畑起こし 令和4年(2022)

今年も家庭菜園が始まりました。
今冬は雪が異常に多くて、我家の庭には4月10日過ぎまで?その後も?雪が残っていました。例年は4月20日前後から畑起こしをするのですが、今年は地面の乾きが遅くなるだろうと思って、少し遅めの4月25日頃から始めようと考えていたのです。しかし、バレイショを5月初めに植えるので、やはり、例年と同じ4月21日から畑起こしを始めました。その理由は、毎年、60㎡程の畑を4月20日から4月末までの10日間で終えるのですが、この歳になると、1日に10㎡程しかしないので、出来ないので、どうしても、1回目の畑起こしが終わるのが4月末になってしまうのです。
土は乾いていて、剣先スコップでの掘り起こしは思っていたよりも程度は良かったです。今春初めての掘り起こしは30分足らずで止めました。やはり土は重いです。剣先スコップで掘り起こしているとコガネムシの幼虫が出てきます。しゃがんでその幼虫を取り除こうと土に触れると、ほのかに土の香りがしてきます。札幌にもやっと暖かい春がやってきました。

2022.4.23

畑起しの時期になると、
「畑に堆肥を入れないとどうなるのか? 土がやせるとは?」
など土に関することが頭に浮かんできます。

野菜をつくるとき、堆肥(有機物)を入れないで、化成肥料だけを与え続けていると土がやせる、作物が穫れなくなる と言われています。
北海道は畑に毎年2㎏/㎡の堆肥を入れることをと推奨?しています。そうすると、畑の地力が維持できるのです。 自分でも数年に一度秋に落葉を入れたり、毎年、果樹の剪定枝を細かく切り刻んで入れたりはしていますが、2㎏/㎡の堆肥(有機物)は入れてないように思うのです。 ナスは半身萎凋病が出るのでダメなのですが、それでも、トマト、キュウリ等他の作物はそれなりに収穫できています。 キュウリは毎年5本植えて、120〜200本収穫しています。 昨年は、6月中旬〜8月上旬までほとんど雨が降らなかったのでベト病などの病気が発生しなかったのです。 そうしたら300本(60本/株)も収穫できました(そのかわり、潅水はしっかりとやりました 葉にかけるのではなく、畝間に水を時間をかけてじっくり染み込ませて)。
ということは、畑に堆肥を入れなくなったから急に作物が撮れなくなるのではなく、家庭菜園では、平米に何キロ入れたということよりも、毎年堆肥を少しづつでも入れようと思う気持ちが大事だと思っています。

有機物(樹木や草花、昆虫や動物の体など)を生産できるのは葉緑素を持っている植物だけです。人類も最近では人工光合成により有機物を合成して、近い将来には人工有機物が工場で生産される日が来るようですが、それは別の話として、植物は水と二酸化炭素と太陽のエネルギーでデンプン(有機物)を作っています。それを我々人間も含めた動物が食べて生きているのです。植物が生産したデンプンなどの有機物を消費するのは動物だけではありません。カビの仲間の菌類も、有機物を消費するのです。

消費者である人間を含めた動物は、口から食物(有機物)を入れて胃や腸で分解し、その分解された食物は小腸で血管から吸収されて血液で各細胞に運ばれます。そして、腸で吸収されなかった残りかすは肛門から排出されます。
一方、地球上のもう一つの消費者であるカビなどの菌類は、土中に細い細い菌糸を伸ばして、その先から植物の細胞壁を壊す物質を出して細胞内に入り、必要な栄養を吸収して自分の体をつくっています。
そして、菌類が食べ残したかす、動物で言えばうんこなどの排泄物が、土なのです。土は菌類が食べ残した残骸なのです。その残骸が植物の根を生長させるのに絶好の環境、つまり※団粒構造をつくっているのです。 それは、適度な通気性と排水性を持ち、かつ保水性と保肥力がある、と言われています。
菌類は有機物を分解して自分たちの体を維持するためのエネルギーをつくり、最終的には、有機物は水と二酸化炭素に分解され、リン酸やカリ、マグネシュウムなどの無機物だけが残るのです。 極端な言い方をすれば、菌類によって有機物が食いつくされた畑には石のような鉱物以外何も残らなくなるのです。
「土がやせる」ということは、多種多様な菌類が生息してた畑に菌類のエサがなくなったことを意味し、言い換えれば、「有機物のない、菌類の生息できない土、植物の根に理想的な環境を与えてくれる団粒構造がなくなってしまう土」ということになります。

※団粒構造
個々の土壌粒子が集合して団粒をつくっているもの。 団粒構造は土壌粒子がばらばらに存在している単粒構造にくらべ,大小さまざまの孔隙(こうげき)に富み,通気・通水性,保水性にすぐれ,土壌生物の活動も盛んで,植物生育も良好である。
(コトバンクより)

団粒構造 タキイネットショップより
https://shop.takii.co.jp/simages/shop/selection/soil_1006_02.html

 

晩秋の畑起こし

2018.10.28
写真は、我家の家庭菜園で育てたハクサイ。 外葉が淡褐色になって枯れてきています。 とりあえず、外葉をとれば漬物や鍋の材料として十分に使えます。 しかし、株が小さく病気の症状が進んでいるものは食材として使う気がしません。 病気の症状からすると、べと病か黄化病のように見えるのですが判りません。 ハクサイのこの症状は3年前程から出だして、病状の強弱はあるにせよ毎年出ています。 これらの病気はカビ(菌類)が原因で、べと病は葉から感染し、黄化病は根から感染します。 いずれも取り残しの残渣や根に生存越冬し、次年度に悪さをします。

最近、このような病気が出やすくなっているのは、我家の家庭菜園で植える作物はだいたい決まっていて、トマト、ピーマン、ナス、バレイショなどのナス科、エダマメのマメ科、スウィートコーンのイネ科、キュウリのウリ科で、植え付ける前に作付計画を立てて、同じ科に属する作物は連続して植えないようにしているのですが、それでも場所が狭いので毎年同じような作物を同じようなところに植え続けている傾向にあることと、牛糞や腐葉土などの堆肥の投入が少なく化成肥料が主体であること、これらのことが地力を落として土の中にいる様々な土壌菌の多様性をなくして病気が出やすくなっていると思っているのです。 2020.11.15
それで、今年は作物の収穫後に畑起こしをすることにしました。
作物の収穫後に田畑を起こす用語として、「秋起こし」と「寒起こし」があります。
「秋起こし」は稲の収穫後早い時期(10月上中旬?)に稲わらを田んぼにすきこんで分解を促進させて地力の向上を図ることを目的としてます。 新潟県や北陸、東北地方など米の単作(一毛作)地帯で使われている言葉のように思います。
「寒起こし」は、1〜2月の真冬にスコップ(シャベル)で深さ30㎝ほど土を粗く掘り起こし、寒さにさらして病害虫を死滅させることを目的としています。 これは、関東以西の太平洋側に面する、冬場に太陽が十分降り注ぐ地帯で、秋遅くまで何らかの作物を育てていて、それが終わってから行われる農作業のようです。

二つの用語ともに田畑の地力維持を図るためのものです。 それで、これに倣って我家の家庭菜園でも畑起こしをしてみました。 当初はダイコン、キャベツ、ハクサイ(漬物用)を収穫してからこの作業をしようと思っていたのですが、そうすると11月半ば以降になってしまうので、それより少し早い11月上旬に始めました。 ところが、この時期になると太陽の位置は低く時雨れも多いために畑の土が乾かず、スコップのへらの部分に土がべっとりとへばりついて掘り起こしがやたら重く、15分ほどで止めてしまいました。 それでも何回に分けてやればいいのですが、春の雪解けに行う畑越しは5月初めにバレイショを植えるという期日の決まった作業があることと、掘り起こし当初はスコップに土がつくのですが、4月下旬になると土も乾き、作業もやしやすくなるのです。 それよりも、これから素晴らしいいシーズンが始まるという気持ち、モチベーションがこの時期と全く違うのです。 なので、晩秋の畑起こしはそれなりの気持ちがないとなかなかできないように思います。 明後日からは2〜3日雨模様で、その後は雪になるようです。 そんなことで、今年の晩秋の秋起こしは未完に終わることになると思います。  2020.10.18
写真は百合が原公園近くにあるタマネギ畑。 タマネギの収穫は8月下旬に概ね終わるのですが、それから約2ヵ月後の10月中旬にプラウで畑を起こしています。 2020.10.18
おそらく、札幌ではこの時期が畑起こしのギリギリのタイミングで、これ以降では、畑が水を含んでトラクターで起こすことが難しくなることが多くなるのではないでしょうか。 それと同じで、我家の家庭菜園の畑起こしもやはり10月中旬ごろまでに行うにが正しいのでしょうね。

 

<余談>
この投稿のタイトルを「晩秋の畑起こし」としました。 その理由は、北国札幌でニンニクなど一部の例外を除いてほとんどの作物が畑からなくなるのが10月下旬〜11月上旬だからです。 しかし、ダイコンやキャベツなどの収穫を待っていたら畑起こしは難しくなります。 なので、「晩秋の畑起こし」ではなく、10月中旬頃に行う北国版の「秋起こし」が妥当のように思えます。

 

 

落葉堆肥(その3)

昨年と同様に今年も落ち葉を畑に入れました。 近場の公園に落ち葉ヤードがあるので、それを取りに行ってきました。 畑にばらまくだけなので作業の手間がそれほどかからないのです。
落葉ヤード 川沿公園 2015.11.21    川沿公園の落ち葉ヤード
この落ち葉を袋に詰めて持ち帰ります。  袋詰めの時間は15分程度。
Exif_JPEG_PICTURE 2015.11.21
袋にぎゅうぎゅうに詰め込みます。 20kg近くになったのでしょうか?

Exif_JPEG_PICTURE 2015.11.21
それを畑の畝の間に筋状にまいて、風で飛ばないように土をかぶせておきます。 来年春先に1回、植え付け前にもう一度畑を起こすので、そのときに土に馴染ませます。  畑への標準的な堆肥の投入量は 2t/10a = ※2kg/㎡ と言われています。 我家の家庭菜園の面積は約50㎡弱なので、2kg×50㎡=100kg入れてもいいことになります。 しかし、肥料分はないけれど未熟堆肥(生落葉)なので、大量に投入すると作物に悪影響を及ぼす可能性があります。 とりあえず、毎年少しずつ入れてじっくりと土づくりをしていこうと考えています。

※ 昨年、畑の一部に落ち葉を約2kg/㎡を入れています。 そのときは、畑を筋状に掘っています。 翌春1回目の畑越しのときは、落ち葉は塊状でほとんど分解していないので、 ばらばらにして土に混ぜる程度でした。 植付け前の2回目でも思ったほど分解していないのですが、土を掘り起こすことで落葉は細かくなっています。 そこにバレイショを植え付けたのですが、生落葉の投入による影響(問題)はなかったようです。
その後、同じ場所に再度掘り起こしてニンニクを9月末に植え付けたのですが、落葉を意識することはありませんでした。  (追記:2015.11.25)

<余談>
マツなど針葉樹やサクラの落ち葉は避けた方が良い(使わない方が良い)と言われています。 その理由を調べてみました。

〇 針葉樹の場合
落葉の分解速度は、葉の炭素/窒素濃度の比(C/N比)に強く影響され、窒素が多い、つまりC/N比が低いほど分解は速いのである。微生物は炭素をエネルギーとして、窒素を栄養として利用する。炭素の含有率は、新鮮な葉であれば、樹種に関係なくおよそ50%で、窒素含有率は樹種によって異なる。微生物にとっては、C/N比の低い葉の方が、呼吸と栄養のバランス良く食べることができる。 一般に、落葉広葉樹の落葉のC/N比は30前後で、針葉樹の落葉のC/N比は50前後なので、落葉広葉樹の方が分解が速い。幹や枝などのC/N比は数百になるので、分解に数年かかる。草本のC/N比は20前後なので、樹木の葉よりも分解が速い。 (シリーズ自然を読む 樹木の個性を知る 生活を知る「ドロノキ」より抜粋)

樹種別のC/N比表  ⇒  C/N比

針葉樹、広葉樹 どちらの葉でも畑に入れることのできる堆肥にはなるのですが、葉の成分(C/N比)の違いにより、分解の速度が違うので、一緒に混ぜると、広葉樹は十分に分解して堆肥として使える状態になっているのに、針葉樹は未分解(未熟堆肥)ままで使えない、要は「一緒に混ぜて堆肥を作るな!!」ということのようです。

〇 サクラの場合
インターネットウェブサイトで調べると、

・サクラやモミジは微生物の生育を阻害する物質を出すので避けた方が良い
・モミジ、サクラ、イチョウなどは発酵しにくいことや微生物生育阻害物質や油分などが入っていることから、時間をかけないとすぐには使え ない
・針葉樹、広葉樹(サクラ、イチョウ、クスなど)で、落ち葉堆肥に不向きな落ち葉とは、樹脂分が含まれ腐れにくいもの、落ち葉に含まれる成分に、植物の発芽や成長を阻害する物質を含んでいるもの

と書かれているものを見ますが、科学的に裏づけのあるデータでこのことを説明しているサイトを見つけることはできませんでした。
しかし、このようなことが言われるのは、サクラの落ち葉堆肥を入れた畑で作った作物の出来が悪かったなど経験的にそのようなことがあったからなのでしょうね。 その意味で、サクラやモミジの落ち葉が混ざる程度は問題ないでしょうが、それらを集めて落ち葉堆肥をつくるのは止めた方が良さそうです。 または、それらで落ち葉堆肥をつくるときは、通常の落ち葉堆肥づくりより長い時間が必要なようです。

落葉堆肥(その2)

先日(11月14日)のブログで落葉を我家のミニ家庭菜園に土壌改良材として入れたことを記しました。 そのきっかけは 職場の園芸家に刺激されたことです。 しかしそれ以前に、ナスに半身萎凋病が出ること、、家庭菜園に拡げた場所が粘土質で、土が乾くと硬くごろごろに固まってしまい、土をや柔らかくする(土の構造を換える)必要があること、園芸店で売っている1袋数百円もする高い堆肥を買う気がしなかったことなど、それに至るまでにはいくつかの背景があったのです。
それで、今ブログは、“落葉堆肥”と“生の落葉を畑に入れることの問題点とそれでも施用しても大丈夫ではないか”ということについて書いてみます(ただし、これは我家の家庭菜園だけの話です)。
○ 落葉堆肥について
以前、職場で落葉堆肥をつくったことがあります。 時期は11月下旬頃?だったと思います。  落葉の種類は、ハルニレ、オニグルミ、キハダ、イタヤカエデ、シナノキ、エゾヤマザクラなど種々雑多です。確か、エドウィンダン記念公園で採集した落ち葉だったように記憶しています。
つくり方は至って簡単。 先ず最初に、コンパネで簡単な囲い(4辺の内1辺に囲いのない)をつくり、それを2つに仕切ります。その内の1つに落葉を入れておいて、切り替えし時にもう1箇所へ移し変えるのです。 それを3回ほど繰り返します。 切り返し後はブルーシートで覆います。  切り返す理由は落葉の中に空気を入れて醗酵を促進させるためです。 ブルーシートの覆いは、雨(雪)除けと保温です。
最初の切り替えし時に、発酵の促進材としてコンポスト(下水道汚泥を粒状にしたもの)を何層かに入れます(通常は油粕や米ぬかなど)。 そして、途中で水をかけます(水をかけるのは切り替えしの1回目だけ)。 それを1週間置きに計3回切り替えしました。
落葉内の温度を測定すると、1回目の切り替えし後は通常50~60℃まで上がるのですが、今回は全然温度が上がりません。確か30℃くらいだったと思います。 2回目の切り替えし後に50~60℃に上がりました。 3回目は40℃くらいだったと思います。 どうして1回目に温度が上がらなかったか? 落葉が乾いている思い、どうも水をかけすぎたようです。
その落葉堆肥(翌年1月採取)を分析してもらいました。
分析結果は以下のとおりです。
・水分     71.6%
・pH      7.3
・全窒素    2.2%
・リン酸    2.3%
・カリウム   0.3%
・カルシウム  11.5%
・全炭素    35%
・C/N比   16
この結果から読み取れるのは、
・カリウム(K)は少ないですが、窒素(N)とリン酸(P)は、コンポストを入れていることもあって、肥料としての効果も少しはあるようです。
参考 稲わら堆肥  N:P:K=0.6:0.4:0.4(%)
牛ふん堆肥  N:P:K=0.6:0.4:0.5
豚ふん堆肥  N:P:K=1.1:1.5:0.7    「北海道堆肥ガイド2010」(道農政部)
大豆油かす  N:P:K=6.0~7.2:1.0~1.3:1.0~2.5
コンポスト   N:P:K=2.0:3.4:0.5未満  カルシウム:18

・カルシウムの数値が高いのはコンポスト(下水道汚泥)を入れているためです。
最も重要なのは、C/N 比です。  これは炭素と窒素の比率のことです。 C/N率が10ということは炭素(C)が10に対して窒素(N)が1の割合であることを意味します。 この比率は、堆肥の完熟度を知る一つの目安となっています。 通常の樹木ではC/N 比は100~200、落葉では50前後、稲わら70と言われています。 完熟たい肥は13、堆肥は15、堆肥として使用できる目安としては20と言われています。
ので、今回の落葉堆肥は、C/N比が16ですので、堆肥として十分使えるものになっていることです。
これを春先、畑を起こすときに鋤き込みます(通常、落葉堆肥は、秋に落葉を採集して、翌年に1~3回切り替えしを行い、その次の年に利用します。 落葉を2冬寝かせることになります)。
落葉堆肥のつくり方 ← 興味のある方はこのホームページへ
○ 生の落葉を畑に入れること
生の落葉をそのまま畑に入れる長所は、堆肥をつくるために切り替えしをする場所の確保や手間が省けることなどです。特に、切り替えしをする手間が省けることことが大きいです。 しかし、未熟有機物(落葉、野菜くず、オガクズなど植物系、鶏糞、豚糞など動物系)を施用することは、作物にチッソ飢餓を招いたり、根傷みするといわれており、一般的に推奨されません。
推奨されない原因の一つ目、窒素飢餓についてですが、未熟堆肥を土壌に大量に入れることは、落葉内にある炭素(C)を大量に土に入れることになります。 微生物はそれらを餌に自分の細胞を分裂させ成長します。そのときに炭素(C)は当然必要ですが、それとともに窒素(N)も必要になります。 それではなぜ窒素(N)が不足(飢餓)するのか? それは、微生物の体自体のC/N比 が8~10と言われていますので、自分の体をつくるため炭素(落葉)は周りにたくさんあるけれど、窒素は自分の体のCN構成比を満足させるだけありません。そのために、元々土壌中に存在する窒素を吸収して体の細胞をつくろうとします。 この土壌中の窒素はそこに生えている作物が吸収しようとしていた窒素(N)です。作物と微生物で窒素の奪い合いが起こるのです。 これが窒素飢餓が起こる原因です。
次に根痛みする原因はなにか? 鶏糞や豚糞など動物系未熟堆肥を施用するとガスが発生する、オガクズなど木質系の未熟堆肥を施用すると根痛みする物質をだす、それらが原因で根痛みすると言われていますが、この部分については分からないのでこの程度にします。
未熟堆肥を施用することは、上述のようにいろいろと問題があります。 それでも、自分の家庭菜園に落葉(未熟堆肥)を施用するのは、“家庭菜園だから失敗しても大したことはない”という気持ちと、おそらく大丈夫ではないかという“感”です。
というのは、
上述の以前職場でつくった落葉堆のC/N率は16でした。 この値は、堆肥として十分使えるものです。11月中下旬~12月にかけて3回切り替えしをし、翌年の1月(約1ヶ月後)にその落葉堆肥を採取して分析したものです。
今回は11月中旬に自分の家庭菜園に落葉を入れました。 そして、来年雪解け後の4月下旬に畑を起こします。その約1ヵ月後に再度起こし直して、苗の植え込みを行います(とりあえず、この場所には種はまかない)。 ということは2回切り返しを行うことになります。 冬季間は落葉の分解はほとんど進まないと思いますが、春、気温が上がって暖かくなるとそれも進み、苗を植え込む時期、5月下旬~6月上旬には2回目の掘り起こし(切り替えし)で、落葉が細かく砕かれて土に馴染んでくると思うのです。
次に、落葉の入れる“量”です。 堆肥にもいろんな種類があって一概には言えないのですが、通常、堆肥の投入量は2~3t/10aと言われています。これを㎡に換算すると2~3kgになります。 これはとりあえず完熟堆肥の値です。
今回、私の家庭菜園に落葉をどれだけ入れたかというと、水分を含んだ落葉=約10kg 筋状に入れていますが畑を起こして散らかすので、面積にすると約5㎡(3.5m×1.5m)になります。 10kg/約5㎡ → 2kg/㎡となります。  完熟堆肥の一般的な投入量とだいたい同量です。
以前職場でつくった落葉堆肥のC/Nの値が16で、一般的に堆肥として使える値が20であることを念頭において、上述の二つのこと、一つは春に家庭菜園で2回掘り起こし(落葉の切り替えしと同じ意味)を行って落葉の分解も進むことと、落葉の投入量が一般的な完熟堆肥の投入量の範囲内であること、この二つのことが、今回の家庭菜園に落葉を入れることが未熟堆肥としてく問題になるということについて、おそらく問題にならないという“根拠”、“感”なのです。
この件に関しては、今後適宜報告したいと思っています。
<参考までに:肥料と堆肥>
肥料には大別して、化成肥料と有機肥料と有ります。 化成肥料は既に植物が吸収できる状態での肥料で、即効性があり便利な面があります。 有機肥料は、化成肥料に比べ、植物が吸収できるにはバクテリアなどに分解して貰い吸収できる状態にならなければならず、遅効性です。 ですが化成肥料がパッと効いて直ぐに肥料切れをおこすに比べ有機肥料は都合よく長い間肥料を提供し続ける特徴があります。
堆肥はこの有機肥料の発生装置的肥料の一部といえます。 堆肥は肥料を供給するだけでなく、その構造から、通気性、保水性に優れ植物の根やバクテリアに良好な環境を提供します。 土壌改良剤として用いられ、いわゆる肥えた土です。

にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ
にほんブログ村

落葉堆肥(その1)

 今年、9月15日のブログで、自宅の庭にモモをつくっている園芸好きの方の話をしました。 その方はトマトやキュウリなど野菜もつくっているのですが、ある会話の中で話題が“堆肥”になったことがあります。
「庭が狭いので、トマトやキュウリはほとんど毎年同じ場所に植えている。 ナスは畑に植えるがプランターにも植えている」
「自分は、毎年、植え付け場所を変えているので、トマトとキュウリには連作障害のような症状は出ないが、ナスの半身萎凋病は必ず出る。 苗を6月上旬に植えつけて、7月に花が咲いて小さな実が生り出した頃、葉の元気がなくなり、萎れて最後に枯れてしまう」
「家のナスもそのような症状が出たが、今年は何とか一夏耐えて実が採れた。 狭い場所にいろんな野菜を毎年つくらなければならないので、堆肥を入れている」
「買って入れている?」
「秋口に落葉を集めて、それをビニール袋にギュウギュウに詰めて、その中に米ぬかを混ぜ込んで、たっぷり水をかけた後ビニールに穴を開け、 それを一冬置いておく。 翌春、畑を起こすときにそれを一緒に混ぜ込む。 それを毎年やっている。」
追記2014.11.17 訂正: ビニール袋の落葉は、夏場に別の袋に入れ替えて(堆肥づくりの切替しと同じ意味)、もう一冬寝かせ、翌春、畑に混ぜる
ビニール袋でつくる落葉堆肥  ← 興味のある方は左のホームページへ
「それで、毎年、同じ場所にトマトやキュウリを植えても大丈夫?」
「ナスは難しいけど、トマトとキュウリは、ずっとそれでやっている」
「確かに、家庭菜園でも連作障害を避けるために場所をかえて植えるとか、この作物の土壌PHはこの当たりだとかいろいろ言われるけれど、そのようなことはなかなか出来ないので、丈夫な野菜をつくるには地道な土づくりが一番肝心なんだ」
そんな会話をしたことがあります。
家庭菜園を始めてから30年近く経ちます。 当初は、小さな面積に園芸店でトマトやキュウリの苗を買ってきて植える程度だったのですが、10年程前に庭の芝生を剥いで家庭菜園の面積を広くしました。  掘り起こした土は粘土質で乾燥するとコチンコチンに固まります。 それでも肥料をやればそれなりに実はなってくれました。 しかし、そのときから土作りは必要だとは感じていたのです。
そして、今回の会話です。 その会話に刺激されて、落ち葉を畑に入れてみました。
1-0020 落葉堆肥2014.11.9
近くの公園に、公園内で集めた落ち葉を堆積した落葉ヤードがあります。 そこから頂いてきました。 40lL?入りのビニール袋に4つ分。 落葉は濡れた状態で重さにすると約10kg。
スコップで溝を掘り(剣先スコップ一掘り分=幅30cm、深さ20~30cm 長さ3.5m×2列)、そこに先程の落葉を入れて、その上に土を被せています。 溝を掘らないで、畑に散らばすことも考えたのですが、強い風が吹いて辺りに飛んでいき、近所迷惑なると思い止めました。
作業時間は、公園に落葉を取りに行って、畑に溝を掘り、落葉を投入するまで約1時間ちょっと。 これくらいの作業は負担にならないので、来年以降も続けようと思っています。
1-010 落葉堆肥2014. 11.9
公園内にある落葉ヤードです。 大きさは高さ:1.5m、幅:5m、奥行き1.5mくらいでしょうか? このヤード一杯に落葉を集めると相当の量になりますが、実際はそれほど入ってはいませんでした。 その代わり、 そこには除草などで出た草を土嚢袋に詰めて置かれています。近所の方でしょうか?、ゴミ置き場と勘違いされて、このようにゴミ紛いのものが置かれることが多いようです。
1-008 落葉堆肥
このような説明書きが貼られています。

にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ
にほんブログ村