ヤマグワ  冬芽


冬芽はニ列互生し、卵形ないし卵状楕円形で、やや扁平し、先が尖り、長さ3~6mmある。 ※仮頂芽は上位の側芽と同じ大きさである。 芽鱗は栗褐色をし、縁は淡色であり、無毛で、4枚が瓦状に重なる。(落葉広葉樹図譜)
ヤマグワの冬芽は、芽鱗の縁が白っぽくなり、卵型をした茶色地に、斜めに太めの白線が2本入ったような模様となります。

※仮頂芽 : 頂芽とは、枝の先端の冬芽のことで、それ以外の冬芽を側芽という。側芽は葉の付いていたところ(葉腋)にあり、枝の先端に見えても、実はその先の枝が枯れて折れてしまっている場合もある。 その場合は仮頂芽と言う。 一般に、仮頂芽は側芽と同程度のサイズになり、樹種によっては、頂芽も側芽と同じ程度の木もあるす。(冬芽の分類より抜粋要約)


写真は、真駒内公園内にあるヤマグワ(雄株と雌株)。 ヤマグワの樹形は、周りに障害物がなく自由に枝を伸ばせる場合、枝は横に伸びる性質が強いようで、扇子を目一杯拡げた形、八の字を逆さまにした末広がりの形状を示 すようです。
 2018.1.26
ヤマグワの芽の付き方は互生で、一年枝はジグザクになるのが特徴です。 芽の付き方が互生の樹は多いのですが、エゾエノキやケヤキなどニレ科の樹を見ると、その特徴がよく分ります。

ヤマグワ  黒い実

2016.6.30
この時期(7月)、歩道を歩いていると、 不自然に真っ黒になったところに出くわします。 近づいて良く見ると、ヤマグワの樹が歩道に張出していて、その枝から黒い果実が落ちて、それを歩行者が知らず知らずに踏みつぶして真っ黒になったようです。
2016.7.5
見上げると、くわの実が枝にびっしりとついています。 手にとって食べると甘い味がします。 現在は、チョコレートやイチゴなど甘くておいしいお菓子や果物がたくさんあるので、この桑の実を食べてもそれほど美味しいと思わないのですが、戦中戦後の食糧難の時代には貴重な食料だったのでしょう。  私は昭和26年生まれでその当時の食べることの大変さを知らない世代ですが、昭和20年以前に生まれた方(現在70才以上)は、幼少期にこの桑の実をおいしく食べた方は多いのではないでしょうか。
2013.8.3
写真はヤマグワの実  1cm前後のものが多い。

<ヤマグワとクワ(マグワ:栽培グワ、中国原産)の違い>
葉の違いで両種(しゅ)を判別するのは難しいようです。 果実については、ヤマグワには写真のように果実にちょこちょこと生えている髭のようなもの、花柱が残りますが、クワ(マグワ)はそれが極めて短いようです(松江の花図鑑)。 そして、クワのほうが少し実が大きいのでしょうか?
クワ(マグワ)の実の熟し方は、当初果実の色は白く、それが赤くなって最後に熟して黒くなるようです。 一方、ヤマグワは赤から黑くなります。 白いクワの実はほとんど見かけません。 一度、クワキジラミが発生しているヤマグワについている果実が白かったのを見たことがあります。 それはクワキジラミによる何らかの作用(影響)によるもののように見えます。 2010.7.1
クワキジラミの幼虫は白いロウ物質を糸状に分泌する。 体は淡黄緑色。最大体長2.5mm。 年1回発生。 成虫越冬。幼虫は6~7月にみられ、葉裏に群生する。(北海道 樹木の病気・虫害・獣害)
20107.1

 

 

ヤマグワ 

札幌の今年の5月は真夏並みの陽気が周期的に訪れて、暖かい春というより夏に近い感じがします。昨日(5月20日)は最高気温が27℃まで上がり、今日も24℃くらいにはなりそうです。
この陽気で、4月上旬にタネをまいた野菜苗も順調に育ち、ミニトマトに花が咲き、今年は7月中旬から収穫できそうです。 それで、例年より1週間ほど早く、ミニトマト、ピーマン、シシトウを畑に定植しました。

5月上旬、我家から見える豊平川沿いの山肌は冬枯れ状態でしたが、5月上中旬から芽吹いた樹木が今は山肌を新緑に染めています。 太陽に当たった淡黄緑色の新緑は眩しく、本当にきれいです。
2016.5.19
ヤマグワの芽吹き。 真駒内公園

2017.5.20
雌花

2017.5.20
雌花の拡大写真
長い花柱の先に柱頭が2個着いている。(樹に咲く花)
雌花序は長さ4~6mm。 花柱は長さ2~2.5mmと長く、その先に線形の柱頭が2個ある。(樹に咲く花)
ヤマグワの花には花弁がないのですね。2016.5.19
雄花 雄花序は長さ1.5~2cmの円筒形。(樹に咲く花)  2016.6.5
6月上旬には、樹冠は新緑に包まれます。
ヤマグワは横に枝を広げる扇子を開いたような樹形になります。