ヤマウルシ(その2):冬芽

ヤマウルシ:冬芽
1-018 ヤマウルシ2011.12.27
頂芽は大きく、円錐形、裸芽で微妙に赤みを帯びた褐色の毛が密生している。
葉痕は三角形?ハート形?をしている。 その上部に小さな葉芽がみえる。 葉痕の外周部に不整形の維管束後が7~8個確認できる。
※ 上の写真の冬芽 (ヤマウルシ)は、樹木図鑑 “樹に咲く花” で調べると、“ウルシ”の冬芽に似ています。 北大植物園で撮っているので間違いはないと思うのですが、ちょっぴり自信がないです。 どうでしょうか?
1-007ヤマウルシ2014.12.27
ヤマウルシ  上2枚の写真(冬芽)は同じ種類とは思えないほど違います。 ヤマウルシの冬芽は形質に差が出やすいのでしょうかね?
以下は冬芽図鑑 “落葉広葉樹図譜”のヤマウルシに関する記述の全文です。 興味のある方は読んでください。
小枝は、帯褐灰色で、裂け目状の大きい皮目を多数散生する。 1年生枝はきわめて太く、径10mmにもなり、蜜に短軟毛がはえ、はじめは帯紅色をし、あとで淡灰褐色になる。 皮目は円形ないし、長楕円形で、大きく、多数ある。 葉痕はやや隆起し、大きく、長さ5~15mmあり、心形ないし三角形で、いくらか不規則な形である。 維管束痕は、線形ないし不規則形で、多数あり、5~10グループに分けられ、V字状に並ぶ。 髄は多角形で太い。ウルシ液溝は明らかであり、枝を切ると、液があふれ出る。

冬芽は、3/8ないし5/13のらせん生で、開出し、帯黄褐色の蜜軟細毛がはえ、鱗片を欠き、3~4枚の未開の葉が見える。1年生枝の基部には、葉痕が集まって、2年生枝との境界を示す。 頂芽は大きく、長さ3~10mmあり、卵形・球形ないし卵状楕円形である。 側芽は小さく、長さ3~7mmあり、球形で、下位のものほど小さい。 1年生枝の基部ふきんには、側芽の代わりに花軸痕がしばしば見られる。
<余談:かぶれる>
“かぶれ”おこす樹木としてで“ウルシ”は有名ですが、ウルシに含まれるウルシオールという成分がかぶれの原因です。 過敏な人は ウルシの下を通っただけでかぶれると言われています。この“ウルシ”とつく樹木に、北海道に生えている樹では、“ニワウルシ”、“ツタウルシ”、“ヤマウルシ”があります。 ニワウルシは“シンジュ”のことで、中国原産でニガキ科に属します。 名前の由来は、葉の形状がウルシに似ていることから来ているようで、ウルシとは全く関係なく、それを触ってかぶれることはありません。
一方、”ヤマウルシ”と“ツタウルシ”はウルシと同じウルシ科に属し、触ると ”かぶれ” の原因になります、そうなるといわれています。 というのは、 私は写真を撮るとときに、葉の感触を調べるために、枝から葉をちぎってその表面を触ります。 その後で、「今、触ったけれど、大丈夫かな?」 と思い出して、気休めに衣服で手で拭ったりするのです。 しかし、そのことはそっれきりで忘れてしまいます。そんなことを2~3回ほど経験したのですが、今まで一度も湿疹・かぶれをおこしたことがありません。 体質的なものでしょうが、もし、最も“かぶれ“を引き起こしやすいといわれている“ウルシ”が北海道に自生していたら、手足が膨れ上がっていたかも知れません。
<追記1> “かぶれ”が最も出やすいのは若葉の頃で、注意が必要とのこと。
<追記2> “ウルシ“:中国・インド原産で古い時代に渡来。

にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ
にほんブログ村

ヤマウルシ(その1)紅葉

 札幌は10月に入って最低気温が10℃を下回る日が多くなっています。15日(水)は6.0℃、16日は6.1℃まで下がっています。明日、19日(日)は5.0℃まで下がるようです。我家では、例年10月10日(昔の体育の日)頃から暖房するのですが、今年は12日でした。 朝晩の冷え込みが体に沁みこんで込んでくる時期になりました。 そして、この時期(紅葉が終わる頃)から、荒れ果てた家庭菜園の整理、庭や家の周りに雑然と放置された小物類の片付け、冬囲いなど長い冬への備えを始めます。
前回、17日のブログでハウチワカエデの紅葉を取り上げました。 今回は、ヤマウルシです。
1-009 ヤマウルシ2014.10.9
赤く紅葉しているのがヤマウルシです。 赤い樹が全てヤマウルシかどうか分かりませんが、ざっと見てそのようでした。山を削ってできたこの法面(崩れないようにオーチャードなど牧草類?やヨミギなどで法面保護されている)は、小鳥の休憩場所?に好都合だったのか、おそらく小鳥が近くの山に生えていたヤマウルシの実を食べて、休憩時に“ふん”を落として、その中に含まれていた種子が大きくなったものではないでしょうか?
1-006 ヤマウルシ2014.10.9
場所は、精進川沿いに整備されたパークゴルフ場の法面に生えています。 樹の大きさは1m~3、4mで、それほど大きくならないようです。 ヤマウルシはヌルデと同じように、道路沿いや郊外の住宅地外れの空き地、以前何かの理由で森林を伐採して一時 更地になったところなど、、果って一時裸地になったところにすばやく根を下ろす樹のようです。 南区の山沿いや郊外の道路沿いでは、ヤマウルシと同じように赤く紅葉するヌルデのほうが見る機会が多いです。
1-008 ヤマウルシ2014.10.9
それで、ヤマウルシとヌルデについて調べてみると、この2種は同じウルシ科ウルシ属(Rhus属)で、 ・赤く紅葉すること、 ・種子の形状・形態が似ていること、 ・小さい花が円錐状に咲くこと、裸地にすばやく根をおろすことなど、その性質が同じようで、似たもの同士(近縁種)のです。
1-005 ヤマウルシ2011.10.23
ヤマウルシの種子。 ヌルデとほとんど同じです。(追記:写真はヌルデのようです。よく見ると葉軸に翼がついています。間違ってました。)
1-116 ヤマウルシ2010.9.11
これがヤマウルシの果実です。大きさはヌルデより大きいようです  ヌルデ:約4mm ヤマウルシ:約6mm
1-052 ヤマウルシ2011.10.7
北大植物園のヤマウルシ

にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ
にほんブログ村