ブドウ  冬芽

2015.2.5
上の写真はヤマブドウの冬芽。
冬芽は、卵形で、先が尖り、やや扁平で、長さ5~9mmあり、やや開出し、ほぼ2列互生する。 芽鱗は托葉起源で、2枚みえ、暗褐色ないし褐色をし、無毛で、外側のものは基部だけを包む。(落葉広葉樹図譜)
このヤマブドウの冬芽は2個ついています 。
.2023.3.4
この写真は我が家のブドウの品種;バッファローの冬芽。 ブドウの種類や品種によって冬芽の形態が違うようです。 ヤマブドウの冬芽は卵形ですが、栽培ブドウであるバッファローのものは、三角形に近い形をしています。 大粒の巨峰もまた少し違うのでしょうね。
写真の冬芽の右横に何か盛り上がったものが見えます。 冬芽の出来損ない?、それとも葉痕の一部でしょうか?  不明です。
それと、冬芽と不明なものの下側を取り囲むように三日月状で表面が凸凹している部分は、葉痕のようです。 葉痕(茎側から葉に水と養分を送る送る管)の中に維管束痕が いくつか見えます。
2024.3.4
ブドウの新梢は、剪定をしないで放置しておくと一夏で2m以上伸びるので、果房の実つきをよくするために新梢の葉が10枚ほど伸びた頃、6月上旬にその先端を摘みます。 その切り口が写真右上の赤丸で囲ったところです。
植物は頂芽優勢なので、写真でも分かる通り、昨年の夏伸びた枝の一番先端の芽が伸びて太い枝になっています。  新梢が伸びて、それについた芽が伸びて出来た新しい枝を副梢と言います。 副梢は、通常葉が込み合わないように新芽の段階で葉を2~3枚残して摘心します。 しかし、この写真のブドウ;バッファローは副梢を摘心しなかったので、そのまま伸びてしまいました。 写真をよく見ると、副梢の二つ目の芽に枯れた小さな果房ができています(赤い縦長円)。 札幌の今夏は異常に暑かったので、本来なら来春開花結実するものが、今夏に開花して小さな果房をつけてしまったようです。 この枝には数個の冬芽がありますが、おそらく、来春にこの枝から花は咲かない、実が生らないと思います。

ヤマブドウ ⇒  雌雄異株

.ヤマブドウ ⇒  紅葉 

 

ブドウ  剪定と着房数

2023.8.15
写真のブドウは今秋我が家で穫れたブドウ。 品種はバッファロー。 札幌(北海道)では通常この品種の収穫時期は9月上旬~中旬と言われていますが、ジベレリン処理をしているので熟期が早まるため、8月15日に収穫してみました。 甘いのですが酸っぱみが残っていて、やはり少し早かったようです。 しかし、8月下旬になると美味しく食べることができました。 スーパーに売っているような実がしっかり詰まった房ではなく、見た目はあまり良くありませんが・・・・。
2023.11.20
11月中旬にほとんどの葉が落ちたので、11月20日に剪定しました。
写真は剪定前のブドウのツルが伸び放題の状態のものです。 いまいち枝の込み具合は分かりずらいのですが、8月以降は副枝葉(新梢の脇芽が伸びてできる葉)が伸びて全体的に重なる葉が多くなっていました。 夏場にはこのブドウの見た目は葉が込み過ぎていました。

2023.11.20
写真は剪定後のツル(枝)の状態で、下の図はそれを模式化したものです。
2023.11.24
・黒線:ブドウ柵のフレーム
・茶色:剪定で残したツル(枝)
・赤色(星形):来年新梢が伸びる冬芽
・緑色:ブドウの葉(来春、新芽がでてツルが伸びた場合)
・紫色:ブドウの房(       同上       )
・11芽とか15芽という数字は、それぞれのツル(枝)についた芽の数

〇 着房数について(面積当たり(坪当たり)いくつブドウの房をつけるか?)
ブドウを育てて実を生らすには、剪定、芽かき、摘房、摘粒、袋掛け、施肥などの作業があります。 特に落葉後の剪定、5月下旬の芽かき、6月の開花前後摘房の作業は良い房をいくつ生らすかのために重要な作業です。
我家のリンゴの場合、現在7年目ですが、6月の中旬の摘果後、今夏は100個に袋掛けをしました。 リンゴは1個のつぼみに5~8個の花を咲かせます。 その中で果軸がしっかりしていて一番果実の大きなものを残し、残りは切り落とします。 その後何回か摘果を繰り返して数の調整をします。
それと同じようにブドウも摘房をするのですが、ブドウの場合、その年に新しく伸びるツル(新梢)につく房数は決まっていて、だいたい1本の新しいツルに3房つけます(上の模式図参照)。
模式図ではそれぞれの枝についている芽(新梢)の数を書いていますが、我家のブドウ:バッファローの剪定後のそれぞれのツル(枝)の芽数は11+15+7+11=全部で44芽です。 来春、それぞれの芽が伸びて花を咲かせると、全部で44×3=132の花が咲く、又は果房ができることになります。 これでは多すぎるので、まず、5月下旬の新芽が2~3枚になった頃に芽かきで新梢の数を制限します。
次に、1本の新梢に生らせることのできる房数はブドウの実の大きさでだいたい決まっており、大粒種の巨峰なら1本の新梢に1房、小粒種のデラウェアでは2房、バッファローのような中粒種では1本の新梢に1房又は2房のようです。 仮に1.5房つけるとすると、44芽×1.5房=66房つくることになります。
我家のブドウ柵でこの66房が適当かどうかです。 それで、面積当たり(坪当たり)いくつの房をつけるのが適当かを調べたら、巨峰やシャインマスカットなのど大粒種は10~11房と出ているのですが、中粒種は判りませんでした。
しかし、NHKみんなの園芸ではブドウの「一般的な品種は、棚3.3㎡当たり15~16房にします」と記載されています。 一般的な品種とはなんなのかはっきりしませんが、大粒種が10~11房、一般的品種が15~16房なので、我家のブドウ品種バッファローは中粒種であることから、この15~16房/坪を目安とすることにしました。
それでは我家のブドウ柵に何房のブドウをつければ適当なのかを計算してみます。

ブドウ柵の面積:縦1.6m × 幅3.1m = 4.96 ≒ 5.0㎡
坪に換算すると、 5.0㎡ ÷ 3.3㎡ = 1.51坪 ≒ 1.5坪
ぶどう柵の坪数は1.5坪ですが、実際にはツルが柵を50~70cm超えて伸びているので、
(1.6m+0.6m) × (3.1+1.2m) = 9.46㎡
坪に換算すると、 9.46㎡ ÷ 3.3㎡ = 2.9 ≒ 3坪
とします。
それでは、我家のブドウ柵に生らせことができる房数は、
3坪 × 15房/坪当たり =45房になります。
しかし、NHK趣味の園芸で言っている15~16房は関東以西を基準にしていて、気温の低い北海道には当てはまりません。 どれくらい房数を少なくするかは気温(積算温度)を調べるのが良いのですが、ここではとりあえず2割減とします。
45房 × 0.8 =36房
これが、来年生らせるブドウの房数(期待収穫房数)です。
しかし、この36房は収穫する房数なので、開花前後の摘房をする時点では、病虫害や生理的な花ぶるいで実つきが悪い房も出てくるので、2~3割多めに房を残しておきます。
なので、摘房時点では、我家のブドウ柵に生らせことができる房数を45房としておきます。

次に来春の5月中下旬に行う芽かき作業、いくつ芽を残すか?についてです。
ブドウはだいたい1本の新梢に3個花を咲かせる(3房なる)のですが、バッファローのような中粒種の場合、1本の新梢に1~2房つけるのが適当と言われています。 逆に言うと、1本の新梢につく3房を1~2房を摘房することになります。
我家のブドウの芽数は44芽なので、132房でできることになりますが、これを45房にすることになります。
これを計算すると、
44芽 ÷ 1.5芽/1本のツル = 30芽(来春にツルなる)を残すことになります。 それを上の模式図のそれぞれツル(枝)に割り当てると、
15芽のあるツル(枝)の場合、15/44 × 30 = 10芽を残すことになります。
同じように計算すると、11芽のツルは7芽と8芽、7芽のツルは5芽を残すことになります。
・15芽あるツル(枝) → 10芽(5つ芽かき)
・11芽あるツル(枝) → 7芽又は8芽(3~4つ芽かき)
・7芽あるツル(枝)  → 5芽(2芽芽かき)

以上をもとに、来春、芽かきをするのですが、ブドウのツルの伸び方(節間;葉と葉の間隔)は5~6月頃に伸びた部分の節間は狭く、気温が上がってくる7月以降に伸びたものはそれが広いのです。 また、1本の新梢から必ず3個の花(房)が咲くわけでもなく、また、1個の花(房)も咲かないことも考えられるので、その辺りは状況を見ながら芽かきをしようを思っています。

 

 

 

ブドウ  種なし化

台風7号が日本の沖合をゆくりと北に向かっているころから、
「この台風、北海道にやってくるな」
とその予想進路を心配していたのですが、
幸いにも、それは我家に台風らしい風をほとんどもたらすことなく過ぎ去っていきました。
その台風7号の暴風襲来を心配して、昨日(8月16日)は、ブドウやブラックベリーの繁茂しすぎた枝の整理とトマトなどの野菜類が倒伏しないように、支柱の補強など暴風対策に半日以上を要しました。

ブドウの枝を切り詰めるので、その序でに、ブドウ(品種;バッファロー)を2房収穫しました。
2023.8.16
ブドウの房の長さは20cm以上あり、大きさ的にはまあまあなのですが、1個1個の実のつまり具合がいまいちです。 スーパーで売っているようなびしっと詰まった房の形状になっていません。
昨年、この品種を収穫したのは9月8日以降で、その時は甘くて美味しかったのですが、今夏は収穫時期が昨年より20日以上早かったので、甘味はあるのですが残念ながらまだ酸っぱ味が残っていました。

しかし、タネは無かったです。 昨年もタネ無し化のためのジベレリン処理をしたのですがタネはあったので、少々大げな表現ですが、今年はタネ無し化に成功したのです。

ジベレリン処理の時期と実施方法 (令和4年と令和5年の比較)

年度 ジベレリン処理
1回目処理日
ジベリン処理
2回目処理日
備考
令和4年
(2022)
6月9日 7月8日 錠剤2個を100ccの水に溶かし、ブドウ房を浸漬
令和5年
(2023)
6月8日 7月4日 1回目の6月8日は錠剤3個を150ccの水に溶かし、ブドウ房を浸漬
2回目の7月8日は1回目と同じ溶液を霧吹きで散布

※ ジベレリン処理には「「STジベラ錠5」を使用。 5錠/箱で1,000円

ブドウのタネ無し化でジベレリン処理は2回行います。 1回目はタネ無し化のため、2回目は熟期促進や実の肥大化を目的としています。 なので、1回目の処理日が重要になります。 しかし、昨年と今年では処理日が1日違いです。 昨年はジベレリン処理が初めてで、とりあえず、満開予定日14日前を6月9日と推定して処理したのです。 しかし、今年は、新梢の展葉枚数が10枚をジベレリン処理の一つの目安になするという情報があったので、それを参考に、小さな葉も展葉していれば1枚と数えて、多くの新梢の葉が10枚が開いたと思われる時点で処理をしています。 ので、昨年の展葉枚数は分かりません。 とりあえず。展葉枚数が10枚の時点で処理すればタネ無し化ができるということが分かったので、来年も同じ方法でやってみようと思っています。

⇒ ブドウ(その1) ジベレリン処理

⇒ ブドウ(その2) ジベレリン処理(その2)開花

 

ブドウ この時期の枝の切断

2023.5.9
豊平川に沿って連なる山々で新芽が吹いて新緑の美しい季節になっています。 それと時を合わせるように我が家のブドウの芽が膨らみ始めました。

ブドウの剪定時期は晩秋の落葉後と言われています。 その理由は、春夏に枝を切ると切り口から樹液が出るからです。 それは樹勢を弱めることを意味します。 それで我家で育ているブドウ(品種;バッファロー、デラウェア)も毎年葉が落ちる11月に入ってから剪定しています。

しかし、本当にそうなのか?と思って、この時期(5月6日)に枝を切ってみました。 そうすると、一昨年伸びた少し太めの枝も昨年伸びた少し細めの枝も、それらを切ったとたん、その切り口は樹液で丸く膨らみ、そしてぽたぽたと樹液が滴り落ち始めました。
2023.5.9
写真は枝を切断した5月6日から3日後の5月9日に撮ったものです。 切り口から大きな水滴(樹液)2つがもうすぐ垂れ落ちそうに膨らんでいます。
2023.5.12
これは枝を切断してから6日後のものです。 まだ切り口に水滴(樹液)はありますが、ほとんど落ちなくなったようです。ブドウの枝をこの時期切断すると、樹液が1週間近く落ち続けるようです。
2016.5.8
この写真は、北大植物園の北方民族植物標本園で見つけたコクワ(サルナシ)で、アーチ状のトレリスに絡まっています。 5月上旬のちょうどこの時期に枝が切られて、樹液が雫のように垂れ下がっています。

ブドウやコクワ、フジなどつる性樹木の剪定時期について、参考図書では本州でも北海道でも落葉後に行うことになっています。 その理由は枝を切ると樹液が出て樹勢を弱めるからです。

それではなぜつる性樹木はこの時期に剪定すると樹液が滴り落ちるのでしょうか? 逆に言うと、30m以上になる針葉樹や高性落葉樹はなぜこの時期に剪定しても樹液が出ない?出にくい?のでしょうか?

高性樹木は自分の大きな体を支えるために、また、台風など強風に耐えるために幹枝を頑丈につくっておく必要があります。 細胞レベルで見ると植物特有の細胞壁(動物には細胞壁はない)を頑丈につくっておく必要があります。

「細胞壁リグニンの分子構造を変える新しい方法を開発」のページを参照

上図は4つの細胞を拡大したものです。水色の部分がそれぞれの細胞で、黒色と茶色の部分が細胞壁です。 黒色が一次壁で茶色が二次壁です。
植物の細胞壁は,細胞分裂時に細胞膜の周囲に構築され る一次細胞壁と細胞成長終了時に一次細胞壁の内側に構築される二次細胞壁に分類されます。 上図の茶色の部分の二次壁にはセルロースとリグニンが生成されます。 この細胞壁は鉄筋とコンクリートの関係に例えられ、コンクリートに該当するのがリグニンと呼ばれる高分子で、鉄筋に該当するのがセルロースで、この鉄筋コンクリート構造が巨大な樹木の重量を支えているのです。

一方、つる性樹木はつるを伸ばして他の樹木の枝に巻き付いたり、若しくは持たれかかったりして自分の重さを支えてもらっています。 つる性樹木は頑丈な細胞壁を他の樹木に比べて厚くつくる必要がないのです。高性樹木は光合成でつくったデンプンを細胞壁に多くを費やしていますが、別の言い方をすると、多くのエネルギーを細胞壁の生成に費やしているのですが、つる性樹木はその必要性がないのです。

このことは、つる性樹木の枝の断面積に占める水の通る面積の割合が大きいのではないか? 導管(根で吸い上げた水を樹上の葉まで通す管)の面積の割合ではなく、その内側にある細胞壁の内側を通る水の断面積の割合が大きいのではないか? と思えるのですがどうでしょうか?
なので、上述のブドウのように、枝を切ったとたん枝の切断面から水がにじみ出し水滴をつくり滴り落ちるのです。

 

 

 

ブドウ  剪定

2012.11.8
昨年は11月末まで葉は残っていたのですが、今年は11月10日前にほとんどの葉を落としてしまいました。
ブドウの剪定は落葉後と言われていますが、少し早いですがやってしまいました。
ブドウの落葉後剪定の理由は主に2つあります。 一つは、葉が残っていると剪定する枝が分かりずらいこと、2つ目は、切り口から樹液が出ない時期という理由です。 特に後者は大事で、リンゴやナシと同じように春先に剪定すると切り口から樹液が滴り落ちて止まらなくなります。 これは樹勢を弱める原因となります。
しかし、夏場ツルが伸びて葉が大きくなると、不要な枝を剪定したくなります。その場合、当年枝(今年伸びた枝)を剪定しても切り口から水がでることはありません。 ご安心を!!
2022.11.8
とりあえず、剪定しました。昨秋とあまり変わらない木姿です。
品種 左;バッファロー 右;デラウェア
2022.22.8    品種;バッファロー
赤い文字; 今夏伸びた枝、昨夏伸びた枝
緑の丸印; 昨年伸びた枝を剪定した個所。 この先に昨夏伸びた枝があった。その枝の葉腋から今夏、新梢が伸びた。 その新梢の基部から3~4節の葉腋にブドウの花・房をつけた。
緑の横棒線; 昨夏伸びた枝で、この枝の葉腋から新梢が伸び、その新梢の基部から3~4節の葉腋にブドウの花・房をつけた。
黄色の点; 黄色い点は来年伸びる枝となる芽の部分。 この部分から来年新梢が伸び、その新梢基部3~4節に花・房をつける。 黄色い点の部分は、おそらく新梢それぞれすべてに3花(3房)咲くと思うので、すべて咲かせる(実を生らせる)と、
① 葉が混み過ぎぎること
・葉が重なることで光合成の効率が落ちること
・葉が込み合うことで病虫害の発生原因になりやすこと
② この果樹に負担になる(来年実が穫れなくなる)こと
③甘いブドウが穫れない可能性があること、
上記3つの理由で、新芽が2~3枚開いたら、半分くらい芽かき(芽を取り除くこと)をしようと思っています。