ヒョウタンボク(その2):冬芽

「やっと落ち着きましたね。」
「そうですね。やっと(長くて厳しい)冬も終わりましたね」
と、この時期、こんな会話を近所の方と交わします。
それは、一冬の間に積もりに積もった雪の存在とそれから発生する日常生活の様々な不便さから開放されることを意味します。
冬場は、朝起きると先ず窓のカーテンを開けて、近所の屋根の雪の積もり具合を確認します。積もっていれば、除雪車でかき分けられた玄関及びガレージ前の雪を“ママさんダンプ”で取り除かなければればなりません。雪の量にもよりますが、20~30分かかります。雪の降った翌朝は、通勤時間も余計にかかります。また、道路幅も狭くなっているので、運転には気を使います。少し気温が上がると、道路の圧雪された雪が解けてツルツルになり、車の運転にはそれ以上に気を使います。
そんな、雪が原因の不便さ、4ヶ月に渡る日々繰り返される日常の不便さから解放される気持ちが、近所の方との会話になって出てくるのです。
今回はヒョウタンボク(キンギンボク)の冬芽です。あまりなじみがないので、とりあえず開花期の写真を載せました。
035 ヒョウタンボク2012.6.10
ヒョウタンボクの葉を指で摘まむと、その表裏にある細かい毛で指先の腹(指紋のあるところ)にふわぁと柔らかい感触が伝わります。これは、葉に軟毛が密生しているためです。それと同じように、小枝と冬芽にも毛が密生しています。
020 ヒョウタンボク(ギンギンボク)2011.4.9
大きさは2~3mmと小さく目立たない冬芽です。この写真は4月中旬に撮っているので、少し芽が膨らみ始めているようです。
005 ヒョウタンボク2012.12.7

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ヒョウタンボク(キンギンボク)

今年は4月中旬に入っても札幌は寒いです。まだ、シベリアからの寒気が定期的に入ってきて、薄ら寒い日が続いて春らしい陽気の日がほとんどありません。例年なら自転車で街中を走り回るの時期なのですが、今年はそのような気分になりません。寒いのです。
しかし、樹木を観察すると、エゾニワトコのつぼみが膨らんで葉を開けかけようとしています。ヤナギの白い花序も大きくなっています。ほとんどの樹木のつぼみが膨らんできています。もう少しの辛抱です。春はそこまでやって来ています。
今日は、ヒョウタンボクです。公園にも自然林でもほとんど見かけない樹木です。稀に庭木として植えられています。
1-021 ヒョウタンボク2011.4.9
今頃のヒョウタンボクの樹姿です。樹高は3m強 豊平公園 白い樹肌はシラカバ
一昨年の4月10日前後にはこのように雪は全くなかったのですね。今年は、公園はおろか道路にもまだ雪が残っています。昨年は、夏から秋にかけての異常な暑さ、11月の異常な雨の多さ、12月から3月中旬まで間断なく降り続いた大雪、そして4月の寒さ、どうも気象そのものが変わって来ているようです。異常が異常でなくなっているかもしれません。話が逸れてしまいました。ヒョウタンボクに戻します。
1-020 ヒョウタンボク(ギンギンボク)2011.4.9
冬芽は5mm弱と小さいです。葉のつき方は対生で、小枝には毛が生えています
1-025 ヒョウタンボク2011.4.29
4月下旬に新葉が展開。ヒョウタンボクの葉は表裏共に軟毛が生えており、触るとふわぁとする感じです。
1-039 ヒョウタンボク2011.6.4
5月下旬から咲き出すのでしょうか?気づくのは6月に入ってからです。葉の基部に花芽ができて次々に咲き続けるために、開花期間は5月下旬~7月と相当長いようです。
1-035 ヒョウタンボク2011.6.10
この花の特徴は、咲き始めの花色は白なのですが、次第に黄色味を増していきます。ヒョウタンボクをキンギンボクとも言います。その名前の由来は、白い花と黄色い花が混じって咲くので、白色を銀に黄色を金に見立てて、金銀木というのだそうです。
1-012 ヒョウタンボク  プラタナス通?2011.6.24
これは、個人のお庭で見つけたヒョウタンボクです。樹高は4mくらいでしょうか
1-062 ヒョウタンボク2012.7.21
そして、7月中旬には赤い実をつけます。
1-061 ヒョウタンボク2012.7.21
赤い実を葉の基部に1対づつ付けます。直径6~7mmの球形の果実を2個並んでつき、くっついています。この2つくっついた実の形から瓢箪木(ひょうたんぼく)というのだそうです。確かに瓢箪にみえます。
樹木を観察していて、果実が生っていると、とりあえずかじってみます。体感としてその果実の印象を残すためです。このヒョウタンボクの実も食べてみました。毒があるとは知りませんでした。味は甘苦い感じで、言い方をかえると気持ち悪い味です。かじっただけですので、吐き気や嘔吐などウェブサイトに書かれているような体の変調はなかったです。
「世界の植物」(朝日新聞社編)に
「どの本をみてもヒョウタンボクの実は有毒とされている。劇毒と書かれているものさえあるが、それにしてもドクウツギのような中毒事件は耳にしたことがない。」とあるので、毒草大百科増補版(奥井真司著)で調べてみました。この本は身近な?有毒植物100種以上を詳細に解説・紹介しているのですが、ここにヒョウタンボクがないのです。毒の成分は解ってないようなので、この本には紹介できなかったのでしょうか?それとも書かれているほどに有毒でないのかもしれません。
名前の由来
上述のとおり。
Data
・科名 スイカズラ科
・属名 スイカズラ属
・学名 Lonicera morrowi
・花期 5月下旬~7月
・分布 北海道、本州、四国

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