コンフリー  奇跡の草

今から30年以上前の、昔働いていた職場での話。
「コンフリーは栄養価が高いし、これを庭に植えておけば、てんぷらなどにして食べるられるよ」
と教えてもらったことを覚えています。

今年5月上旬に道立衛生研究所で毎年開催される春の山菜展に行ってきました。 同研究所には薬用植物が展示栽培されていて、その植物を実際に見ながら、職員の方から、花の形状がよく似ているニリンソウとイチゲ類の違いなど食べられるものとそうでないものの見分け方や毒草の見分け方などを教えてもらえるのです。
その展示栽培コーナーにコンフリーらしき植物があったのですが、私はそれを毒草などの類の植物とは思っていなかったので、どうしてこの場所に植えてあるのか?不思議に思って、
「これはコンフリーではないですか? 以前は栄養価の高い、食べられる植物と思っていたのですが・・・・・」と尋ねると、
「はい、そうなんです。 以前はそうだったんですが、この植物を食べると肝機能障害が起こることが分かって、国の方でも今はコンフリー及びコンフリーを含む食品を販売することを禁止しています。 庭に植えてあるものでも食べない方がいいことになっています。」
と説明してくださいました。
今から30年くらい前、この植物が健康食品としてブームになっていたことを思い出すと、ずいぶん様変わりしたものだと改めて思いました。

そんないわくつきのコーンフリーが6月の中旬から郊外の道端や空き地、畑などで見かけるようになります。

2011.6.19
札幌市東区にある農業体験交流施 “ さとらんど ”  のハーブ園に植えられているコンフリー。 草丈は1.5m弱。 薄紫の花を垂れるように咲かせます。 ムラサキ科ヒレハリソウ属
2018.6.19
日本には1958年(昭和33年)に移入され、家畜の餌などに利用されていたようで、写真に見られるように、郊外の畑地の一角に生えているのを時折見かけます。
また、この植物は以前個人の庭や畑に植えられていたものが、現在では道端や空き地などで普通に見かけるので、十分に野生化・雑草化しています。
2018.6.11
ヒレハリソウ。 一番よく見かける花色は紫で、そのほかに薄桃色、白色、帯黄色などがあるようです。 背の低い矮性種も見かけます。

<奇跡の草>
仏語のコンフィエリーからきたもので、病気を治すという意味であり、タンパク質、各種ビタミン、カルシュウム、アライトン(抑ガン物質)などバランスよく含んだ栄養価の高い植物である。 特に、赤いビタミンといわれ、貧血、糖尿疾患、神経炎、視力聴力の衰え、肝疾患、便秘などの体を正常に戻すのに効果があるといわれるB12を含む貴重な野菜として有名である。奇跡の野菜といわれる由縁もこのあたりからきているのであろう。(園芸植物大辞典)