オニグルミ 樹皮・樹肌

  
幹径10cm強                       幹径20cm弱
樹皮の縦割れが始まる。

  
幹径65cm                         幹径80cm
幹径80cmの樹肌は大径木で良く見る形状(真駒内わかば公園)。

→  オニグルミ

 

 

樹皮(その3)

一昨年、平成24年(2012年)8月26日のブログで、地際の樹肌が全周枯死しているのに樹の上部には実が生り、葉が茂っている樹(エゾノコリンゴ?)を紹介しました。
昨年、平成25年(2013年)9月16日のブログで、その樹はまだ生きていることを確認しました。
そして、平成26年(2014年)8月17日、芸術の森に行って、その樹がどうなっているか?、まだ、生きているか?を確認してきました。
017 エゾノコリンゴ 芸術の森2014.8.17
やはり、完全に枯死していました。
枝先には、小さな枯死葉がついてます。今春、芽出しはしたようです。しかし、早々に枯れたようです。
019 エゾノコリンゴ2014.8.17
枯死した樹の樹肌 生気がありません。
ある程度の成木でも、樹肌(木部:根から水分と養分を葉に揚げる通路)が枯死しても、樹幹内部の木部が生きていて、通常、その部分は水や養分を通す役割をあまり果たしていないのですが、主要部が枯死すると、補足的にその役目を果たすようです。しかし、上部のある葉が生命活動を維持するには十分ではないようで、1~2年は何とか生きているようですが、3年目になると力尽きるようです。根からの水分と養分をほとんど?、相当な割合?で閉ざされて2回の夏を乗り切ったのですが、3回目は無理でした。

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樹皮(その2)

昨年、平成24年8月26日のブログで、樹皮がない樹木(樹種はヒメリンゴ、エゾノコリンゴ?)を取り上げました。その樹は、地際から高さ50cmくらいまで幹周り全てに樹皮がなく、木部が露出している状態のものでした。<カテゴリー“樹皮”を参照 “樹皮”は“レンギョウ”の下>
1-021 ヒメリンゴ?(赤字)2012.8.26
この写真は昨年のものです。今年も状態は同じです。
026 エゾノコリンゴ? 芸術の森(赤字)2013.8.26
この写真は1年後の8月26日に撮っています。樹冠部の葉は小さく、周りの樹木に比べて葉色が極端に薄く弱弱しいです。
027 エゾノコリンゴ(赤字)2013.8.26
実も生っていますが、昨年に比べて小さく、実のつき方も少ないです。
この樹はそれでも生きています。昨年の春、若しくはそれ以前に樹皮がなくなっているようですから、1年半~2年近く樹皮がない状態でも生き続けています。しかし、淡い葉の色を見ると、来夏はさすがに生き続けていることはないように思います。

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この樹はどのようにして生きているのか?

1-022 ヒメリンゴ?2012.8.26
この樹は、芸術の森に植えられている樹です。樹種はおそらくヒメリンゴ(エゾノコリンゴ?)と思うのですが、定かではありません。このヒメリンゴについてどうこう言うつもりでここに取り上げたわけではありません。
この樹の地際を見てください。
拡大したのが、下の写真です。
1-021 ヒメリンゴ?2012.8.26
地際から高さ約50cmのとこところまで樹皮がないのです。ぐるっと1周、ぜんぜん樹皮がないのです。それでも、樹上ではたくさんの果実が実っています。
1-024 ヒメリンゴ2012.8.26
この樹の樹皮がなくなったのは、病気によるものか、いたずら等人為的に剥がされたのか原因はわかりませんが、ここ1~2ヶ月前など最近にこの状態になったのではなく、今年の春先か、もしかすると昨年のいずれかの時期に、この状態になったように見えます。
ということは、この樹は樹皮(形成層と師部)がない状態で葉を出し、果実を実らせたのです。確かに、師部がなくても、木部 ※1 が生きていれば、根から水分と養分は上がっていき、葉で光合成を行えます。しかし、葉でできた栄養分は根にはいけません。そのため、根の成長は止まります。おそらく、根は成長はできないけれど、しばらくの間は(どれくらいの期間かはわかりませんが)生きていけるのでしょう。
今年は、根に回るはずの養分が樹上に留まっているために、通常の年より大きい実がたくさん成っているかも知れません。
※1:木部でもその年に新しく形成される水をよく通す部分は、この樹には存在しない。それ以前にできた木部(辺材)の生きている部分が水と養分を根から吸い上げている。
zakkan2202_1.jpgグーグル画像より
この樹が生き続けられる絶対に必要な条件は、一つには根が生きていることです。このことを言い換えると、水分や養分を吸収できる新しい根を常に出し続けられるかどうかです。葉からの養分が途絶えても根の内部に貯めてある養分でしばらくは新根を出せるのでしょう。どれくらいかは判りませんが・・・・。二つ目は、根で吸い上げた水分等を樹上に揚げられるかどうかです。この役目は木部が担っています。その木部も死んでいる部分(心材)と生きている部分(辺材)があります。その辺材でも、水分等を通せるのは、主に2~3年までの若い組織で、古い組織はほとんどその役目を果たしていないと言われています。この樹の場合、一番水を通せることのできる組織、今年でできるはすの木部はありません。また比較的新しい2~3年の木部も樹皮を剥がされたことによる影響を受けて、それほど機能していない可能性が高いよう思われます。そうすると、古めの木部がまだ頑張って働いているのでしょう。きっと。
これらのことを考えると、この樹の寿命はせいぜい後1~2年が限度ではないのでしょうか?
この樹を見た感じでは、実が少し多いかなという気もしますが、ヒメリンゴならこれくらいの実をつけます。ただ、ヒメリンゴの場合、通常、春に短枝に花と葉をつけ、その後、長枝を出しますが、この樹に長枝はほとんど見当たりません。樹皮を剥がされたことによる影響を確実に受けているようです。経過観察要の樹木です。
それにしても、幹周りの樹皮を全て剥がされても元気に生き続けている樹があるのですね。驚きです。

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