宿根草花壇  百合が原公園(その2)

2022.8.4
8月上旬の宿根草花壇(ブナの高生垣内)
8月に入ると、宿根草の草丈も高くなって、花壇全体にボリューム感が出てきました。 宿根草(その1;7月10日)では、エキナセアは2~3輪の咲き始めだったのですが、今回見ると満開になっています。 新たに、ギボウシやフロックスが最盛期を迎えています。
2022.8.4
ここのギボウシは、草丈が50~60cm、花色は薄紫。種類は判りません。

⇒ ギボウシ

2022.8.4
エキナセア  プルプレア
エキナセアの花の特徴は、他のキク科の花と違って、花の中心部がこんもりと丸く大きく盛り上がって(筒状花)、その回りに花弁(舌状花)をつけます。 そして、花弁が開き切ると外側に反り返るとうか、下向きに垂れ下がります。 ルドベキアにエキナセアと似たような咲き方をする種類や品種もありますが、それは花弁が黄色なので区別が付きます。
帰化植物でオオハンゴンソウ(黄花、ルドベキア属)もこの手の咲き方をする草種ですが、日本の生態系に影響を及ぼすということで特定外来生物に指定されています。 なので、許可なく栽培・保管・運搬・輸入・譲渡を行うことは禁止されている植物です。
2022.8.4
フロックスの仲間は67種が知られて、草丈1mを超えるものから、岩場に張りついてクッション状に育つもの、常緑、落葉、一年草、多年草と、非常に変化に富んで、花が美しいので観賞植物として多くの種が栽培されています。
シベリアに1種が分布するほかは、残りすべてが北アメリカに分布しています。種によって栽培環境が大きく異なり、それに合わせた管理をする必要があります。①パニキュラタ種(Phlox paniculata) は日なたから半日陰の肥沃な場所、②ストロ二フェラ種(P. stolonifera) は半日陰で乾かさないように、③スブラタ種(P. subulata) は日なたで過湿にならないように斜面やロックガーデンに植えるとよく育ちます。④ドゥラモンディ種(P. drummondii)は、日当たりと水はけのよい花壇に適します。
(NHKみんなの趣味の園芸)

①パニキュラタ種  ;別名 クサキョウチクトウ、オイランソウ
北アメリカ(ニューヨーク、ジョージアなど)に分布。草丈は60~120cm。  本種は北アメリカ代表す園芸植物といわれ、多くの園芸品種がある。
②ストロニフェラi種;北アメリカ東部(ペンシルベニア、オハイオ等)に分布ぅる高さ30cmくらいの多年草
③スブラタ種   ;シバザクラ
④ドラモンディ種 ;アメリカのテキサス州に分布する1年草。

フロックスにはいろんな種類があるようですが、写真のものは、上述の①~④の中から フロックス  パニキュラタのようです。 フロックスといえばこの種を指すようで、個人の庭で見かけます。
2022.8.14
花色はピンクを中心に白から紫まであり、白とピンクの2色の縞模様のものもあります。 豪華で鮮やかなので夏花壇に取り入れたい種類です。
余計な話ですが、ラテン語の読み方は植物図鑑によって違うのですが、私はこの種をフロックス  パニキュラータと覚えていたので、パニキュラタといわれると、少々違和感を覚えます。

シバザクラがフロックスの仲間(同属)だとは知りませんでした。確かに花の大きさは違いますが、思い浮かべると、その形状はよく似ていそうです。
2022.8.4
ベルノニア  ファスキクラタ
ベルノニア(Vernonia)は属名で、ファスキクラタ(fasciculata)が種小名
ベルノニア、初めて聞く名前(属名)です。
初めてこの花を見を見たとき、秋の七草の1つ、フジバカマの仲間(ユーパトリウム属;Eupatorium属)、外国産のものかと思いつつ、それにしては葉の細長い形状が違うなと思って見ていました。 名札が見つからなかったので、百合が原公園の方に教えてもらいました。

キク科。本属の植物には、多年草、亜低木、低木、小高木、つる性木本などが含まれ、南北アメリカ、アフリカ、アジア、オーストラリアの暖帯から熱帯に500〜1000種が知られている。日本には九州にヤンバルヒゴダイ1種が自生。(園芸植物大辞典)

2022.8.4                                                   2022.8.14
ベルノニア  ファスキクラタ
北アメリカのオハイオ〜ケンタッキー、ノースダコタ、サウスダコタ、テキサス南部に分布し、高さ60〜150cmになる。 葉は長さ7~15cm、長楕円形、尖頭で、葉脈があまりはっきりしない。頭花は集散花序に多く集まるが、各花序分枝に20〜30個ずつつく。(園芸植物大辞典)

写真右のベルノニア  ファスキクラタは草丈2mを越す(そのため、草が倒れないように下の方で3か所ほど紐で括りつけてあります)。
このベルノニア  ファスキクラタは暖地性植物のようですが、札幌で越冬するようです。

 

宿根草花壇 百合が原公園(その1)

先日、百合が原公園の園路を歩いていると、そよ風に乗っていい香りが漂ってきました。シナノキとすぐわかる甘酸っぱいようない良い匂いです。 7月上旬はシナノキやオオバボダイジュの花が満開をになる時期です。
2022.7.7
百合が原公園、園路沿いのシナノキの大木
シナノキ ⇒ 甘酸っぱい香り

<宿根草花壇;ボーダー花壇>
2022.7.7
園路沿いに植栽されているバラ(シュラブ ローズ)の先にブナの高生垣

百合が原公園緑のセンター(大温室)の裏側(東側)にロックガーデンがあります。 その東側に、縦10m✕横50m、高さ4m程の長方形をしたブナの高生垣があり、その中に写真のボーダー花壇(帯状の細長い花壇のこと)が設けられ、外国産の宿根草が45種程植えられています。写真には写っていませんが、芝生地の中央付近にベンチが2つ設置されていて、じっくりと鑑賞できるようになっています。 このボーダー花壇は6月下旬から8月にかけてが見ごろです。

2022.7.3

2022,7,3
アスチルベ
日本にはチダケサシやアワモリショウマが自生していて、それらをもとに主にヨーロッパで改良育種されたのがアスチルベのようです。 個人の庭でもたまに見かけます。アスチルベは、そんなに大きくならずにコンパクトな草姿が魅力的なので、集団で植えるより、単独の方がその草姿が引き立ちます。
2022.7.3
ペンステモン ジキタリス
ゴマノハグサ科、ペンステモン属(イワブクロ属)。主として北アメリカに分布する多年草または低木で、約250種あり、うち1種イワブクロが本州、北海道を含む東北アジアに自生する。園芸品種は1年草として種子っ増殖されるが、他はすべて多年草で、なかには耐寒性のないものもある。(園芸植物大辞典)
※1;近年の遺伝子解析による分類(APGⅢ)では、ペンステモン属はオオバコ科ツリガネヤナギ属
※2;上文に「なかには耐寒性のないものもある」とあるが、これは関東以西の話で、札幌では「耐寒性のあるものもある」が適当のように思われる

ペンステモン属の花の形態は、下の花弁が上の花弁より大きく、うけぐちを連想させる花です(花冠は管状で先が2唇形となる 園芸植物大辞典)。

百合が原公園にペンステモン属の花がもう1種植えられていました。
2022.7.7
ペンステモン バルバツス

2022,7,3
カンパニュラ ツラケリウム
カンパニュラ属(キキョウ科ホタルブクロ属)は、北半球の主として温帯から亜寒帯にかけて約250種が分布し、とくに西アジアから地中海沿岸地方に多い。ヨーロッパには多くの種が分布し、古くから栽培されていて重要な花卉となっている。多くの種は夏に冷涼乾燥する気候を好み、高温多湿の日本では栽培しにくいものが多い。(園芸植物大辞典)
カンパニュラ属は、上文にあるように、関東以西では栽培し難いものが多いようですが、札幌では6~7月にかけて、キキョウをはじめ多くのカンパニュラ属の花を見ることができます。しかし、カンパニュラ属であることは分るのですが、残何ながら、正確な名前(種)を判別することができないものが多いのです。 写真のカンパニュラ ツラケリウムも、個人の庭に植えられているかも知れません。
2022,7,3
フロミス ルッセリアナ
シソ科フロミス属。地中海沿岸から中央アジアにかけての乾燥気候下に種類が多く、約60種が知られている。(園芸植物大辞典)
初めてみました。この花の特徴は、クリンソウのように花を輪生につけ段状に咲かせることです。

2022.7.3
アリウム セルヌウム
ユリ科アリウム属(ネギ属)。本属の植物は全体で400種近くあり、北半球に分布している。地下茎をもつか、鱗茎をつくり、線形、円柱状または幅広い扁平な葉を根出する。(園芸植物大辞典)
アリウムはラテン語でにんにくを意味します。身近な野菜ではタマネギ、ネギ、ニンニク、ラッキョウ、札幌の家庭菜園で見られるアサツキやギョウジャニンニクもこのアリウム属(ネギ属)の仲間です。
写真のアリウム セルヌウムは北アメリカの原産。この種のおもしろいところは、タマネギにしろギョウジャニンニクにしろアリウム属の花は、小さな花を多数つけて球形状になるのですが、この種は垂れ下がって咲くことです。

2022.7.3
サルビア ネモロサ
シソ科サルビア属。温帯、熱帯を通じて500種以上が広く分布しているといわれ、とくに地中海沿岸、およびメキシコが多い。多くは半耐寒性の一年草または多年草で、ときに亜低木、低木になる。(園芸植物大辞典)
サルビア ネモロサは、同大辞典には記載がなく、ネットで調べると、
中部ヨーロッパ、西アジア原産のシソ科サルビア属(アキギリ属)の宿根草サルビア と書かれています
サルビアと言えば公園の花壇や街路樹の下に植えられているあの真っ赤な花を咲かせるサルビアですが、正式名(学名)は、サルビア  スプレンデンスで、南アメリカ原産の熱帯性サルビのようです。