オニグルミ   冬芽 羊の顔

オニグルミ : 冬芽

オニグルミ2015.2.26
冬芽は2/5ないし3/8のらせん生で、裸出し、黄褐色をして軟細毛が密生する。最外側の1対の未開葉は芽鱗の役目をして、円錐状卵形ないしピラミッド形で、長さ16mm、幅13mmにもなる。側芽は小さく、卵形ないし球形で、長さ3~6mmあり、開出して、予備芽をしばしばともなう。雄花穂は予備芽としてつき、長卵形で、長さ6~9mmあり、基部を除いて裸出する。(落葉広葉樹図譜)

この写真では、頂芽の基部右側の白っぽい芽が側芽で、頂芽基部左側と頂芽基部下についている卵形状のものが雄果穂のようです。

オニグルミ2013.1.22
白くてT字形をしているのは葉痕。
葉痕は隆起し、極めて大きく、長さ7~20mm、幅8~15mmあり、淡色で、特徴あるT字形ないし猿面形である。 これは太い数年枝にも明らかに残る。維管束痕は突出し、3グループに集まり、それぞれがU字ないしO字状となる。(落葉広葉樹図譜)

落葉広葉図譜では、葉痕を猿面形と表現していますが、猿というより羊の顔に似ていると思うのですが・・・・・。 葉痕の左右1個づつにあるのが目で、下にあるのが鼻もしくは口になって。

葉痕の上に丸いものが見えます。それが側芽で、その基部についている小さな球形のものは予備芽のようです。

 

オニグルミ(その2)

 オニグルミはカシグルミに比べると、殻が非常に固く実を取り出すのに一工夫必要です。 しかも、中に入っている量がカシグルミに比べると少なく、その上、中の実は殻に入り組んで入っているため、爪楊枝を使って取り出そうとしても、下手な人がやると実がバラバラになるので、取り出すにはある程度の慣れが必要なようです。そんなこともあって、オニグルミを食べたことがない、知らないという人が多いのではないでしょうか。 しかし、その味はカシグルミに比べて濃厚で風味があり大変美味しいと言われています。
それで、挑戦してみました。 オニグルミの実が落ちるのは9月中下旬からです。 公園などで、オニグルミの実を拾う年配の方をときどき見かけます。私も公園へ行ってオニグルミを20個程拾って来ました。
1-RIMG0091.jpg2013.8.3
左:オニグルミ           果実は房状に数個~多いもので10個以上つける。
右:カシグルミ(テウチグルミ) 1個~3個 2個のものが多い。
※写真中央白くて丸いものは、100円玉
1-019 オニグルミ2014.9.23
左:芝生の上に落ちていたオニグルミ
右:外果皮を除去すると、堅果に黒い繊維状のものがまとわり付いている。 右横の果実はそれを水で洗って取り除いたもの。
1-020オニグルミ2014.9.23
カシグルミの外果皮は無毛でツルツルなのですが、オニグルミのそれは軟毛が密生しています。 手で触ると少しネバネバします。 毛の先端から何か粘つく物質が出ているようです。キシツツジの“ワカサギ”の葉も軟毛が密生していて粘つきますが、手に触った感触はそれに似ています。
クルミ割りに挑戦です。
インターネットのウェブサイトをで調べると、クルミの割り方を話題にしているブログがたくさんあります。 それを読むと プライパンで煎るか網などで焼くと、オニグルミの殻の割れ目が拡がり、そこにドライバーか包丁を差し込んでクルミを二つに割るのが一般的のようです。
大量に食べたい方には、 “和くるみ割り器 ほじくるみん付”などとオニグルミ専用のくるみ割り器もあるようですが、お値段は1セット2,000~3,000円するので、 当方は、とりあえずお金のかからない、プライパンで煎って包丁でクルミを割る方法にしました。
まず、拾ってきたオニグルミを一晩水に漬置きします。 理由は外果皮を取りやすくするためです。外の皮は簡単に取れるのですが、堅果にくっついている黒っぽい繊維状のものは、ザルの中でクルミ果をこすり合わせて落としました。少し手間です。
1-004 オニグルミ2014.10.8
水で外果皮を洗い落としたもの
左:オニグルミ  大きさ:3.0cm×2.5cm  重さ:約7g/個
右:カシグルミ  大きさ:3.5cm×3.5cm  重さ:約13g/個
1-007 オニグルミ2014.10.8
フライパンにかけて弱火で約10分弱煎ると、写真のように、殻の割れ目が拡がります。左側の実の割れ目くらい拡がると、包丁を使わないで、指で割れます
1-008 オニグルミ2014.10.8
包丁をクルミの割れ目に入れて、テーブル上で軽く力を加えると簡単に割れます。思っていたよりもに簡単です。 殻を割ると中の白い実(仁)が、少しあめ色になったものと白いものが出てきました。あめ色になった仁は果実に含まれる脂分が溶けたようです。
1-009 オニグルミ2014.10.8
左:オニグルミ、 右:カシグルミ
写真(オニグルミとカシグルミの実の大きさ)では、二つに割った実の大きさ、量が同じように見えますが、オニグルミの実が入っている部分は、奥が浅く狭いので、見た目ほど入っていません。一方、カシグルミは、写真の果実の下の部分に細長い黒いものが見えますが、それをカッターで切ってやると、実全体がごぼっと取り出せます。 オニグルミとはボリュームが違います。
1-011 オニグルミ2014.10.8
オニグルミの実は殻の奥の方に細く入り込んでいる仁をなかなか取り出せません。15~16個のオニグルミの実を取り出すのに爪楊枝が折れてしまって6~7本使いました。 “和くるみ割り器 ほじくるみん付”の“ほじくるみん”が売られている理由が分かります。おそらく、これを使えば初心者でも取り出しやすいのでしょうね。
クルミ関連のウェブサイトを読むと、オニグルミはカシグルミに比べると味は濃厚で美味しいと書かれています。 しかし、実際に食べてみると、、カシグルミはカシグルミの、オニグルミはオニグルミのそれぞれの風味と美味しさがあり、オニグルミが格段に美味しい訳でもありません。我家の名(迷)シェフは、カシグルミの方が食べやすい、どっちか言えば、カシグルミの方が美味しいと言ってました。
一つ言えるのは、オニグルミは、実を取り出すのが手間で、それに実が小さい上に、取り出す時に小さくばらばらになってしまうので、それらをその都度食べていると口に入れる量が少ないためか、味がはっきり分からないということもあります。
初めてオニグルミの実を食べてみましたが、事前情報が期待を大きくしたようです。クルミはクルミの味でした。それでも、来年もオニグルミの実を拾いに行こうと思っています。  “和くるみ割り器 ”の必要性は感じませんが、“ほじくるみん”だけ売っていれば買い求めたい心境です。

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オニグルミ

1-RIMG0002-001(黒字)2013.2.25
野の沢川という小さな川の河床に生えているオニグルミです。おそらく、上流から流れてきたオニグルミの実がここで発芽したのでしょう。高さは7~8m前後です。樹齢は12~15年くらいでしょうか?
1-014 オニグルミ 藤野3条6丁目2差路2011.2.11
道路沿いの斜面に生えている、幸運にも伐採を免れた老齢樹のオニグルミです。
1-020 オニグルミ2012.5.6
エドウィン・ダン記念公園に元から生えている?植えられた?オニグルミです。
上の写真ファイル3枚は幼樹から壮齢樹にかけては枝を斜め上に伸ばし、老齢樹になってると横に広げるオニグルミの樹姿(枝の伸ばし方)よく表しています。
1 冬芽 ~ 新葉
1-046 オニグルミ 冬芽2011.3.6
冬芽は、裸芽(らが:芽鱗で覆われていない)で、形は少し角ばった円錐形をしています。冬芽には褐色の短毛が密生しています。円筒形をしたものがいくつか見えますが、雄花(雄花序)です。
1-RIMG0002.jpg2013.1.22
葉痕です。これに似た写真はよく見かけますが、何に似ていると思いますか?
羊の顔です。3個の維管束痕が、左右の目と鼻になります。枝は先まで太く、褐色の毛が密生しています。
1-109 オニグルミ2011.5.15
5月中旬、新芽が展がり始めています。
1-032 オニグルミ2012.5.22
葉が大きくなるのと一緒に、円筒形をした雄花も長くなってきています。
1-054 オニグルミ(赤字)2012.5.30
1-063 オニグルミ2011.6.5
雄花がこれくらい長くなる = 開花 = 花粉が飛ぶ頃で、雌花も咲く頃です。
1-061 オニグルミ?2011.6.19
雌花の花軸が伸びてきています。
1-041(赤字)2011.6.12
この花軸の長さは5~7cmくらいだったとおもいます。赤い部分は花弁? 長さは5mm弱で、その下の丸い部分は子房?草花の花の形態とは相当違います。
牧野博士は、「めばなの穂は新枝の先に直立し、5~10個の花をまばらにつけ、花は筒状の苞に包まれ、4列したがく、子房1個、紅色の花柱が2個ある。」と仰っています。
ということで、赤い部分は花弁ではなく、柱頭(花粉がつくところ)だったのです。この写真からは4列のがく弁は確認できません。
1-074(赤字)2011.7.1
オニグルミの夏姿。真駒内わかば公園 1,300㎡の街区公園(旧児童公園)にこの大きな樹が1本。おそらく、もともと生えていたオニグルミを残して公園がつくられたようです。
1-018 オニグルミ:右 キタコブシ:左2011.7.7 真駒内公園
一つの樹のように見えますが、左がオニグルミ、右がキタコブシです。枝先は芝生に触れるくらいに垂れ下がっています。樹高は10m強ほどですが、2本の樹が重なっているため、樹幅は20m以上ありそうです。
2 名前の由来
牧野新日本植物図鑑によれば、
鬼グルミは、核面(たね)のなめらかなヒメグルミに対して、凹凸があって醜いからである。
※ ヒメグルミとは、西洋グルミ(カシグルミ)のことではなく、日本にもともとある栽培品種のことらしいです。
3 Data
・科名 クルミ科
・属名 クルミ属
・学名 Juglans ailanthifolia Carr.(ユグランス.アイランティフォリア)
・花期 6月上旬
・分布 日本、サハリン

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