暖秋

今日は寒かったです。 北海道の上空で暖気が追い出されて、突然シベリアから寒気が押し入ってきた感じです。 札幌は11月17日から冬に入ったようです。 ニット帽、ネックウォーマー、厚手の手袋、靴下は2枚はくという厳寒期体制の服装で街中を自転車で走ってきました。

今秋は暖かかったという印象を持っています。
    2018.11.8               2018.11.10
左の写真はキンレンカ(ナスタチュウム)、右はカタバミ。 両種とも夏の間咲き続ける花ですが、11月上旬のこの時期に最盛期の咲き方ではないにしても、やっと寒さに耐えて咲いているのではなく、それなりにきれいに咲いているのです。 11月上旬に街中で、これらの花に出会うと、「今年の秋は暖かかったんだ」と再認識します。

暖秋という言葉があります。 あまり聞きなれない言葉ですが、検索でこの単語を打つと、weblio辞書で以下のように説明しています。

暖秋(だんしゅう)とは平年1981 – 2010年の平均)に比べて気温の高いのことである。気象庁による3階級表現で9 – 11月の平均気温が「高い」に該当した場合の秋をいう(階級表現に関しては外部リンクも参照のこと)。近年での全国的な暖秋は特に11月を中心に顕著な高温となった2011年など。 

長期予報で「平年並み」、「高い」、「低い」などの用語を使いますが、これは過去30年間の各月の平均気温を順番に並べて、1~10番目までが「低い」、11番目~20番目までが「平年並み」、21番目~30番目を「高い」、と3つに分けて、それを基に計算して出されたもで、これを3階級表現というそうです。

それで、今秋、2018年10月の気温がどれぐらい高かったのか?を札幌管区気象台のデータを用いて調べてみました。

年度      10月の平均気温(過去30年間)
1981    11.0°
1982    12.5
1983     9.7
1984    10.3
1985    10.9
1986     8.9
1987    11.9
1988    10.9
1989    11.8
1990    13.0
1991    12.7
1992    11.6
1993    11.5
1994    12.4
1995    13.1
1996    11.5
1997    10.8
1998    13.2
1999    11.9
2000    11.6
2001    12.1
2002    12.0
2003    11.6
2004    12.5
2005    13.2
2006    11.7
2007    11.7
2008    12.9
2009    12.5
2010    12.2

札幌の10月の過去30年間の平均気温は、11.8°です。 ちなみに、1981~1990年の10年間の平均は11.1°、1991~2000年は12.0°、2001~2010年は12.2°です。 10年単位で見ると、気温の上昇、温暖化は進んでいるようです。

これを、低い順に並べてみると、

年度      10月の平均気温   気温差(10月の平均気温 ー 平均気温)
「低い」グループ
1986     8.9°         ー2.2°
1983     9.7          ー2.1
1984    10.3          ー1.5
1997    10.8       ー1.0
1985    10.9       ー0.9
1988    10.9       ー0.9
1981    11.0       ー0.8
1993    11.5       ー0.3
1996    11.5       ー0.3
1992    11.6       ー0.2

「平年並み」のグループ
2000    11.6       ー0.2
2003    11.6       ー0.2
2006    11.7       ー0.1
2007    11.7       ー0.1
1989    11.8       ± 0.0
1987    11.9       +0.1
1999    11.9       +0.1
2002    12.0       +0.2
2001    12.1       +0.3
2010    12.2       +0.4

「高い」グループ
1994    12.4       +0.6
1982    12.5       +0.7
2004    12.5       +0.7
2009    12.5       +0.7
1991    12.7       +0.9
2008    12.9       +1.1
1990    13.0       +1.2
1995    13.1       +1.3
1998    13.2       +1.4
2005    13.2       +1.4

上述の数値から
札幌の10月の「低い」、「平年並み」、「高い」は、過去30年間の10月の平均気温(11.8°)に、3グループ(「低い」[平年並み」「高い」)のそれぞれの気温差(最高と最低)を足した数値の範囲になります。

具体的には
「低い」 11.8 + -2.2 = 9.6、 11.8 + -0.2 = 11.6 となるので、 10月の「低い」は11.6°以下が「低い」と判断するのでしょう。

以下同様に計算してまとめると
「低い」  = 11.6°以下
「平年並み」= 11.6°~12.2°
「高い」  = 12.3°以上

となります。

今年(2018年)の10月の平均気温は13.0°ですので、「高い」グループに属します。
札幌管区気象台の観測データは1877年(142年分)からありますが、10月の平均気温が13.0°を越えた年は、1990年:13.0°、1998年:13.2℃、2005年:13.2°、2012年:13.0°の4回あり、これを見ると、今年の10月はかなりの暖秋であったことは確かなようです。

上述の計算は以下のサイトを参考にしています。
https://weathernews.jp/s/topics/201811/120075/