コシアブラ 白葉(その2)

黄葉する樹木 は、葉緑素が分解されて緑色がなくなり、代わってもともと細胞内にあるカロテノイドなどの黄色の色素が現われると言われています。 紅葉も褐葉も葉緑素が分解された後に葉に残っている色素、または新しく作り出される色素が全面に出てくると言われています。
それでは、白葉の場合はどのようなメカニズムで白くなるのでしょうか?

日本植物生理学会のホームページ(みんなの広場)にそれに関する知見が書かれています。

多くの場合、黄葉の黄色い色は葉緑体に含まれるカロチノイドの色ではないようです。以前日光で卒業研究をしていた学生さんが色づいた葉を切って見ましたが、黄葉でも柵状組織にオレンジ色から黄色の色素を新たに作っているということでした。紅葉はアントシアニンを作っていますが、黄葉も似たような色素を作るみたいですね。
コシアブラの白色ですが、これは実は若干黄色がかっていることが多く、おそらくカロチノイドの色ではないかと思います。たとえば、冷蔵庫に入れて放置していた小松菜などはコシアブラと同じような色になってしまいます。なぜコシアブラが黄色い色素をつくらないのかということについては、その意味をうまく説明できません。申し訳ありません。ただ、日陰にある葉の中にはコシアブラのような色になるものが多いようです。 舘野 正樹(東京大学日光植物園)

コシアブラの葉が白く見えるのは、細胞(柵状組織)内でつくられるカロチノイドの量が他の黄葉する樹木に比べて極めて少ない と言うことなのでしょうね。

→ コシアブラ 白葉
 

コシアブラ  白葉

2018.10.21
モミジやカエデ類などはまだ赤や黄色の葉を枝につけて紅葉の色合いを残していますが、ドロノキやオニグルミなど落葉の早い樹木はとっくに裸になって、真駒内公園の樹林は初冬の様相を呈してきました。
そんな中で、白くなった葉(白化)をつけている樹木を見つけました。
2018.10.21                                                       2012.11.3

コシアブラのようです。 丸葉で5葉が特徴です。 この樹はそれほど大きくならないようで、ミズナラやシナノキなどの高木の下に生えています。 コシアブラはエゾウコギ、ハリギリ、タラノキなどと同じウコギ科で、写真のように葉が5枚でているので、「5出掌状複葉」と言い 読み方は「ごしゅつしょうじょうふくよう」 です。
右上の写真はコシアブラの果実。 ウコギ科の特徴、同じ長さの花柄が放射状(散形花序)について果実が球状になり、花梗の長さは短いですがハリギリとそっくりです。