ムラサキセイヨウブナ 北大植物園

2018.7.26
北大植物園の正門を入ると園路が三方向に分かれていて、その一つ北西に向かう園路を選び、北方民俗資料館を右手に見ながら進むとアキタブキが大きな葉を広げているのが目に留まります。 それを通り過ぎて小さな橋を渡ると目の前に高さ3~4mもある大きなツツジ(クロフネ)の株にぶつかります。 その先に手入れの行き届いた芝生地が広がっています。 周囲にはハルニレやブナなどの大樹が枝を伸ばしています。 その間から顔をのぞかせているのがムラサキセイヨウブナです。 芝生広場から眺めるそれはあまり目立ちません。  2019.7.29
これは反対側から撮ったものです。 樹高は20m以上はありそうです。 幹径は
1m程。
2019.7.29
樹肌は白っぽく滑らか。 樹冠下の葉は外側から見る葉より青く見えます(紫色の色素が少ない)
2019.7.29
ムラサキセイヨウブナの葉を太陽に透かしてみました。 葉脈の間が黒っぽく見えるのは紫色の色素が多く集まっているところです。 これが樹冠全体を紫色に染める原因です。
2018.5.4
5月上旬の芽出し時期は周りの樹木の新葉も色とりどりで、右手のハルニレはちょうど芽出し時期の黄色みを帯びた葉で、左手のブナの新葉は鮮やかな緑色をしています。 その間に見えるムラサキセイヨウブナブナの葉色は紫というより赤に近い色のように見えます。
  2018.5.4

2016.10.1
落葉期が近づくにつれ、そのムラサキ色は色あせて薄まっていきます。

<余談>
木に咲く花(山と渓谷社)、園芸大百科事典(講談社)、世界の植物(朝日新聞)など樹木や植物の図書を調べても、このムラサキセイヨウブナという名前では載っていませんでした。 ムラサキセイヨウブナと同じ仲間のブナは日本全国の比較的高い山に生えていて日本人にとっては染みのある樹木ですが、ヨーロッパに自生するムラサキセイヨウブナとなると、北大植物園以外に植えているところはそう多くはないのでしょう。その意味で、この20mを超す大樹は珍しい貴重な存在といえます。