アザレア 豊平公園緑のセンター

地下鉄豊平公園駅の1番出口の階段を登りきると目に入るものは雪に覆われた建物と道路。辺りは白一色。この時期の札幌ではありきたりの冬景色です。1分程歩くと豊平公園緑のセンター入口です。緑のセンター展示温室に入ると、今までの真っ白な世界から突然ピンクの塊が目に飛び込んできます。そのボリュームに一瞬はっとするというか、思いもよらない暖かい色合い?明るさ?に出会うのです。
2023.1.31
写真左側の紫紅色の花はヒラドツツジの仲間で、手前は紫宸殿 奥がオオムラサキツツジ。オオムラサキツツジは屋外でも越冬して、札幌中心部のビルディングの外構植栽で見かけます。右側奥の一団はアザレア。 アザレア品種 “浜の粧” など多数展示。

1月31日~2月12日まで当緑のセンターでアザレアが展示されています。
展示されているアザレアの鉢数は約130個で、大きいものは10号鉢(鉢の天端の直径が30cm、1号=3cm)で株高は1m~1.5m、小さいものは5号鉢。 2023.1.31
このアザレアの見頃は展示期間の2週間ほどなのですが、その後、このアザレアは来年の今頃まで残りの49週間をどのように管理されているのでしょうか?
アザレは札幌では屋外で越冬出来ないのでビニール温室に移されます。同温室の設定温度は最低気温が5℃を下回らいない程度のようです。大きい株の剪定は温室に移動後に行われ、1ヵ月もすると新しい芽が出てきてます。それが春から夏にかけて10~20cm?ほど成長し、その枝先に花芽をつくります。
毎年3月中旬~5月上旬にかけて鉢替え若しくは鉢増し(鉢を一回り大きいものに植え替える)をします。10号鉢のように大きいものは2年に1回、小さいものは毎年植え替えます。
5月に入り暖かくなってきてから温室から屋外に搬出して管理します。春から夏の成長する期間は十分な水やりと肥培管理を行います。 11月に入ると再び温室に搬入
します。
札幌の一般家庭でアザレアを毎年花を咲かせるには、花が終わった後春までアザレアが寒さで凍らない程度の部屋で管理できるかどうかが重要になります。 それをそのまま暖房も効いた暖かい部屋に置いておくと、軟弱な新梢が細長く伸びてきます。その枝に花芽ができる可能性はありますが、樹形は乱れて、購入時のようなコンパクトな樹姿は望めません。
2023.1.31
アザレアは19世紀初頭に、ベルギーを中心としたヨーロッパで、室内観賞用の鉢物として改良された常緑性ツツジの総称です。交配親となったヤマツツジの仲間は、中国、台湾、日本、ベトナムやフィリピンなどに約95種が分布しています。日本国内には、サツキRhododendron indicum)やヤマツツジ(R. kaempferi)、モチツツジ(R.macrosepalum)など観賞価値の高い15種ほどが自生しており、江戸時代から品種改良が盛んに行われ、サツキ、クルメツツジ、江戸キリシマなど、数多くの園芸品種群が作出されました。これらのうち、ケラマツツジ(R.scabrum)、サツキ、大紫、白琉球などと、中国から導入されたタイワンヤマツツジ(R.simsii)が、江戸末期から明治時代にイギリスに渡って、オランダを中心に大規模な交配がなされ、現在のアザレアが誕生しました。(NHKみんなの趣味の園芸)