ツリバナ 胴枯病(その2) 

2019.6.30
写真のツリバナは道立真駒内公園内の五輪通北側にある少年野球場そばの園路沿い植えられています。

大きさは、高さ:2.5m~3.0m強、幹径:10弱cm~15cm弱で、全部で16~17本植えられています。 少年野球場が造成された時期を昭和50年代前半として、その時期に植えられたとすると、樹齢は50年ほどになります。

このツリバナに胴枯病の症状が見られます。 中央ちょっと左側部分に葉が抜けている箇所があります。 その部分は胴枯病で枯れてしまったのです。 そして、この枯損木の両側の樹木にも病気が移っています。 そのほかのツリバナにも細い枝を中心に胴枯病が拡がっています。
南区真駒内泉町にあるエドウィン・ダン記念公園のツリバナが胴枯病で枯れてしまったように、ここのツリバナも今後2~3年で全枯れしてしまうのでしょう。
⇒ ツリバナ  胴枯病


2019.6.30                                                            2017.6.26
エドウィン・ダン記念館前のツリバナ。
写真右は2年前の健全時に撮ったもの。 写真左は胴枯病に罹って上部枝葉が切除されたもの。

4本ある幹すべてに胴枯病が見られます。 まだ樹冠に葉が残っているのは、胴枯病が幹全周に回っていなくて、幹の一部が生きているからのようです。 発病後3年で完全に枯死するようです。

南区の真駒内で、真駒内公園やエドウィン・ダン記念公園内の、それもある程度の年数を経た、同じくらいの樹齢のツリバナが時を同じくして枯れていっています。 

この現象をどのように考えたらいいのでしょうか?
胴枯病のカビ胞子は数百メートル~1~2km離れていても、飛んでいって伝染するのでしょうか?
それとも、ツリバナはある程度の樹齢に達すると病害に侵されやすいのでしょうか?
また、真駒内に限定するのではなく、範囲を広げて札幌市全域でも、ツリバナにこのような現象が起きているのでしょうか?

 

 

 

ツリバナ  胴枯病

2012.6.10
エドウィン・ダン記念公園(南区)の南側、道沿いに植えられているツリバナ。 このツリバナ3本は公園造成時(昭和40年代前半)に植えられているのであれば、樹齢は55年前後になります。 樹高は約3.5~4.0m。


2017.6.13                                                                          2017.4.30
一昨年の6月(2017.6)に3本あるツリバナの1本が枯れているのを見つけました。 写真(右)は写真(左)の中央の1本の拡大写真です。樹皮が剥がれて完全に枯死しています。 おそらく2~3年前には発病していたのでしょう。 気づかなかっただけです。 左右の2本は元気そうに見えますが幹枝に胴枯病と思われる症状が現れています。

2017.7.28
そして1ヵ月半後の7月下旬。 左右の2本とも落葉が著しいです。 右側の1本はほとんど枯れています。 幹全周(形成層)が病気に侵されると病斑部の上部には水を揚げられなくなり枯死してしまいます。 右側の1本は地際から主幹部全体が胴枯病に侵されてしまったようです。

         2018.7.28                                                 2017.7.28
写真左は、幹枝の樹皮が浮き上がっています。 樹皮はべろべろと剥けます。
写真右は、最近発病した部分のようで、樹肌の黒ずんでいる部分が病気に罹っている
部分でしょうか。
2019.5.13
昨年、2018年の夏には3本とも完全に枯れあがっていました。 中央の1本は処分されています。
それにしても、胴枯病に罹ると枯死までの期間がなんと短いことか。

<胴枯病>
胴枯病は樹木特有の病気で、カビ(子嚢菌)の胞子が樹木の傷口などから侵入して発病します。 この病気が幹を全周する(形成層が枯死)とその上部に水が揚がらなくなり、樹木は枯死します。
この病気は、北海道のサクラ類の枯死の主要原因になっており、明治・大正時代に津軽地方のリンゴ栽培農家を苦しめた腐らん病も胴枯病であり、樹木の世界3大病害の一つ、北アメリカのクリに壊滅的な被害をもたらした病気も胴枯病です。 胴枯病は樹木にとって最も恐ろしい病気です。

モモ、リンゴ、クリ、ブドウなどの果樹類、モミ、トドマツ、カラマツ、ポプラなどの林木、クワなどの木本類に発生する病気。病原菌が木の幹に寄生し、病患部から上部が枯れ、いわゆる「胴枯れ」症状になるため、胴枯病とよばれる。病原は宿主の種類によって異なるが、いずれも子嚢(しのう)菌類、ディアポルテ菌科(胴枯病菌科ともいう)のディアポルテ、レウコストマ、クリフォネクトリア、バルサなどの属に属する菌である。ディアポルテ属ではDiaporthe tanakaeによるリンゴ胴枯病、D. conorumによるモミ、トドマツ、カラマツ胴枯病、D. nomuraiによるクワ胴枯病がある。レウコストマ属ではLeucostoma persooniiによるモモ、スモモ胴枯病がある。クリフォネクトリア属ではCryphonectria parasiticaの寄生によるクリ胴枯病が被害が大きく重要である。バルサ属ではValsa abietisによるヒノキ、サワラなどの胴枯病がある。なおバルサ属の寄生によっておこるリンゴその他種々の果樹類の胴枯れはとくに腐らん病といわれる。胴枯病菌は一般に腐生性が強いため、寒さなどによって樹勢が劣えたときに被害を受けやすい。一度寄生すると病原菌は四季を通じて樹上に残り、長い期間にわたり感染を繰り返すので防除が困難である。晩秋、木の地際(じぎわ)部から地上30センチメートルぐらいの高さまで石灰乳または石灰硫黄(いおう)合剤の原液を塗布して予防する。また発病した木では、病患部を削り取って、チオファネート・メチル塗布剤または有機銅塗布剤を塗布する。
(日本大百科全書::ニッポニカ)

 

 

 

ツリバナ 冬芽

ツリバナ :冬芽
ツリバナ2012.11.24
冬芽は対生し、細長く、紡錘状円筒形で、先が鋭くとがり、長さ6~15mmある。 芽鱗は紫褐色ないし緑褐色をし、つやがあり、無毛で、4~5対みえ、覆瓦状に重なる。頂芽は太く、側芽は下位ほどちいさい。 いくらか開出し、先がやや反曲する。 基部の2~3対の側芽は発達しない。
ツリバナ2012.11.24
ツリバナの枝の出方。
側芽が発達しないので、枝の出方がすっきりしている。 ニガキもこれに似た枝の出方をする。

にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ
にほんブログ村

 

ツリバナ(その3)

1-012(赤字)2013.2.27
2月の初めに豊平川の河川敷から採取していきました。先週の半ば(2月20日頃)に蕾が開いてるのに気づいたのです。が、それから一向に花軸が伸びてきません。写真を撮る際にじっくり見てみると、つぼみに水気がなく枯れてしまっているようです。冬場の乾燥気味になる一般家庭の居間では、ツリバナのような繊細な花は咲ききれないようです。
1 冬芽
1-019 ツリバナ(赤字)2012.11.24
ツリバナの冬芽は、細長い円錐形をしています。長さは1cm弱~2cm弱でしょうか。この冬芽は赤褐色ですが、緑っぽい色をした冬芽もあります。
1-018 ツリバナ(赤字)2012.11.24
ツリバナの枝の付き方は対生で、そしてその特徴は、枝の先に冬芽をつけることです。このような枝の付き方をする樹種、似かよった枝の出し方をする樹に、ニガキがあります。しかし、ニガキの冬芽は丸いので、すぐにその違いはわかります。
2 名前の由来
牧野新日本植物図鑑によると、
吊花という意味で、これは花や実が垂れ下がっていることにもとづく。
3 Data
・科名 ニシキギ科
・属名 ニシキギ属
・学名 Euonymus oxyphyllus
・花期 5月中旬~6月
・分布 日本、南千島、朝鮮、中国
※ツリバナの花や樹姿などをご覧になりたい方は、右側のカテゴリー“ツリバナ”をクリックしてくだい。

にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ
にほんブログ村

ツリバナ(その2)

追記:10月13日
8月の末にもなるとツリバナの実から橙赤色の種子が顔を出します。それから約1ヶ月半が過ぎた10月半ば。ツリバナの葉が紅赤色に染まります。
1-021 ツリバナ エドウィン・ダン記念公園 
2011.10.13 エドウィン・ダン記念公園のツリバナです。
1-022 ツリバナ
2011.10.13
1-046 ツリバナ2012.10.8
バックの青々とした樹木にパステル調の紅赤色が映えます。場所は石山陸橋から南の沢に抜ける道路(旧230号線)沿いです。
1-002 ツリバナ
2012.10.13
十五島公園のツリバナです。右手後の茶褐色の葉は紅葉しかけのハウチワカエデです。
ツリバナの紅葉も、その年の気候、それぞれの樹、紅葉の早晩、場所などの違いにより、ピンクがかったものから朱色を帯びた赤色まで、その微妙な色合いの違いにはかなり差があるようです。
1-004 ツリバナ
2012.10.13
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
今日から9月です。今年は残暑が続いています。来週はまだ暑さが残りそうですが、それを過ぎると秋になっています。夜の少しひんやりとした空気の心地よさから、急に突然に寒さを感じる季節に入ります。秋はそこに待ってます。
豊平川沿いにある十五島公園を散歩しました。ツリバナの実が赤くなっています。
1-019 ツリバナ 十五島公園2012.8.30
直径1cmほどの球形の実をつけます。果実が熟し、中から赤みがかった橙色の種子が顔を出しています。ツリバナの果実は5つに分かれて、その中に種子が5個入っています。
10月になると、この果実が大きく裂けて拡がります。
6月14日のブログにツリバナの小さな花を掲載して約2ヵ月半が経ちます。
1-029 ツリバナ2012.7.3
花が咲いてから2週間ちょっとで、かわいい実ができます。その若い実にも将来5つに割れる筋がすでに出来上がっているのです。
札幌の秋はすでに始まってます。

にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ
にほんブログ村