ノルウェーカエデ  紅葉

今年の紅葉は1週間~10日程遅いようです。 豊平川沿いの山肌(川沿、石山、藤野)は例年なら10月中旬が見頃なのですが、今年は20日以降になってしまいました。 それに今年の紅葉・黄葉は、10月上中旬に好天に恵まれたにも関わらず霞がかかったような鮮やかさに欠けるものです。

おそらく、9月上旬に北海道西岸を通り過ぎた、札幌にも公園樹や街路樹に相当の被害をもたらした台風21号の影響だと思います。
強風で葉がこすれあって葉縁が擦り切れて褐色になってしまいました。 これが今年の紅葉・黄葉をいまいちにしている大きな原因のようです。

 

今日の話題はノルウェーカエデ(ヨーロッパカエデ)の紅葉です。 ノルウェーカエデは黒褐紫色の葉が特徴で、この樹に出会った瞬間はその黒さに目を引き付けられますが、見慣れるとその黒さはそれほど魅力的なものでなくなります。 集団で植えられると周辺を暗くしてしまうので、植えるなら独立木のような気がします。
2013.6.15                                 2015.11.3                               2012.11.10

上の写真3枚は南区真駒内緑町にある五輪記念公園内に列植されているノルウェーカエデ。 芽だしから10月末までは黒褐紫色の葉をつけています。
しかし、樹冠は11月上旬から黒褐紫色から暗褐色に変化し、11月中旬になると明褐色変身します。 普段見慣れている樹木の緑から赤黄に変化する紅葉が、黒から赤です。 初めてこの変容する姿を見たとき、新鮮な驚きを憶えました。
2015.11.10                                                       2015.11.3

また、このノルウェーカエデの紅葉は、鮮やかさは多少劣りますが、サトウカエデやアメリカハナノキ(両種とも北アメリカ原産)を連想させるものでした。

 サトウカエデ        → アメリカハナノキ

上の写真(右側)は11月上旬、葉色が変化し始めるころの落ち葉を撮ったものです。 これを見ると、葉色は 黒褐紫 → 暗褐色 → 明褐色 に変化するのですが、暗褐色に緑色が現れる葉もあります。 夏場、黑褐紫色に見える葉も、その色素が前面に出ているだけで、葉緑素は隠れていてもしっかり光合成を行っているようです。