ススキとオギとヨシ  その違い  

今の世の中で、俗世間の煩わしいことから一時的に離れて、ススキと団子を供えてお月見をする人などほとんどいないと思いますが、ススキは神様を呼ぶ依り代(よりしろ;精霊がよりつく場所やモノのこと)と考えられていて、本来の依り代は稲穂なのですが、昔は9月中旬の時期には稲穂は無かったので、形状が似ているすすきが使われるようになったのだそうです。
今年の中秋の名月は9月10日で、20日以上前ですが、豊平川の河川敷にはススキの穂が風にそよいでいます。
2022.9.28
豊平川の河川敷に生えているススキ

似たもの同士の違い(ススキとオギとヨシ)
ススキとオギは葉の形状や穂を見ただけではその区別はなかなか難しいのですが、ススキは上の写真のように株立状になり、オギは地下茎を伸ばして大きな群落ををつくります。
2022.9.22
写真で白っぽく見えるのがオギ。 群落を形成しています。 場所は南22条大橋下流右岸(南19条大 橋と南22条大橋の間で、豊平区側の河川敷) 写真奥に見える橋は南22条大橋

<ススキとオギの見分け方>

2022.9.22  左:ススキ、右;オギ
写真はススキとオギの果実(小穂;しょうすい)

違いを見分けるポイントは、
左の写真の穂の先からぐにゃっと曲がった細い細い針金のようなもの(ノギ;芒)が出ているのが見えますか? これがあるのがススキ、無いのがオギです。
写真をクリックして拡大してみると分りやすいです。
<ヨシ>
豊平川では、ススキとオギは河川の高水敷(サイクリングロードや芝生地のところ)に生えていますが、ヨシは河道(低水路)に生えています。
2022.9.28
豊平川の河道(低水路)に生えているヨシの群落 場所は幌平橋下流右岸(幌平橋と南9条大橋の間、豊平区側)
2022.9.28
葉は2列に互生し(風向きによっては片側に寄ったいわゆる片葉のヨシになる)大形で細長い皮針形で、長さ50cm、幅4cm程度、先端は次第に細く尖っている。花序は多数の小穂からなり、初めは紫色であるが、後に紫褐色になる。
(牧野新植物図鑑)
ヨシの特徴は、ススキやオギと違って、幅広の葉が穂の近くまで交互に、茎に対して直角に出ています。