エゾシロチョウ  ボケ   

2016.5.17
我家の近くにあるショッピングセンターの植込みのボケ。 ボケの株の上部に花が咲いていません。 その原因はエゾシロチョウが花芽と新芽を食い荒らしたからです。 2016.5.17
写真の白い糸の塊はエゾシロチョウの幼虫が越冬していた巣で、エゾシロチョウはそこから出てきて、ボケの新芽をたらふく食べて大きくなって、今ちょうど休憩しているところでしょうか?
 
2018.5.27
上の写真は2016年、この2枚の写真は2018年と上下で年度に違いはありますが、5月下旬になると幼虫から蛹に変態する時期のようです。
2018.5.27
写真中央に薄黄色の小さな卵のようなものの塊が見えます。
当初、これはエゾシロチョウの卵ではないか?と思ったのですが、エゾシロチョウは幼虫で越冬するので、この塊はその卵ではないらしいのです。
それで、調べてみると、
この卵ようなものはアオムシコマユバチというハチの蛹らしいのです。 つまり、このハチの成虫がエゾシロチョウの幼虫に卵を産み付けて、その卵はエゾシロチョウの体の中で幼虫になり、体内の養分を食って成長し、その体内から出てきて蛹になるらしいのです。 それが薄黄色の塊なのです。 2018.6.22
そして、6月下旬近くになると、エゾシロチョウの蛹、黒くなった蛹がボケの枝に数珠のようにつながって並んでいます。 この黒い蛹はチョウに羽化しきれなかったもののようです。 ハチの幼虫に体内を食い荒らされたエゾシロチョウの幼虫はかろうじて蛹になったものの、羽化までには至らなかったのでしょう。
写真上部に長い触覚を持った小さなハチが見えます。 これが黄色い塊からので羽化した アオムシコマユバチの成虫なのでしょうか? 2019.5.30
エゾシロチョウが蛹から羽化してようとしてます。 その左横には羽化したばかりの成虫も見えます。 黒っぽい蛹は、ハチに卵を産み付けられて羽化しきれない、おそらくすでに死んでしまっているものなのでしょう。 2019.5.30
写真中央と右側のエゾシロチョウは2匹が上下に重なっています。 交尾をしているところのようです。 手で触れても全く動きません。 周りのボケの枝を見るとあちこちで交尾をしているエゾシロチョウがいます。 それにしても蛹から成虫になって、その直後に交尾とは!!。 すこし辺りを飛び回ってみたらと思ってしまいます。 人間の目から見ると、なんと急ぎ足の人生?虫生であることか。

アオムシコマユバチのように、ハチの生涯(生活史)の中で他の動物や植物に寄生して生活する部分を持つハチを寄生バチというそうです。

〇 エゾシロチョウ
加害樹種 : サクラ、エゾノコリンゴ、サンザシなどバラ科樹木
特徴   : 幼虫は体長最大40mm。 体一面に細い白毛が密生し。 背中は黒く、茶色の縞が2本ある。
生態   : 年1回発生。幼虫で越冬で、芽吹きとともに活動を再開し、枝上に糸を張り巡らせ、食樹の新芽や若葉を集団で食い荒らす。 毒毛はない。 市街地や公園でときどき多発する。
防除   : 幼虫は葉を糸で枝に結びつけて越冬するので、冬季に枝上お枝葉を除去する。
(北海道 樹木の病害・虫害・獣害)

< 追記 >
エゾシロチョウに新芽を食い荒らされたボケは今後どうなるでしょうか? 心配はいりません。 再度新芽出して、夏場には葉で被われ、普通?の株になります。 しかし、今春見たときは、ほとんど花は咲いていませんでした。