リコリス 彼岸花 百合が原公園

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私の生まれ故郷は福井県若狭地方の小さな古い町で、私が住んでいた家の周りにはたくさんのお寺がありました。  小学校へ通うのに通学路ではなくお寺の敷地だけを通って小学校に行けるくらい小さなお寺が数珠つなぎに並んでいました。 そんな街なので、小さい頃の遊び場といえば、お寺の境内やその横の広場でボール遊びのなどをしたものです。 墓場がかくれんぼなどの遊び場で、秋が深まる前の10月?にヒガンバナ(彼岸花)が咲いていたのを覚えています。 写真で見るような真っ赤な花が群生して咲く人目を引くような咲き方ではなく、お墓の傍らに葉のない花茎だけをすっーと伸ばして数輪の花を咲かせる姿は、今思えば普段見慣れている草花とは少し違う不自然さはあるですが、夏が終わり本格的な秋を迎えて辺りに花が少なくなってきている時期に、妖艶さを感じさせる? あの朱赤は目を引き付けるものがありました。

<リコリス属について>
最新園芸大辞典では、「日本及び中国に10種余り、そのうち、日本には5種自生または半自生」、
パソコンで調べると、「リコリス類は本州、四国、九州、南西諸島から台湾と中国からミャンマーにかけて、20種類くらいの原種が分布」とあります。
リコリスは属名で、上述のヒガンバナ(彼岸花)も同じリコリス属(ヒガンバナ属)の一つで、学名はLycoris.radiata(リコリス ラディアータ)です。
百合が原公園温室に展示されているリコリスは、欧米や日本などで作出された品種です。 元々、ヒガンバナはお墓に咲いている花というイメージがあって、日本ではあまり受けが良くなかったのですが、欧米で新しい品種が作出されることで花色も豊富になり、日本でも改めてリコリス属が見直されているようです。
2023.9.7
百合が原公園の温室に展示されているリコリス。 草丈(花梗)は60~70cm、
リコリスは耐寒性がないため、札幌では屋外では越冬しません。 展示のリコリスも花が終わると球根が枯死しない程度の温度の低い温室で冬を越します。2023.9.7
花色は朱赤、ピンク、黄、白と豊富です。 細長い花弁を6枚持つ,強いて言うならユリに似た花を1本の花梗から数個~10個程咲かせます。2021.10.30
写真のリコリスは年度は違い2年前のものですが、同じ百合が原公園温室で咲いていました。 10月末なので遅咲きタイプなのでしょう。 もう一つ違う点があります。 地際から葉が叢生しています。 園芸植物大辞典によると、
「葉の出現は、開花と同時または直後の秋期出葉型と、翌年の早春になる春期出葉型に分かれる。」 上の写真のリコリスは前者のタイプで、一番上の写真のリコリスは葉がないので、コルチカムと同じ春期出葉型のようです。

2017.8.27
ナツズイセン  北大植物園
ナツズイセンもリコリス属です。 薄桃色が新鮮です。 開花期に葉が出ていないので、春期出葉型のようです。
また、この写真のナツズイセンは北大植物園の屋外で育っているものを撮っているので、札幌で越冬するようです。