雑草 スベリヒユ

我家のちょっとした庭には雑草が繁茂?しています。タンポポ、ノボロギク、スズメノカタビラ、スギナ、その他名前のわからない雑草がとにかく生えています。 スギナについては、根絶を目指して10年近く戦いました。5月中旬から出る新芽を地下5cmくらいの深さまでの茎を切り取って、地下にあるスギナの地下茎をくたばらせようとしたのですが、毎春きちんと新芽が出てきました。 茎葉処理する除草剤を既定の希釈倍数でかけても全然平気です。 今は根負けして、気が向いたときに伸びた茎葉を引き抜くくらいです。
一方、30年以上続けている家庭菜園では、6~7年?前まではそれほど気にはならなかったのですが、ここ数年草取りの手を抜いていたことで、最近、スベリヒユがやたら生えてきて、その処置に少々うんざりしているのです。
2023.7.18
スベリヒユの発芽初期から少し大きくなった株

雑草とは?、調べてみると
人が管理している土地に生え、管理対象に悪影響を与える望まれない植物、とくに草本植物を雑草とよぶ。雑草はときに野草と混同されるが、野草は原野に生えるものをいう。 農業においては、雑草は、作物が必要とする水分、養分、光、温度、酸素を奪って作物の収量を減少させ、生産物の品質の劣化をおこし、病害虫の繁殖を助長し、農作業を困難にし、雑草防除などの管理労力の増加や管理費用を増加させる。
日本大百科全書(ニッポニカ)を一部抜粋。

上文を自分なりに言い換えれば、
① 作物のためにまいた肥料分が雑草に取られる
② 草丈が高くなる雑草は作物を日蔭にして成長を阻害する
③ 雑草が繁茂すると風通しが悪くなり。病虫害の発生の原因になる
のように、畑(家庭菜園)にとって良いことはないのです。
2023.7.18
スベリヒユは開花しなくても種子をつけるといわれているので、この大きさの株でタネをつけているのでしょうか?

これをスベリヒユに当てはめれば、
スベリヒユは地面を這うように拡がるので、上記②作物を日陰にして成長を阻害する、の害はないのですが、除草しないでしばらく放っておくとそれが地面全体をマット状に被ってしまうので、①肥料分が取られる、③病虫害の発生要因、が当てはまります。 それ以上に、このスベリヒユが畑のあちこちに生えてきて放っておくとスベリヒユに埋め尽くされると思うだけで気分的によくないのです。

「雑草診断・防除辞典」によれば、
種子で繁殖する夏生1年草本。 5月上旬ころから発芽する。 出芽は13℃前後で始まり、20℃以上で盛んになる。出芽深度は浅く、2cmが限界で、0.5cm前後が多い。 小さい株のうちから開花し、6月~9月下旬まで開花を続ける。 多肉質で乾燥に強く、引き抜いて放っていても再生する。耐陰性は弱く、遮光下では生育が抑制される。 1果実に50~70個の種子が入っており、1個体の種子生産数は大きいもので、20,000粒に達する。 温暖地以西では年3~4世代を交代できる。種子は土壌中に4年以上生存する。

我家の畑のスベリヒユは、6月中旬ごろから目立ち始めます。 今年はこつをやっつけてやろうと暇を見tけては草取りに精を出しているのですが、このスベリヒユは葉が比較的分厚く乾燥に強いため、引っこ抜いたものを処分せずにその場所に置いておくと枯れないで生き返るのです。そして、畑をきれいにしても1週間も経てば新しい芽があちこちに出ているのです。
野菜や花のタネをまくとある程度一斉に発芽するのですが、スベリヒユはそうではなく一夏の間だらだらと発芽が続きます。 これは雑草としての生き残り戦略の一つなのでしょうか? さらに悪いことに、畑は毎年耕起し土を混ぜ返すので、土中(深さ2cm以下)にあった種が表面に出てきて発芽するのです。 スベリヒユの種は4年以上生存するので、一度畑にスベリヒユを蔓延らせてタネをつけさせると、翌年以降の除草は相当の手間を覚悟しなければなりません。

「雑草診断・防除辞典」の防除のポイントによれば、
出芽深度が浅いため、一般の土壌処理剤が効果が高い。出芽前に土壌処理剤を用いて防除するか、生育初期に選択制の茎葉処理剤を用いて防除する。出芽後、比較的早くから開花結実するので、早めに中耕または除草剤で防除し、種子を圃場内に落とさないようにする。

畑の除草に関わることわざで
「精農は草を見ずして草を取り、中農は草を見てから草を取り、惰農は草を見て草を取らず。」
と言われているように、雑草は小さいうちに取り除き、タネをつけさせてはいけないのですが、このことわざは本当に「言うは易し、行うは難し」です。

<除草剤の土壌処理剤と茎葉処理剤について>
〇 土壌処理剤
土壌処理型の除草剤は土壌表面に有効成分の処理層を形成し、それが雑草の根や芽から吸収されて効果を発揮します。処理層が形成されている間、効果のある対象雑草が生えてこない仕組みです。また効果の選択性があり、登録のある作物に対して、登録内容の通り使用することで雑草のみを防除することができます。(マイナビ農業)
この土壌処理型除草剤の使い方は、タネをまく1週間前が推奨されているので、1週間前に畑を起こして事前に肥料を入れて整地した後に処理すれば、作物を栽培する一連の流れの中で1ステップ多いだけで、それほど手間のかかる作業ではなさそうなのですが、この型の除草剤は作物が限定されるので小面積に多種類の作物を植え付ける家庭菜園には少々無理があるようです。 なので、家庭菜園では時間のあるときに
こつこつと草取りをするのが最良のようです。

〇 茎葉処理剤
茎葉処理型除草剤は、すでに伸びている雑草の葉や茎に直接かけて枯らすことができます。この型は薬液がかかった葉茎のみからすタイプ(樹の根元にかけても樹木は枯れない)と葉や茎から吸収移行して根まで枯らすタイプがあります。 前者はグリホサート系農薬で、商品名では「ラウンドアップ」や「サンフーロン」などがホーマックなどの園芸コーナーで販売されています。 後者は庭木や草花が植えられている一般家庭の庭には使用不可です。