お知らせ カテゴリーについて

当ブログページの左側はブログの本題があって、右側に、一番上からカレンダー、その下に「最近の投稿」があり、その下にカテゴリー、「その他の項目;樹木他(82)」、「公園等(88)」などの大項目が7つあります。以前は7つの大項目のすべての小項目がずらっと出てきたのですが、どういう訳か、現在は大項目のみとなってしまいました。自分では以前と同じ状態にできないのです。
なので、小項目を開くには、各大項目の文字の左側に小さな四角形のポッチがあるので、それをクックしてください。大項目の文字をクリックしても小項目は出てきません。
よろしくお願いします。

 

活性酸素と抗酸化物質

自分がその年齢になってしまったのか、まだ真っ暗な午前5時頃に目覚めてしまうことが多くなりました。何もすることがないのでテレビをつけると、やたら健康食品やサプリメントの宣伝を兼ねた番組が延々と流れています。その中で「抗酸化物質」という言葉を時折耳にします。
この「抗酸化物質」とは、人間が生命維持活動をする上でどうしても体内に発生する活性酸素の働きを抑えてくれる物質です。

人間は食べ物を胃腸で細かく分解し、その分解された食物は小腸で血管内に吸収されて体全体の細胞に運ばれます。細胞に運ばれた栄養分はエネルギーに変換されて人間の体温維持やあらゆる行動を支える源になります。
細胞に運ばれた栄養分が分解されてエネルギーがつくられる過程で多くの酸素を必要とします。空気中の酸素は比較的安定していますが、呼吸によって体内に取り入れられた酸素は、エネルギーを作り出す代謝過程(細胞内で起こる化学反応)で不安定な状態になり、近くにある物質と盛んに結びつき、酸化力が強い「※活性酸素」が生成されます。生きていくために吸った酸素から毒性の強い活性酸素が作り出され、細胞を酸化して傷つけ、それは鉄に例えると、真新しいきれいな鉄が赤く錆びてぼろぼろになったのと同じ状態で、がんや生活習慣病、老化などを引き起こす一因になります。酸素を吸って生きている人間にとって、代謝の過程で発生する活性酸素の害は避けることができないのです。

※活性酸素呼吸によって取り込まれた酸素の一部が通常よりも活性化した状態のことで、ヒトを含む哺乳類の場合、取り込んだ酸素の数%が活性酸素になるといわれている。白血球から作られる活性酸素は細胞伝達物質や免疫機能としての働きがあり、私たちの身体の働きを正常に保つうえで不可欠な役割を担っていている。

この活性酸素といち早く結びついて細胞に害を与えないようにしてくれるのが抗酸化物質で、※ポリフェノール類やカロテン類、ビタミンCやビタミンEがあります。ポリフェノール類では、ワインやブルーベリーで有名なアントシアニン、大豆のイソフラボン、ソバのルチンなどがあります。カロテン類では人参のβーカロテンやトマトのリコピンなどです。
人間の体にはもともと体内で抗酸化酵素(酸化作用を持つ酵素)が作られ、活性酸素の抑制に働いていますが、抗酸化酵素を作り出す能力は20代をピークに低下し、抗酸化作用は加齢と共に減少してくのだそうです。なので、野菜や果物を多く摂りなさいと言われる所以なのです 。
※ポリフェノール類;ポリフェノールは、ほとんどの植物に存在する苦味や色素の成分で、自然界に5,000種類以上あると言われています。ポリフェノールは抗酸化作用が強く、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用がある。(健康長寿ネットより)

それでは、植物はどうでしょうか?
植物は動物と違って、光エネルギーと二酸化炭素と水から有機物のデンプンを合成しています。それを使って呼吸による生命維持活動と自分の体を大きくしています。
ところが、面白いことに、植物は光合成に必要な光エネルギーを吸収する際に必要以上のものを吸収してしまうのです。その余った光エネルギーが化学反応を起こして活性酸素を作り出すのです。

👉 シャクナゲはなぜ冬に葉を丸めるのか?

また、球根や樹木の新芽が赤くなっているのを見かけます。 生長すると赤色は消えて緑色になるのですが。 この赤く染まる原因は、新芽や若い葉は紫外線を受けるとそれに伴い発生する活性酸素の害を受ける、受けやすいのです。

👉 植物の新芽はなぜ赤い? 

それを防御するために、植物も人間(動物)と同じように体内で抗酸化酵素を生成しているのですが、その他に人間には体内で合成できないポリフェノール類やカロテン類などの抗酸化物質を生成して活性酸素がもたらす害を防いでいると考えれれています。

植物と人間(動物)は外見的にも中身的にも 全く違うものなので、両者は何もかも全てが違ったものであるかのように想像しがちですが、細胞レベルで見ると、植物も動物も細胞内では化学反応を起こして有機物を分解してエネルギーをつくる代謝もしくは呼吸を行っています。生命維持における活動?作用?という点ではほとんど同じなのです。
植物と動物の違いを根源的というか細かい部分は別にして大まかに言うと、有機物を合成できるかどうか?、光合成をする葉緑体をもっているかどうか ?です。 そう考えると細胞レベルでは、動物より植物の方がある意味で高等?、進化している?、より複雑な組織体である?ように思えるのです。

 

 

 

メネデール

メネデールという園芸資材があります。

名前のメネデールは、「芽」と「根」がでるから「メネデール」だそうです。 この資材の使い方は原液を100倍に薄めたものを、
①樹木の移植時の土壌潅注
②弱った樹木に樹幹注入
③挿し芽、挿し木苗の水揚げ時に
④種まきの植床に
など樹木や草花・鉢花、野菜などの発芽・発根、樹木の樹勢回復などに使います。なかなか便利な資材なのですが、これは肥料ではなく、この商品のラベルには「植物活力素」と書かれています。 植物を元気にする資材です。
それでは、このメネデールの中には何が入っているのでしょうか? 窒素(N)やリン酸(P)などの肥料成分や亜鉛(Z)・ホウ素(B)などの微量要素はまったく入っておらず、微量要素の 鉄(Fe)のみです。
高校の生物の授業で下図に見覚えはありませんか?

この図はドベネックの桶といわれるもので、リービッヒの最小養分率を分かりやすく説明している図です。 桶1枚1枚の板それぞれが窒素やリン酸、鉄やカルシュウムなどの栄養素にあたります。その意味は「植物の生育はその植物に供給される諸養分のうち,その量が最少のものに制限される」というものです。
この説からすると、植物にとって必須の微量要素は鉄以外に7種類あり、それらのどれ一つが欠けても植物は正常に生育しないのです。 鉄だけ多く与えても桶からただ流れ出るだけです。
その意味で、この鉄だけしか含まれていないメネデールという活力剤は植物にとって本当に効果があるのか?と以前から少々疑問に思っていました。
ところが最近、健康に関するページ(ブログ)でこんな図を見つけました。

これは、人間にとって必要な栄養素をビラミッド図化したものです。そのブログのタイトルは「野菜たっぷりなら良いわけではない、糖尿病患者にほぼ確実に不足している”ある食べ物”」というもので、医師の水野雅登氏という方が書かれているのですが、その中で、鉄分に関して以下のように説明しています。

「本来は、鉄はミネラルの一種ですから、このピラミッドでいうと一番上に含まれることになります。しかし、わざわざ別にしているのは、他のミネラルよりも優先順位が高いからです。
欧米などの諸外国では、小麦粉などへの鉄の添加が法律で義務づけられています。他にも、ベトナムでは調味料のナンプラーに、モロッコでは塩に、中国では醤油に鉄添加が行われています。各国が、貧血の予防のために国策として鉄添加を行っているのです。
しかし、日本では、こうした国策として鉄を添加する、ということは行われていません。その結果、多くの国民が鉄不足に悩まされています。しかも、それは貧血と認識されていないことも多々あります。」

水野氏は、人間の体にとって鉄分は他のビタミン・ミネラルより優先順位が高く、必要量が多いと言っているのです。
確かに、鉄は赤血球の材料であり、体内には3~4gの鉄が存在し、このうちの70~75%は機能鉄と呼ばれ、赤血球中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンというタンパク質の構成成分となっており、体内に取り込まれた酸素を全身に運ぶ大切な働きがあります。(大塚製薬  栄養素カレッジより抜粋)

それでは、植物にとって鉄はどのような働きをしているのでしょうか?
植物は、光エネルギーと二酸化炭素と水で有機物のでんぷんをつくる光合成を行っています。その場所が葉緑体で、その中に鉄が存在します。また、植物体個々の細胞は※呼吸をしていて、鉄はその際の酵素運搬タンパク質の合成などをおこなってます。
※呼吸とは細胞の中で有機物(でんぷん)を分解して生命が活動するために必要なエネルギーを作るための働き。 有機物のでんぷんを分解するときに酸素が必要で、分解されると二酸化炭素と水に分解され、その時にエネルギーが発生し、細胞内外で酸素と二酸化炭素の交換が行われる。

このように鉄は動物(人間)も植物も共に酸素の運搬やタンパク質の合成など重要な働きをしているのです。 水野医師は「鉄は動物(人間)にとって他のミネラルより優先順位が高く多く必要である」と言っていますが、上図ベネツクの桶の個々の板(窒素やリン酸、鉄や亜鉛などの栄養素)の天端は同じ高さなので一見量も同じだと錯覚してしまいそうですが、それぞれの必要量は違っていて、最も必要量の多いのが窒素(N)ですが、微量要素8種 の中では鉄分は植物にとって他の微量要素よりも必要量が多いのではないかと思うのです。

それでは、土壌中に鉄が少ないのか?といえばそうではなく、河原に転がっている石の中など地球上のいたるところにふんだんに存在します。 土壌中では、酸素、ケイ素、アルミニウムに続き4番目に多い元素です。 その鉄分が根から吸収されるにはイオンの形態で水に溶けている必要があるのです。ところが土壌中の※鉄イオンは酸素と結びつやすく酸化鉄(赤さび)となり根から吸収されない形態になります。 それに加えて、鉄イオンの状態で水中で存在する鉄分は極わずかのようなのです。植物はこのわずかの鉄イオンを根から吸収するために、根の先から有機酸などを分泌して根から吸収できる形態に変えて利用しているのです。イネ科植物は根からムギネ酸を分泌して鉄を吸収することで知られています。

※鉄イオン 鉄イオンは二価鉄(fe2+)と三価鉄(fe3+)があるのですが、多くは根から吸収することができない三価鉄です。 そのため、植物は根から有機酸などの物質を分泌して三価鉄を二価鉄に変換(還元)して取り込んでいるのです。

鉄は土壌中に多量に存在するけれど、植物の根が吸収できる鉄はほんのわずかで、その取り込みに苦労?しているのです。 それで、根がすぐに利用できる二価鉄を 溶け込ませた資材がメネデールのようです。 特に、乾燥や過湿、寒さ、移植時など植物の体力が弱っているときは根から有機酸などの物質を出す力も弱まるので、鉄の吸収ができなくなってしまいます。メネデールの用途は、
①樹木の移植時の土壌潅注
②弱った樹木に樹幹注入
③挿し芽、挿し木苗の水揚げ時に
④種まきの植床に
①~③は植物の体力が弱まっている状態のときなので、メネデールは効果を発揮するのです。

メネデールの効果について少々疑問を持ってこの投稿を書き始めたのですが、調べつつ書き綴っていくうちに、メネデールというより鉄の効果について、鉄が動物(人間)も植物も両者の生命維持にとって重要な働きをしていることを再確認した次第です。

<追記>
メネデールの水溶液に溶けている二価鉄(fe2+)は土壌に潅水されると酸化されて根から吸収されなくなります。ので、メネデールを1回やるだけでは効果は薄いのです。使い方については、下記ページを参考にしてください。

メネデールの使い方
⇒ https://www.menedael.co.jp/products/menedael/gardening/

 

 

 

 

 

山野草開花調査記録 

下記の調査表は、札幌市農業センターの事務所裏のロックガーデンに植栽されていた山野草の開花時期を調査したものです。 当センターは、現在は小金湯さくらの森公園となっていますが、平成7年までは札幌市内の農家の方に野菜や花卉などの農業技術の指導・支援を行う施設でした。 そのセンター内の一画に、具体的には、新しく整備された小金湯さくらの森公園の中央園路階段を上がりきると簡易な鐘楼とその横に休憩できるパーゴラがあるのですが、それよりももう少し山側に、このロックガーデンがありました。
この開花調査を担当したのは、その当時当センターに勤務していた本田職員で、彼自らが石等を配置し、道内の業者等から山野草を集めてロックガーデンを作り上げました。 しかし、小金湯さくらの森公園が整備されたことにより残念ながら現在はなくなっています。
この開花調査をした本田氏はすでに亡くなられており、彼が残した遺稿は小西氏に引き継がれました。 本田氏と小西氏は農業センター設立当初近くから長らく職場を共にした仲で、私も、両氏と5年間職場の席を同じにしました。 その後、30年余の年月を経て、小西氏とは豊平公園の緑の相談員で一緒になりました。そんな関係で、当ブログに掲載させてもらうことが出来るようになったのです。
調査表には、世界各地の山野草が1091種掲載されています。 興味のある方は参考にしてください。
この調査表の末尾に、小西氏が追記しています。
 この資料は、札幌市経済局農務部農業センター(南区小金湯)において、昭和53年から平成2年までの10年間、農業センターロックガーデンを中心に植栽された山野草について、担当職員(本田光幸)が緻密な調査を纏めたものである。当資料については、平成2年9月、京都大学名誉教授(園芸学)塚本洋太郎博士が京大の園芸学生3名を従え来場され、同園に展示の山野草について3日間に亘る展示植物の検証と監修、評価の確証を得たものである。尚、この山野草収集については、小樽市赤岩園芸(園主 続木忠治氏)の多大な協力を得ていることを付記する。 編集責任 小西敏昭   

⇒ 山野草開花調査 
⇒ 山野草開花調査 アイウエオ順
※ 和名・学名は、園芸植物大辞典を基本に記載

追記;同調査表のエクセル版をご所望される方は、コメント欄にメールアドレスを記入してください。折り返し送ります。

 

    

 

 

2021年の夏

上の表は、札幌の2021年7月1日~8月19日までの気温とその間に降った雨(降水量)を示したものです。 青線は日ごとの平均気温、赤線は過去30年間の日ごとの平均気温、 黒線は降雨量です。
図の下部にある1~49の数字は日日で、数字の1は7月1日、31は7月31日を、31の次の数字33は8月2日を表し、数字49は8月19日と読み替えてください。 図左側の数字0~60は、温度(℃)と降水量(mm)の単位です。

以下の文章は、あるwebページの今年の8月7日に書かれた北海道の猛暑に関する記事です。
道内での連続猛暑日は今日で15日連続となっており、今年更新中の最長記録をさらに更新しています。昨年までの最長記録は2018年などの4日連続で、今年はそれを大きく上回る記録となっています。
また、札幌でも午後3時までの最高気温が31・9度と真夏日となりました。連続真夏日記録は今日で18日連続となり、日毎の気温の記録が残っている1879年からの統計史上、最長の記録を更新しました。これまでの最長記録は1924年7月28日から8月13日にかけての17日連続で、97年ぶりの記録更新となりました。

上図の気温のグラフ線は平均気温です。最高気温は平均気温に約5℃を足したものなので、今夏は図の30℃線を超える日が続いたことになります。
確かに今夏は暑かったです。 特に夜温が下がらす寝苦しい夜が続いたのが印象に残っています。 札幌に来て40年以上になりますが、こんなに暑い夏は初めてのことことです。 今夏は何十年ぶり、いや、100年に一度の暑さだったのです。
そしてもう一つ、今夏の特徴は雨が少なかったことです。 上図は7月からの気温と降水量ですが、今夏は7月と同じように6月下旬からも雨が少なかったのです。 気象台によると、札幌の6・7月の降雨量は、

2021年       過去30年間の平均
6月  50.5mm      60.4mm
7月   7.5mm      90.7mm

この表を見ると、2021年6月の降雨量は過去30年の平均値と大した差はないように見えますが、6月20日に14.5mmの降雨があってからほとんど雨は降っておらず、それが8月上旬まで続いたのです。
2021.7.26
豊平川に架かる橋、ミュンヘン大橋と藻南橋の中間辺りから上流側(南区方面)を撮ったものです。 赤茶けているのは芝生。
2021.7.26
上の写真と同じ場所から反対の下流側(街の中心部に向かって)撮ったもの。 白っぽいベージュ色の部分が干しあがっている芝生地。 堤防斜面の緑色の部分はムラサキウマゴヤシ(アルファルファ)とイタドリ。 ムラサキウマゴヤシの根は地下10mくらいまで達するといわれています。 堤防の表土流失を防ぐにはもってこいの植物材料のようです。

今年2021の夏は、高温と少雨の夏だったのです。 北海道の小麦は収穫時に好天が続いて豊作だったようですが、タマネギとジャガイモはコロッコロの小さい玉しか収穫できていないようです。
一方、我家の家庭菜園は好天に恵まれて大豊作でした。 高温と少雨だったことが、病気の発生を抑制したのです、キュウリは5株植えて200本を超える収穫ができました。 例年は6月初旬にキュウリの苗を定植して1ヵ月も経たないうちに葉に褐色の斑点が出始め(べと病)、7月下旬になると褐斑病と思われる症状が下葉に拡がり、8月上旬には下葉がなくなること(葉に病気が拡がり、それを防ぐために除去)が多かったのです。 しかし、今夏はお盆を過ぎてもその症状の出方が少なかったのです。 6月下旬から8月上旬までほとんど雨が降らなかったことが病気の発生・拡大を防いでくれたのです。 トマトも例年になく甘味のあるものが収穫できました。 その要因は雨が少なく日照が十分あったことと思っています。
その代わり、8月に入ってからは畑の潅水に追われました。 潅水といっても、ホースの蛇口からシャワーのようして水をかけるのでは十分に地面に染み込まないので、作物と作物が植えてある間の通路に水を満たすのですが、ほぼ毎日1時間ほど潅水をしていました。 10月に払う水道代が少々心配です。

それでも、今夏の我家の家庭菜園は、畑作農家さんには申し訳ないのですが、美味しいものが収穫できて満足のいくものでした。
暑い暑い夏も悪くはありません。 しかし、夜温がもう少し下がって、20〜21℃になってくれれば最高なんですが。