真夏から翌春まで赤く輝き続ける花穂

065 ルス ティヒナ(rhus tyhina)-0012012.4.8
この写真は、4月8日に、森林総合研究所で撮ったものです。
この樹木の名前は、ルス ティフィナ(rhus typhina)と言います。
ウルシ科ウルシ属(rhus属)で、ヌルデと同じ仲間です。
ヌルデは8月に入ってから花を咲かせますが、このルス ティフィナも同じように8月に花を咲かせます。
写真の樹の大きさは、3~4mですが、WEBサイトで調べると6mぐらいにはなるようです。また、ヌルデと同じように紅葉もするようです。下の写真の花穂は、きれいに撮れすぎのきらいはありますが、一冬、この赤色を保っています。
066 ルス ティヒナ2012.4.8
下の写真は、同じ樹を2年前の8月(2010年8月)に撮ったものです。株が一回り小さいです。
173 ティフィナウルシ2010.8.13
ルス ティフィナはヌルデと同じ雌雄異株です。この写真の樹は雌株です。
樹形というか樹姿はヌルデそっくりです。
拡大写真です。
夏の雌花より、それから数ヶ月を経た冬の雌花のほうが鮮やかで写真写りがいいので、自分でもびっくりしています。
053.jpg2011.8.13
そして、5月の芽吹き時期に花は色あせて、昨年夏からの約8ヶ月間の輝きを失います。
小枝からは、今、芽が吹こうとしています。
065 ティフィナウルシ2011.5.22
岡山大学 植物生態研究室(波田研)ホームページより引用
ルス ティファナは北アメリカ北東部原産の落葉低木。
崩積土地や法面、工事跡地などの荒地に生育する。
紅葉が美しいためか、庭園にも植栽され、ヨーロッパにも広く導入されている。
高さ10mになるとの記載もあるが、おそらく通常は5m程度までであろう。
葉は長さ25cmから55cmなり、かなり大きな複葉である。小葉は細長く、長さ6~11cm。葉の質は落葉樹にしては厚く、表面の色も濃い緑である。裏面は白緑色で、脈上に毛がある。複葉の中軸には開出する毛がある。
花は5月から7月に開花し、果実は夏に赤く熟す。花序の長さは10~20cmで、基部の幅は4~6cm。赤紫色の毛が密生しており、日本のウルシ属とはおもむきが大きく異なる。若枝は淡褐色の毛が密生する。
法面に群生している状況を見ると、根発芽するのではないかと思っていたが、調べてみると「根から発芽する」との記載と「水平に発達する地下茎から発芽する」との記述があった。どちらかわからないが、どちらにしてもどんどん群落を拡大し、高さ数mまでは旺盛に生長するようである。
英語名はStaghorn sumac(鹿のウルシ)。
傷付けると白色の乳液が出る。アメリカのサイトでは有毒であるとかかぶれるとかの記載はないが、イギリスではかぶれるとの記述がある。
園芸品種も作出されており、ヨーロッパにも広く導入されていることから、おそらく、ほとんどかぶれないのではないかと思う。
果実はピンクのレモネードの色付けに使われることもあるとのことで、このことからもかぶれない可能性が高いが、薬効はあるとのこと。和名がないので、日本には導入されていないのだろうか?少なくとも園芸上、重視されていない。ヨーロッパや北米では、赤く紅葉する植物が少ないので、重用されているのではないかと思う。
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