ヤマシャクヤク

2021.5.28
豊平公園の野草園に植えられていました。 園路沿い生垣の傍です。
高さ約40~50cm。 茎は地際から立ち上がり、1本の茎の先端に1つの花をつけます。 葉は2回3出葉。 2021.5.28
これぐらいの咲き方、花弁が開いて中の雄しべや雌しべが見えるようになる咲き方より、正に開こうとする直前の方が 上品である。 花弁は5~7枚。 2020.6.7
開花後10日もするとタネをつける。 写真は緑色の果実が4~5本立っているが、1~3本のものもある。

2020.9.19
9月に入ると、果実(袋果)が熟して弾け?る。 その内側には朱赤の未熟な不稔種子と瑠璃色に輝く種子が入っていて、濃紺と赤の対比が鮮やかすぎて、少し不気味な感じもする。

<余談>
シャクヤクを漢字で書くと「芍薬」。 その根は薬として漢方で使われている。 ヤマシャクヤクもアイヌの人々にとって万能薬だったようで、更科源蔵著「コタン生物記」に以下のような記述がある。

「この草の根は風邪や腹痛の薬として、生で食べたり、煎じて飲んだりした。関節の痛みや打撲には粉にしたものを練って貼りつけた。 これは火傷にもよく効いたし、痔のときには煎汁で洗うとよいという。 種子を砕いてひたした液は目薬になったし、耳の悪いときはこの種子の粉末を煙草に混ぜて吸い、その煙を耳の穴に吹き込んだという。 このように、ヤマシャクヤクは万能の薬であったが、根は食用にも掘られたという。」