カシグルミ(テウチグルミ)

2016.9.7
カシグルミの成木。 高さは8~9m。
個人の庭や、なぜここに生えてるのか?不思議に思うのですが、小河川の堤防など、街中でもたまに見かけることがあります。 写真のカシグルミは道路脇、公園?で大きくなっています。
カシグルミの原産はイランなど西アジアで、日本には自生していません。 なので、この樹も誰かが植えたものなのです。

2016.10.16                                                   2013.8.3
9月下旬~10月に入ると、緑色の外皮が割れて茶色の種子が見えてきます。
2018.5,23
カシグルミの雄花(左)と雌花(右)
写真の雄花の花穂は短く開花前のようで、長くなると30cm以上?に垂れる。
オニグルミの雌花は赤色ですが、 カシグルミの雌花は極薄黄緑色。

⇒ オニグルミ


2016.9.4                                                         2016.9.8
オニグルミとカシグルミの比較

葉の形状
左:カシグルミ、奇数羽状複葉で、小葉は3~9枚
右:オニグルミ、奇数羽状複葉で、小葉は9~21枚

果実の形状
左:オニグルミ、果実の表面には褐色の毛が密生、手で触ると粘つく
右:カシグルミ、果実表面は滑らかでつるつる

カシグルミとオニグルミの果実の詳細については下記のオニグルミ(その2)を見てください。

⇒ オニグルミ(その2)

 

 

 

カシグルミ(セイヨウグルミ)  

2016.9.7
樹高7~8m、幹径60~70㎝ある大きなカシグルミ。 郊外の住宅地でときおり見かけます。 写真のカシグルミは、南30条、藻岩山の裾野道路脇にあります。

カシグルミは菓子胡桃の意味。 殻が柔らかく、手でも割れることから手打ち胡桃の名もある。ペルシャグルミとも呼ばれる。 欧米で単にクルミと言えばこの種類を
指す。(北大植物園の説明板より)
イラン原産の落葉樹、高さ15m。(北海道樹木図鑑) 
2016.9.4                                                          2016.10.16
日本に自生しているオニグルミは9月に入ると果実は褐色に変わり収穫できますが、カシグルミの実は9月ではまだ青々としていて収穫には早いようです。 10月に入ると果実が割れて収穫適期(写真右)を迎えます。 2016.9.8
左:オニグルミ、 右:カシグルミ  写真の白いものは1円玉

2016.9.4
左:カシグルミ、右:オニグルミ
オニグルミとカシグルミの葉の形状は同じ奇数羽状複葉ですが、オニグルミは葉の枚数が多く(9~12枚)長さも30~50cm、葉には軟毛が密生して、指先で触るとふわふわとした感触があるのに対して、カシグルミは小葉の枚数は少なく(5~9枚)、無毛で少し硬めの照葉です。

2016.5.23
雌花の形状はよく似ていますが、オニグルミは赤色(下の写真)、カシグルミは淡黄色。
1-041(赤字)

2018.5.23
クルミの仲間は同じ木に雄花と雌花が別々に咲かせるタイプで、写真はカシグルミの雄花。 雄花はカシグルミもオニグルミによく似ています。

<クルミ:太古からの食糧>
クルミの仁は優良たんぱく質や脂肪に富む高級栄養食品である。 ビタミンB1なども含みカロリーは一般穀類の2倍で消化もよい。 大昔は山野に自生しているものを採取して貴重な食糧にしていたようで、各地の先住民の遺跡発掘のさい、しばしば他の殻果類といっしょに出土していることからそれがうかがわれる。 生命の樹として飢饉に備えて大事にされ、東北地方など藩によっては植栽が奨励されたという。 

江戸時代中頃には、これまでの野生で殻の堅いクルミに加えて、殻のくだきやすいテウチグルミが中国・朝鮮方面から渡来し植栽されたといわれ、さらに明治初期と大正時代にはアメリカから品質優良なペルシャグルミが導入された。(園芸大百科事典)