コチョウラン 花瓶挿し

下の写真は、我家の玄関に飾ってあるコチョウランです。
2028.3.28
細長い花瓶に2本のコチョウランを生けています。 それぞれの花茎に8個?の花が咲いています。 今年の1月中旬に花が咲き始めて、7個の花が開いて最後の1個がつぼみのときに花瓶にi生けました。 それが2月14日です。 なので、今の状態は咲き始めから約2か月半、花瓶に生けてから1ヵ月半が過ぎています。
2月14日以降、花瓶に生けてからは水を1回も取り換えていません。 花を長持ちをさせる延命剤や砂糖や重曹なども一切使っていません。 まだまだ元気に咲いています。 あと1ヵ月は持つんじゃないでしょうか?(これから暖かくなってくるので、水の取り換えは必要)。
ちなみに、昨日(3月28日)の我家の玄関の気温を測ってみると、夕方の4時前で15℃でした。 今日(3月29日)の正午の気温は14℃なので、我家の玄関の気温は、おそらく10~15℃なのでしょう。 2月の花瓶挿しをし始めた寒い頃の我家の玄関の気温は10℃前後なのでしょうか。
2024.3.29
写真右下のコウチョウランは咲き始めに近い状態です。 花瓶挿しをしたときはあと数日で開きそうな丸いつぼみでした。 その後1ヵ月半を経過してこの状態です。 ほとんど成長していないというか、1ヵ月半かけてほんの少し成長したようです。
コチョウランの生育適温は18~28℃で、15℃を下回ると成長を停止し、10℃を下回ると枯死するといわれています。
我家のコチョウランはつぼみの膨らみ方でもわかるとおり、この1ヵ月半は仮死に近い状態だったようです。

⇒ コチョウラン  葉1枚の寿命

 

コチョウラン(その2) 花芽ができない

前回の投稿で、我家のミニコチョウランが2回/年花が咲く話でしたが、それ以前に花色が白の大輪系のコチョウランを育てていました。
◇お供え用胡蝶蘭◇ 白(L) 3本立ち
このような豪華なコチョウランは、鉢から取り出すと10cm程のポリポットに入った株が3つ出てきます。

⇒ お供え花ドットコム https://www.flowers-do.jp/osonaehana/item_detail/1/
より写真をお借りしました

写真のような花茎が3本立ち上がっている贈答用の、1鉢が1万円以上する、あの豪華で立派な花の咲く株と同じ性質持つ苗を購入して5年ほど育てていたのですが、一度も花茎は上がってきませんでした。 ミニコチョウランは毎年2回花を咲かせるのに大輪系のコチョウランは一度も花を見ることができませんでした。 育てている場所はリビングでミニコチョウランと同じなのですが、両者は花芽(花茎)を形成する感度が違うようです。

我家のリビングの環境は、夏場の暑い時期は別にして、年間を通して最低気温が20℃を下回らない、21~24℃くらいで、湿度が40~60%の、北海道の戸建て住宅では一般的なものと思っています。
ので、北海道(札幌)では、贈答用にいただいたコチョウランを花が終わったからといって捨てるにはもったいないと、花が咲かないまま水だけやっている株を持っている方が少なからずいらっしゃるのではないか?と思っています。

コチョウランはインドネシアやフィリピンなどの東南アジアの熱帯雨林に、昼間は28℃、夜間でも18℃くらいの温度の環境下で生育し、樹木などに根っこをへばりつけたりぶら下げたりして、空気中の水分を吸って生きている着生ランです。
コチョウランは気温が15℃を下回ると成長を停止し、10℃以下になると株が弱ってきます。その意味で、湿度は別にして、気温が年間を通して20℃を保っている住宅が多い北海道(札幌)はコチョウランにとって理想ではないにしろ、そんなに悪い生育環境ではないのです。 シクラメンやアザレアなど花の咲く鉢花はたくさんありますが、コチョウランは北海道の住宅において、鉢花の中では比較的育てやすい部類に入る鉢花だど思っています。

<コチョウランの花芽形成>

ミニ系と大輪系のコチョウランでは花芽形成(根元近くの茎のように見える部分(葉と葉の基部の間)から先の尖った緑色の小さな花茎が出てくる)において温度がどのように影響しているのでしょうか?

〇 大輪系コウチョウラン
コチョウランの花芽形成には、18℃の夜温(最低気温)が1ヵ月程度続くことが必要条件のようです。
コチョウランの自生地では1年を通して昼間の温度が28℃、夜間(最低温度)が18℃前後の気温で、いつでも花芽ができる条件にあり、株さえ充実していればいつでも花芽を形成して花を咲かせることができるのです。 ところが、このような性質のコチョウランを四季のある温帯地域に持ってくると、花芽を形成する条件が限られてしまします。 以下は札幌市の過去30年間の6月~9月までの半旬ごとの平均気温(1991~2020年)をグラフ化したものです。

コチョウランの花芽形成に必要な条件の夜間温度(最低温度)が18℃前後になる時期は、札幌の場合、7月下旬~9月上旬が当てはまります。 コチョウランを屋内ではなく屋外で育てれば問題なく花芽はつくのです。 ところが、屋外に出すとアブラムシやカイガラムシなど害虫がつきやすいので、どうして室内で育ててしまう傾向にあります。 そうすると、夜間の温度が十分に下がらす、コチョウランにとって花芽をつくりづらい環境になってしまうのです。

それでは夏場屋外で育てたくない場合、我家の場合もそうですが、どうすればいいのでしょうか?

この条件を北海道(札幌)の住宅に当てはめると、我家(札幌)の場合、10月上中旬には暖房を入れるので、室内の最低気温も21℃以上になってしまいます、なので、大輪系のコチョウランに花芽が付かない、花茎が上がってこない条件になってしまうのです。
北海道(札幌)の一般的な戸建て住宅の場合、最近は子供が独立して暖房を入れない空部屋がある方が多いと思うのですが、我家の場合、2階に陽 の当たる使ってない部屋があり、その部屋の温度を調節(サーモスタットを0~1の目盛りにセット)しておくと、真冬でもその部屋の温度は14~16℃を維持しています。
このことから10月~11月に暖房のない部屋で育て、ただし、15℃以下の温度が続くとコチョウランの生育が止まるので、その点には注意しながら、11月中下旬まで置いておくと、花芽形成に必要な「約1月間の18℃の気温」を満たすことができるのです。 そして、様子を見ながら暖かいリビングに移動するのです。 そうすれば、確実?に翌春には花を見ることができると思っています。

それでは、マンションの場合はどうすればいいのでしょうか?
マンションは玄関を含めてすべての部屋が暖かいので、夏場の成長期はベランダで外気に当てて育て、9月上中旬に室内に取り込むのが唯一の方法のように思われます。 そうすると、2月頃?から花が見られるのではないでしょうか?

〇  ミニコチョウラン
ミニコチョウランは大輪系コチョウランと違い、温度に鈍感?なようで、年間を通して室内で育てても、充実した葉が4枚あれば、毎年花を咲かせてくれます。

余計な話ですが、大輪系のコチョウランに花を咲かせるには温度条件を考慮することは必要ですが、その前に、 先ず第一に、夏場しっかり肥培管理して肉厚の張りのある葉を育てることが重要で、葉の枚数が少ない、色つやの良くない葉の株では、いくら温度管理を徹底しても花は咲かない、花茎は上がってこないのです。

コチョウラン  葉1枚の寿命

下の写真は、我家で育てているミニチョウラン。 4年前に妻が何かの記念にいただいたものです。 毎年2回、夏と冬に花を咲かせます。 それも必ず2本の花茎が立ち上がってきます。
2024.1.25
このミニコチョウランは、4号鉢に植えてあり、葉が7枚、花茎が2本立ち上がって、それぞれに10個のつぼみをつけています。1個の花の大きさは縦横6cm前後。 開花始めは1月上旬で、現在(1月25日時点)4個咲いているので、5~6日に1個づつ花を咲かせていることになります。 この調子で咲き続けると、2月中下旬に10個すべてのつぼみが開花します。 それから1ヵ月以上は咲き続けるので、 2~3ヵ月花を楽しむことができます。 ある人は、「半年咲かせた」と言ってます。 コチョウランはそれほどに長く花を楽しめるのです。
しかし、鉢で長く咲かせるとコチョウランの株に負担がかかる(株が弱り次回花が咲かなくなる可能性がある)ので、8個の花が咲いてつぼみが2個のとき、根元で花茎を切って、切り花で楽しんでいます。 気温の低い玄関に飾っておくと、それから1~2ヵ月は楽しめます。
コチョウランの葉は長楕円形で表面に光沢があり、肉厚です。 何かの拍子に根元付近からぽっくり折れて根なしになっても、葉が元気ならミズゴケに挿しておけばまた根が出てきます。 それは葉にたっぷりため込んだ養分で新しい根を出すことができるのです。
我家のミニコチョウランの葉は4年前にいただいた当初 4枚?で、現在は7枚です。 株元に干からびて灰褐色の役目を終えた枯葉を気づいたときに取ってやっています。

〇 コチョウランの葉の寿命
ナナカマドやハルニレなど春に新芽が出て秋に落葉する落葉樹の葉の寿命は1年(正確には半年)です。マツなどの針葉樹やシャクナゲやツバキなどの常緑広葉樹の葉は、春に新芽を出して翌年の秋又は翌々年春には落葉します。常緑系の樹木の葉の寿命ははおおよそ2年です。
それではコチョウランはどうでしょうか? 新芽は定期的で出てきますが、1株にある葉は常時6~8枚?くらいで、1枚の葉が何年生きているのか?分からないのです。
webページに以下のような記述がありました。

胡蝶蘭は花屋に並ぶまでには4年程かかりますが、その期間で一番最初に出た葉は枯れません。葉が黄色くなり枯れてしまうのは農園のハウスを出て、環境が変わってからになるからです。(4年間の内、その内の2年間はフラスコの中で、鉢での栽培は2年間のようです。)

胡蝶蘭station  ⇒  https://ran-station.com/blog/detail.php?id=48

胡蝶蘭の生産過程でフラスコの中での無菌培養期間が2年なので、その後の鉢での栽培は2年間なのです。 コチョウランの葉の寿命は2年以上はあることになります。

コチョウランの1枚の葉の寿命を推定するうえで必要な条件は、1年間に何枚の葉が出て、ある時期の葉の枚数が何枚あるかで推定できます。
先ず、一つ目の1年間に何枚の葉がでるか?については、webページで調べてもなかなか見つからないので、BingAIに尋ねると、3~5枚と答えてくれました。 温度などの栽培環境によって葉の出る枚数も異なるのですが、 とりあえずAIを信頼して、コチョウランの1年間に出葉枚数を4枚にします。

以下は我家のミニコチョウランの葉の枚数

年数 当初 1年後 2年後 3年後 4年後(現在)
葉の枚数 4枚 4枚 5枚 6枚 7枚
1年に出る
葉の枚数
4枚 4枚 4枚 4枚

※葉の枚数の当初から3年後の数値については推定

上記の表の4年後(現在)の葉の枚数は正しいのですが、それ以外はすべて推定です。 それでも4年間を通してみると、4枚が7枚に3枚増えただけです。 AIの言っている年間3~5枚の葉が出るのならば、コチョウランの1枚の葉の寿命は1年若しくは1年ちょっとということになります。 生産段階での葉の寿命は2年以上あるのですが、我家のリビングでの栽培管理では1年ちょっと というところでしょうか。

<追記>我家のミニコウチョウランは1年に夏と冬の2度開花し、それぞれに必ず2本の花茎を立ち上げます。 コチョウランの1年間に出る葉の枚数が4枚ほどなので、1枚の葉で10個のつぼみをつける花茎1本を養っていることになります。