トクサ  スギナの仲間

2020.4.24
春先の自然林は冬枯れ状態で、林床にも緑色はほとんど見当たりません。 そのようなところに夏場にはほとんど目立たないトクサのくすんだ緑色に目が留まります。 写真は福住桑園通沿いの藻岩山裾野(南29条近辺)。 トクサは、自然林の北斜面、あまり陽が当たらない少し湿気った場所によく見かけます。

2017.5.17
・日本では中部地方以北に産し、ふつう沢沿いの林下や林縁に生えるが、原野や海岸に生えることもある。 地下茎は地中を長く横走し、地上部の茎は常緑で暗緑色、直立し、高さ30~100cm、直径5~7mm。 茎の髄腔は大きく、中空となるが、茎の壁は硬く丈夫で、日本のものは15~25本の稜(縦に筋が入る)がある。
(園芸植物大辞典)
・和名は(砥草)の意で、木、竹、動物の骨などを材料とする工芸では、研磨剤としてこの草の用途は広い。(園芸大百科事典)
トクサの茎を触るとザラザラしていて堅い。

トクサはその独特の形状から、和風庭園の下草や生け花の材料として用いられていま
す。
2020.5.3
中島公園の日本庭園。 石庭背後にある建仁寺垣と石積柵の間に植えられている濃緑色のものがトクサ。 一見良さげに見えますが、何も知らないで庭に植えるととんでもないことになるようです。 というのも、このトクサはスギナと同属で、地下茎が庭の縦横に走り、あちこちから硬い茎を出すのです。
2018.11.10
写真は上と同じく中島公園の日本庭園ですが、建仁寺垣が造られる前のものです。上の写真(石庭)の反対側、裏手側から撮ったものです。
写真を撮りに行ったとき、当公園の手入れしている方がいて、トクサについて聞いてい見ると、写真のトクサと樹木の間にコケが生えている部分がありますが、ここにトクサがニョキニョキと出てくるので、毎回芝刈りをする際に刈り取っているとのこと。

ということで、自分の庭に取り入れようと思っている方は、根があちこち這いまわらないように、深めの仕切、根止めが必要なようです。 スギナが庭に生えていて、それを一度根絶しようと考えた方なら、トクサの駆除の大変さは、大体創造ができると思います。

<余談 ミズトクサ>
2019.6.3
写真は、園芸店に売っていたミズトクサ。 トクサに比べて茎は細く柔らか。
浅い水中や湿地に生育する多年草なので、池の淵やビオトープに植えられるようです。 分布はトクサと同じ。