アメリカヅタ

2018.10.18
ご近所で見つけました。 紅葉がきれいです。  階段の手すりと壁に這わせてあります。 写真左下にパイプ椅子が見えますが、ここから紅葉のトンネルを潜りながら階段を上がっていきます。 アメリカヅタに混じって緑色のツタはブドウです。 ヤマブドウではなく大きな実をつける種類のようです。
ここのご主人は相当植物好きというか、このような細工をして家の周りを飾るのが好きな方のようです。 しかし、これを維持するには、それなり以上の手間がかかっているのでしょうね。

このツタの特徴、ツタ、五葉、黒い実、3つの語彙で検索すると アメリカヅタがヒットしました。 おそらくそうなんでしょう。
2018.10.18
ナツヅタと同じように黒い実をつけます。 ナツヅタより少し大きめのようです。

 

 

 

コシアブラ  白葉

2018.10.21
モミジやカエデ類などはまだ赤や黄色の葉を枝につけて紅葉の色合いを残していますが、ドロノキやオニグルミなど落葉の早い樹木はとっくに裸になって、真駒内公園の樹林は初冬の様相を呈してきました。
そんな中で、白くなった葉(白化)をつけている樹木を見つけました。
2018.10.21                                                       2012.11.3

コシアブラのようです。 丸葉で5葉が特徴です。 この樹はそれほど大きくならないようで、ミズナラやシナノキなどの高木の下に生えています。 コシアブラはエゾウコギ、ハリギリ、タラノキなどと同じウコギ科で、写真のように葉が5枚でているので、「5出掌状複葉」と言い 読み方は「ごしゅつしょうじょうふくよう」 です。
右上の写真はコシアブラの果実。 ウコギ科の特徴、同じ長さの花柄が放射状(散形花序)について果実が球状になり、花梗の長さは短いですがハリギリとそっくりです。

 

 

 

ノルウェーカエデ  紅葉

今年の紅葉は1週間~10日程遅いようです。 豊平川沿いの山肌(川沿、石山、藤野)は例年なら10月中旬が見頃なのですが、今年は20日以降になってしまいました。 それに今年の紅葉・黄葉は、10月上中旬に好天に恵まれたにも関わらず霞がかかったような鮮やかさに欠けるものです。

おそらく、9月上旬に北海道西岸を通り過ぎた、札幌にも公園樹や街路樹に相当の被害をもたらした台風21号の影響だと思います。
強風で葉がこすれあって葉縁が擦り切れて褐色になってしまいました。 これが今年の紅葉・黄葉をいまいちにしている大きな原因のようです。

 

今日の話題はノルウェーカエデ(ヨーロッパカエデ)の紅葉です。 ノルウェーカエデは黒褐紫色の葉が特徴で、この樹に出会った瞬間はその黒さに目を引き付けられますが、見慣れるとその黒さはそれほど魅力的なものでなくなります。 集団で植えられると周辺を暗くしてしまうので、植えるなら独立木のような気がします。
2013.6.15                                 2015.11.3                               2012.11.10

上の写真3枚は南区真駒内緑町にある五輪記念公園内に列植されているノルウェーカエデ。 芽だしから10月末までは黒褐紫色の葉をつけています。
しかし、樹冠は11月上旬から黒褐紫色から暗褐色に変化し、11月中旬になると明褐色変身します。 普段見慣れている樹木の緑から赤黄に変化する紅葉が、黒から赤です。 初めてこの変容する姿を見たとき、新鮮な驚きを憶えました。
2015.11.10                                                       2015.11.3

また、このノルウェーカエデの紅葉は、鮮やかさは多少劣りますが、サトウカエデやアメリカハナノキ(両種とも北アメリカ原産)を連想させるものでした。

 サトウカエデ        → アメリカハナノキ

上の写真(右側)は11月上旬、葉色が変化し始めるころの落ち葉を撮ったものです。 これを見ると、葉色は 黒褐紫 → 暗褐色 → 明褐色 に変化するのですが、暗褐色に緑色が現れる葉もあります。 夏場、黑褐紫色に見える葉も、その色素が前面に出ているだけで、葉緑素は隠れていてもしっかり光合成を行っているようです。

 

イチョウ  剪定と黄葉

2018.10.22
白い歩道の両サイドに黄葉したイチョウとまだ青々とした緑色のイチョウが並んで植わっています。 左側が藻岩高校の外構植栽、右側が石山通(230号線)の街路樹のイチョウです。
左手(藻岩高校側)のイチョウは、樹高約10m、幹径30cm前後で、自然樹形で剪定はされていないようです。 右手(国道側)は樹高6.0~7.0m、幹径20cm前後で、枝の出方からすると剪定は昨冬か今春~夏に行われているようです。

樹木の大きさに違いはあるにせよ、同じ場所で両者の黄葉時期にはっきりとした違いが出ています。 この違いは何が原因で起きたのでしょうか?

その前に、黄葉はどうして起こるのでしょうか?

樹木は、葉の細胞内にある葉緑素を分解して、その中にある窒素(これが主)や微量要素(リン酸やカリなど)を回収し、それを再度、樹体内の貯槽組織に蓄えます。 葉緑素が分解されると緑色が失われ、葉に残っているカロチノイドなど黄色の組織が全面的に出てくるために黄色に見えるのだそうです。

この現象を踏まえて、上述の両者の違いを考えると、藻岩高校のイチョウはさっさと葉緑素を分解して窒素を回収しているのに、国道のイチョウはまだ葉緑素が分解されていない状態です。 なぜ、国道のイチョウは藻岩高校のイチョウのように葉緑素を分解してさっさと窒素を回収しないのでしょうか?

街中のプラタナスやヤマモミジなどの街路樹を見ていると、晩秋になってもなかなか葉を落さないで、くすんだ色の葉をつけているものをよく見かけます。 それらの街路樹の多くは、その年の夏に剪定されているものが多いのです。 国道のイチョウもそれと同じのようです。

これらの現象から推測すると、

剪定された街路樹は、切断面の補修(癒合組織の形成)など本来蓄えるべき養分を他に回さなければなりません。 もし、夏場に枝を切落す剪定がなされていないなら、葉で十分に光合成を行って樹体内に養分を蓄えて丈夫な体を作り、厳しい冬を乗り切り、翌春元気に芽吹きができるのに、それが出来なかったのです。 それを挽回するために、晩秋の寒さが増してくる時期になっても葉緑素を分解させないで、頑張って光合成をして、不足している栄養分を作ろうとしているのではないか?

と思って見てしまうのですが、どうでしょうか?

 

 

 

 

 

ニオイヒバ  生垣


2018.10.18
写真は北海学園大学山鼻キャンパス(中央区南26条西10丁目辺り)の外構植栽、ニオイヒバの高生垣です。 高さは8mほどで、延長は100m程あるのでしょうか?  道路沿いに植わっているので少々圧迫感はありますが、この規模(長さ、高さ)の高生垣はそんなにはありません。
2018.10.18
写真は、石山通(国道230号)沿いに面する北海学園大学キャンパスです。 歩道沿いに黒い支柱に白いロープが二段張られている簡易柵が見えます。 この部分は最近まで上述と同じ高生垣がありました。 どういう訳かきれいさっぱりと処分されています。

ニオイヒバの生垣は公園などで目隠しや区域を分けるために良く利用されます。
ときおり目にするのは、公園トイレの前に数メートルの高さになっているニオイヒバが数本列植されているのを見かけます。 また別の公園では、
「どうしてこの場所に視界を遮る大きなニオイヒバが長く列植されているのだろう」
と少々違和感を覚える植栽に出合うことがあります。
公園トイレの場合は目隠しが、長い列植の場合は区域を仕切る目的で生垣(高さ1.2m)として植栽されたのですが、長い期間刈込が行われなかったために起きた現象(結果)なのです。 ニオイヒバはニセアカシアやプラタナスのように成長が早くある程度の間隔で剪定を必要とする落葉広葉樹と異なり成長がゆっくりなので、剪定など枝の整理をする必要性をあまり感じさせない樹木なのです。 そして、落葉や日陰など周辺樹民からの苦情が来ない限り、そのまま大きくしてしまうケースが多いのです。
おそらく、この北海学園の高生垣も植えた当初は視界を遮るようものではなく、高さ1.0~1.2m程度のものではなかったか、推測します。
しかし、高生垣が視界を遮るようになったために、構内の治安を悪くする出来事があったか、それとも、視界の悪さに不安を感じる人が多くなったか、何らかの原因?でこの生垣を除去する必要に迫られたのではないでしょうか?

生垣には色々な樹種が使われますが、なぜかニオイヒバの生垣に本来の高さを逸脱して樹木になってしまうケースがときおり見られるのです。 成長が遅いこと、落葉がでないこと、四季を通じてほとんど変化がないこと=ほとんど管理を必要としないこと、がついつい放って置かれる存在になってしまうようです。