サギソウ 開花 

もう40数年前でのことですが、南区小金湯にあった札幌市農業センターのロックガーデンで初めてサギソウを見たとき、
「どうしてこのような形の花ができるのだろう?」
サギという鳥は白鳥のように白くて大きな鳥くらいのイメージはあっても実際には見てもいないのに
「よく似ているな」
と思ったものです。
サギソウの花を近くで見ると、正しく鳥が優美に空を舞っているようにみえます。一度見ると忘れられない印象的な花です。
2017.8.27
しかし、この花は台湾、朝鮮半島、日本に分布(自生)するラン科の植物で、北海道には自生していません。 球根を購入して庭などに植えてもほとんど?あまり?越冬しないようで、札幌では見かけけない植物です。
ハーディネスゾーン(耐寒性ゾーン;寒さを段階別に分けた(日本の場合は20ゾーン:3a~12b)植物ごとにどの地域まで冬越し可能なのかを知るための指標)では、サギソウはゾーン10;+4.4~-1.1℃)に分類さえており、札幌のゾーンは6b;-17.8~−20.6℃(ゾーン6は6aと6bの2つがある)なので、札幌では越冬できないのです。
しかし、百合が原公園のロックガーデン南側片隅の小さな池の淵に咲いていました。
2022.9.11
草丈は20~30cmで、細い葉の先から茎をのばして、その先でサギが舞っていま
す。
2022.9.11
百合が原公園の管理をしている方に話を聞くと、
「4~5年前に球根を植えています。 毎年花を咲かせますが、年よって花の数が異なります。 3年前は1個しか花をつけなかったのですが、今年は昨年雪が多かったせいか、花付きが良いです。 1個しか花が咲かなかった年は、その前年の冬は雪が少なかったように思います。 池の周りに数か所サギソウを植えたのですが、現在生き残っているのは、その1か所だけです。 サギソウが生き残っているこの場所は、この池で雪が解けるのが一番遅い場所です。 なので、その年に花が咲くかどうかは、春先の積雪が関係しているのではないかと思っています。 春先早く雪が解けると、そのことがサギソウの成長に 影響を与えていのではないか、例えば春先の寒乾風など。 個人の方でサギソウを育てている方もいらっしゃるようです」
「もしそうならば、秋口に寒さ除けとして落葉などを厚めに 敷き詰めてやれば越冬して花を咲かせる可能性が高まるのでしょうね」
「その可能性は高い思います」
2017.8.27  北大植物園