ウダイカンバ  豊平公園

2020.5.25
写真中央の白い樹肌の樹がウダイカンバ。 豊平公園の駐車場手前、米里行啓通の歩道との境に植わっています。  シラカバ(シラカンバ)は公園や街路樹でよく見かけますが、このウダイカンバは円山公園など自然林のある大きな公園でたまに見かけるぐらいで、街中にある公園ではほとんど目にしません。
また、ウダイカンバとシラカバは同じ属の近縁種で白い樹皮をしていますが、葉の形状と大きさは明らかに違います。 前者は葉は丸め(広卵状心形)であるのに対し、後者は三角形状(三角状広卵形)です。 大きさは明らかにウダイカンバが大きく、
一目でその違いは分かります。 北海道にあるもう一つのカンバ、ダケカンバは比較的高い山に生えているので、札幌市内の公園や身近な山では見かけません。
2020.5.13  写真は新葉が開き始める頃。
2020.5.9
雄花の拡大写真。 長さは15cm程で長く垂れさがる。 シラカバの雄花序はウダ
イカンバの半分ほど。
2018.5.15
森林総合研究所にて撮影


2014.2.15
左から、ウダイカンバ(幹径20cm)、シラカバ(30cm)、ダケカンバ(15cm)

下の説明板は、森林総合研究所北海道支所(豊平区西岡)の樹木見本園で撮影

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⇒ ウダイカンバ  キノコ

 

 

 

ウダイカンバ  キノコ

2015.10.4
今から4年前、正確には3年8ヵ月前に、北大植物園の樹木園の園路傍で見つけました。 樹幹中央に4か所キノコが着生しています。 一番上段にあるキノコは直径が30cm以上あると思われる 普段見かけない大きさのもので、珍しいと思ってカメラに収めました。
2014.10.4
このキノコは、上の写真に写っている一番下のキノコです。
キノコが着生している樹木はウダイカンバ。 キノコの種類はサルノコシカケの仲間で、ツリガネタケ?でしょうか? はっきりはわかりません。 2019.6.6
そして、今日(2019年6月6日)、ウダイカンバの変わり果てた姿での再会。  2019.6.6
4年前には無かった地際近くにキノコが着生。 直径は約50cm。 3年程でこの大きさになるようです。 こちらの方はよりツリガネタケらしく見えるのですが、やはり判りません。
緑化樹木腐朽病害ハンドブックによると、
子実体(キノコ)は多年生、坐生、小型と大型の2つのタイプがあり、小型は蹄形~釣鐘形、幅2~5cm、厚さ2~5cm程度、大型は丸山形~扁平な円形、幅は最大70㎝、厚さ30cmに達する。
と書かれているので、これは大型タイプのような気がします。 ちなみに、小型のツ
リガネタケは、

2013.9.1
キノコが着生している樹はケヤマハンノキ。

話が逸れてしまいましたが、キノコの着生していた樹木、ウダイカンバは昨年9月5日、地震前日に北海道を通過した台風21号の強風でバッサリと折れてしまったのでしょか?
このツリガネタケと思われるキノコは、植物で言えば花、生殖器に相当する部分で、樹樹幹内部に菌糸を張り巡らし、セルロースやリグニンなどできている硬い細胞壁を分解して栄養を得ています。 なので、これだけ大きいキノコができるということは 樹幹内の組織はボロボロになってまっていたのでしょう。 それが原因で、昨年9月の30mを越える強風でバッサリと折れてしまったようです。

<ウダイカンバ>
ウダイカンバはシラカンバ(シラカバ)と同様に札幌周辺の自然林に普通に見られる樹種ですが、札幌市内の公園に植えられているものはほとんどシラカンバです。
ウダイカンバはシラカバに比べて葉が一回り大きいことと、樹皮は白色ではなく少し灰色がかっています。

2014.6.1 ウダイカンと思われる樹(遠くから撮っているので)

ウダイカンバは落葉高木で、高さ30m直径1mくらいにまでなる。 樹幹は広葉樹のうちではまっすぐな方で、枝下が長い上、樹幹の断面も正円に近く、見るからに形質のよい感じがする。 樹皮は灰白色、帯黄色などで、ほぼ平滑で、横方面にはげる。 はっきりとした横長の皮目があり、サクラにやや似ている。肥沃な日当たりのよい土地に生える。 裸地や森林が破壊された所に最初に生えてくる、いわゆる陽樹。(森林総合研究所北海道支部が発行している資料より)

マカバは樹高30m、胸高直径が1mほどになる大きな木です。別名であるウダイカンバは漢字で「鵜松明樺」と書き、鵜飼が松明として好んで使っていた事が名前の由来とされています。 乾燥後は反らず、狂いも少ない為、非常に安定した木材だと言えます。 マカバは加工性が高い為、切削やカンナがけなども容易に行う事ができます。また、接着に関しても油分が少ないので簡単に接着する事ができます。
強度は高く、広葉樹の中でもそこそこの硬度を持っており、硬さが必要な箇所にも使用可能です。磨耗にも強いので建具の材料としても向いています。
耐久性に関しては腐蝕しやすいという性質を持っているので、屋外で使用する場合などは、表面に何らかの処理を施した方がよいでしょう。

マカバ(ウダイカンバ)は北海道などでは「広葉樹の女王」と呼ばれる事もある木で、その外観は気品に溢れています。 マカバは主に家具材、フローリングなどの内装材、ドアなどの建具などに利用されます。 また、ピアノのハンマーなどの楽器の材料や、変わった所では世界大戦期の日本で航空機のプロペラの材料や外板としても用いられていたようです。特にマカバで作られたプロペラは高性能であったと言われています。
(ウェブサイト:木材博物館より)

中島公園にあるコンサートホール キタラには、このウダイカンバ(マカバ)が使われていると聞いたことがあります。