トサミズキ

私の住んでいる南区は豊平川に沿って山々が連なり、それらは四季それぞれにその色合いを変えていきます。そんな中で、札幌の気候が一番いい5~6月のこの時期に、晴天の空に遠くの山々が少し白っぽく霞んで見えることがよくあります。一昨日はちょうどそんな天候(気候)でした。辺りの景色を眺めている、それだけで気分が爽快になる、深呼吸をしたくなる、心和らぐそんな日でした。 待ち望んでいた春がやっとやってきました。
1-002 穴の沢腺(赤字)
これは札幌郊外(南区)の川筋に沿って整備された畑です。ちょうど耕起を終えて、これから作物の植込みや種まきが始まるちょっと前の様子です。山々の樹々はまだ枯れ木同然です。しかし、ヤナギでしょうか、少し黄色っぽい色をした花が咲いているか新芽が吹きだしているように見えます。辺りを眺めながら写真を撮っていると、どこからかホーホケェキョーとウグイスのなぎ声が聞こえてきました。
春早く花を咲かせる樹には、高木ではキタコブシ、株ものではエゾムラサキツツジやレンギョウがおなじみです。これらに加えて、当ブログでギンヨウカエデやアメリカハナノキ、サンシュユを取り上げました。今回はトサミズキです。
1-003 トサミズキ(赤字)2013.5.10
トサミズキと同じ春早く咲く花でレンギョウがありますが、この花色は鮮やかな黄色で公園や個人の庭でよく見かけます。一方、トサミズキは花色が同じ黄色でも淡いクリーム色で、良く言えばパステル調で日本的な穏やかな色合い、悪く言えばボケた黄色になるのでしょうか?、レンギョウに比べて見る機会が少ないのは、どうも後者の意見の人が多いのでしょうね。しかし、良く見ると、この淡いクリーム調の色合いはなかなかのもので、もっと植えられても良さそうな樹(株物)です。
トサミズキを徳島県のお寺で見かけたときは、樹高が5~7m前後でハウチワカエデのように地際から数本の幹がでる株立状でした。しかし、雪の多い札幌では、写真のようにツツジ類と同じように株状なるものが多いようです。
1-006 トサミズキ(赤字)2013.5.10
このように接近して撮ると、なかなかきれいなものです。
1-122(赤字)2012.4.30
上の写真は咲き始めで、花序が伸びて穂状になります。花穂の長さは7~8cmで、花数は7~9個くらい咲くのでしょうか?
(赤字)2012.4.30 北大植物園 樹高3~4m
花穂は垂れ下がって咲いています。
おまけ:つぼみと花殻
1-018 トサミズキ 芽と実殻(赤字)2011.4.9
〇 名前の由来
牧野新日本植物図鑑では、
土佐水木の意味で、この種が土佐(高知県)から出たことから名付けられた。
〇 Data
・科名 マンサク科
・属名 トサミズキ属
・学名 Corylopsis spicata
・花期 4月中下旬~5月上旬
・分布 四国(高知県)日本固有

にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ
にほんブログ村