです。
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写真ファイル中央にジャングルジムのような、赤い箱のようなものが見えます。バックの20m以上ある絶壁の崖、裸のシラカバ、そしてこの赤い箱、なぜこの空間にこの赤い箱があるのか?、どうしてここにこのような赤い箱を置いたたのか? 不思議です。ちなみに、この赤い箱の中に入っていけます。そのようにつくられています。面白いです。
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この写真を撮った理由は二つあります。一つは柵、絶壁の崖に近づかないようにするための柵ですが、この意匠の面白さです。ただ太い鉄筋を突っ立てただけなのですが、それがこの公園の雰囲気にぴったり合っているのです。そして、この柵がただの真っすぐなぼっこ(棒)ではなく、しのび返しが公園利用者側ではなく反対側になっていることで、ものを区切る柵の堅苦しいイメージを和らげ、柵という施設から一歩抜け出たもの(作品?)になっているように思います。
もう一つは、雪面に出来ている模様です。これは、絶壁の火山灰が北風で常時吹き落ちてできたものです。
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さらに奥に進んできます。
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この公園の中心的な施設です。階段状の石畳の底には石の造形物が配置されています。古代遺跡を連想させます。シラカバが立ち並ぶ園路を歩いて来て周りを眺めると、奇怪な形状の火山灰の塊と絶壁、そして古代遺跡、一種別世界、異空間に入ってきたような錯覚に襲われます。名前をネガティブマウンドといいます。
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さらに奥に進んでいくと、雪面の小高い丘には、雪を被った石の造形物が無造作に点在しています。
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このような火山灰の壁面がこの丘を包んでいます。火山灰の壁面は、雨水の浸透と凍結融解の繰り返しで亀裂が拡大進行してできたものです。
辺りには誰もいません。空からヒューヒューという風の音。壁面の陰陽、壁面の上の葉を落とした樹林、真っ青な空、そして真っ白な雪面、今までに経験したことのない異空間の中に入っているようです。
石山緑地
この公園は、面積約11haで、南北のゾーンに分かれています。北は遊戯施設やテニスコートなどがあるゾーンで、南が上述した施設のあるゾーンです。
ここはもともと、明治時代から札幌軟石を切り出していた場所です。昭和40年代後半に札幌市の急激な人口増加に伴い石切り場周辺に住宅が迫り、そこからから出る火山灰の砂埃が近隣住民の生活に支障をきたすようになったことから、この石切り場は閉鎖されました。その後20年程を経た平成の初め、北海道を代表する彫刻家5人の集まりである「サンク」というグループが、この石切り場の独特の景観を生かした公園の企画書を札幌市に提案し、それに基づき造成が行われました。基本的な考え方は、かつての石切り場という産業遺産(壁面はできる限りそのままの形状で残す)を残しながら彫刻などを配置し公園全体を一つの芸術作品とするというものです。
通常の公園からかけ離れた景観と独特の雰囲気を持っている場所で、5人の彫刻家たちが自由な発想のもとにつくられた公園ですので、そのユニークさは飛びぬけています。そしてそれが公園の随所に見られます。
今回は冬場の石山緑地、野生動物以外ほとんど誰も入らない石山緑地の紹介ですが、季節ごとに変化する石山緑地を順次紹介したいと思っています。

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