パセリ 2年草?多年草?(その2) 

「パセリが2年草なのか?多年草なのか?」を調べるために、通常は一夏料理に使った翌春には掘り起こして投げていたのですが、今年は昨年植えたものをそのままにしておきました。

2023.6.2                                                 2023.7.7
左の写真は一冬越して今年の6月2日に撮ったパセリで、通常のパセリの姿をしており、6月上旬まで料理に使っていました。 ところが、7月に入ると、急に?突然に?茎が伸びだしその先に花をつけました。

⇒ パセリ開花  二年草?多年草?

2023.9.10
そして、花が咲き始めると葉は色あせて黄色になり、だんだんと褐色化してきました。 9月に入ると花は枯れてタネを付け、葉はほとんどなくなってしまいました。 写真のパセリ(手前はサツマイモ、後はブドウ)は、葉のない茎と花梗とタネだけの姿です。 タネを実らせるために葉と根にため込んでいた養分を使い切ろうとしているのでしょう。 現在のパセリの姿を見ると、地際から新しい芽を出す様子は全くなく、来春も新たに芽を出す可能性はないように見えます。
やはり、パセリは多年草ではなく、2年草のようです。 もし、来春このパセリから新芽が出たら報告します。
園芸植物大辞典で、パセリを2年草または短命な多年草と記していますが、それは、おそらく、葉は枯れてしまうのですが、根は細々と生き残って春に新芽を出すのでしょう。

<1年草、2年草、多年草について>
草本(草花)の分類は、一般的に1年草、2年草、多年草に分けられます。日本大百科全書(ニッポニカ)によれば

① 1年草;草花は、播種(はしゅ)から発芽開花結実までの暦年の長さによって、一年草、二年草多年草に分けられる。種子を播(ま)いてから1年以内に開花し、種子を結実して枯死するか、または寒さ、暑さのために枯死するものを一年草とよぶ。
1年草には、春まき1年草と秋まき1年草があり、全者は春にタネをまいて開花結実してその年に枯れるもので、後者は秋にタネをまいて翌春開花結実し、は種後1年以内に枯死するものをいうようです。 例えば、パンジーは関東以西では9~10月にタネをまき、翌春開花して夏に枯れるので、1年草になっています。 しかし、札幌では7月にタネをまいて10月には一度花を咲かせて冬を越します。そして翌春、花壇に植えられて春に開花し、夏は一休みして秋に再び開花します。そして、そのままにしておくと越冬して、その翌年(3年目)も花が咲くはずです。 2年目ほどにきれいに咲くかどうかはわかりませんが・・・。 札幌では2年草扱い、もしくは多年草と言ってもいいのではないか思っています。
また、インパチェンスやケイトウなど熱帯性の草花は、日本では春にタネをまいて夏に開花し、寒さのため冬は越せないので1年草扱いになっていますが、原産地では多年草です。

② 2年草;播種(はしゅ)後、1年以上経てから開花結実して、2年以内に枯死する草本植物をさす。秋に種子を播(ま)いて翌春に開花したものを二年草とよぶことがあるが、これは越冬して2年にまたがったものであり、二年草本来の姿ではない。したがって、二年草は、春に種子を播くと、夏、秋、冬の間が生育期であり、翌年の春または夏に開花する。秋に種子を播いても翌年は生育期間の不足などから開花せず、翌々年になってから開花するものもある。このように生育期間が長いことから宿根草と同一視されやすい。
2年草は春にタネをまくと翌春夏に開花結実し、その年の秋には枯死するもので、秋にタネをまいた場合、次年度は花が咲かないで、3年目に開花結実枯死し、基本的には4年目は枯れてないもののようです。 パセリも秋にタネをまいて越冬した場合、翌春は株が小さいために花を咲かすことができずにそのまま2回目の冬越しをして3年目に開花結実、そして枯死するのでしょう。
2年草は1年草や多年草に比べて思い当たる種類が少なく、大まかには、春~夏にタネをまくとその年は栄養成長だけで、翌年開花結実して枯死する植物、ただし、秋にタネをまくと3年目に開花結実、枯死するものもある。

多年草;草本植物で2年以上生存(2年草は2年以内)し、常緑または越冬の際地上部の一部は枯死するが、地際に近い茎葉と根部は生き残り、翌春ふたたび萌芽(ほうが)して成長開花するものを多年草とよぶ。 一般に宿根草と呼ばれている草本はここに属します。

草本(草花)の分類にいてはこんな感じで頭に入れておきます。

 

 

パセリ開花  二年草?多年草?

2023.6.2
上の写真は昨年の春、園芸店で苗を購入して畑に植えたパセリです。毎年、苗を購入して翌春畑起しのときに掘り返して投げていたのですが、今年は花を見ようと残しておきました。 6月上旬までは料理に使っていました。
2023.7.4
6月中旬?ごろになると上の上の写真のように高さが20~30cmのこんもりとした株状のものが四方に茎をぐんぐん伸ばして、草丈は60~70cmになります。 そして、その先に花を咲かせます。
2023.7.4
パセリの花はセリ科特有の小さくて黄緑色を帯びた白い花を平らにたくさんつけ、複散形花序という花の咲き方をします。

左;散形花序、右;複散形花序  Por su crecimientoから画像をお借りしました。

<パセリは2年草?それとも多年草?>
1年草は春に種をまくと夏に花が咲き秋に枯れる植物のことです。 2年草は春~夏にタネをまくと、翌春花を咲かせてタネをつけてから枯れていきます。
それでは、パセリはどうでしょうか?  実際にパセリに花を咲かせてタネをつけた後の姿を見てないのでわからないのですが、ウィキペディアでは二年草、世界の植物(朝日百科)では多年草と書かれています。園芸植物大辞典では二年草または短命な多年草と記されています。 この短命とは数年という意味なのでしょうか?