ポプラ類:ポプラのある風景(その3)

1-035 改良ポプラ2012.9.1
これは、月寒公園の野球場横に聳え立つポプラです。高さは25~30mくらい?それよりももう少し高いでしょうか?目通幹径が80cm~1.5m弱のものが4本立っています。
1-110 改良ポプラ? H=30以上?2011.8.27
このクラスのポプラは市内のあちこちにあり、ここ月寒公園にも、正面入口横や園路沿いにこれと同じ大きさのポプラはあります、が、このポプラをどうしてとりあげたのか?
目立つのです。広々とした野球場の芝生地の横に立っているため目立つのです。園内を散策して、視界が開ける野球場の芝生地に出ると最初に目に入るのがこのポプラです。
月寒公園は、昭和36年に完成していますので、この樹は、おそらくその数年前に植えられています。樹齢は60年前後と思われます。樹種は改良ポプラではないでしょうか? おそらく。

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ポプラのある風景(その2)

これは創成川通(旧石狩街道)沿いに植栽されているポプラです。北区太平12条1丁目(トライアル篠路店)から南向き(札幌駅方面) に撮っています。
1-021 ポプラ2012.8.8
国道231号線(創生川通)を北に向かって走り、JR北海道学園都市線の高架橋辺りから約3kmに渡って、このポプラの緑の壁が延々と続きます。
左側に見上げるばかりの緑のカーテンを、澄みきった青空を右前方に見ながら、夏のさわやかな風を体全体に受けて創成川通の何キロにも渡る直線道路を走るとき、その爽快感は普通の道路では味わえないものがあります。
このポプラを管理している国の道路事務所によると、
現在、樹高が23~26mのものが約470本。大正時代に、この地の農家の人々が、家畜が田畑に侵入しないように植えたのが始まりで、その当時、440本程植えられたとのこと。現在の本数が植えた当時に比べて少し多いが、意図的に増やすことはしていない。現状のポプラが交通の支障にならないように管理している。種類は、正確ではないが、クロポプラが約40%、改良ポプラが約60%
とのことです。
すこし改良ポプラの割合が高いような気がしますので、一考してみました。
クロポプラとは、ヨーロッパクロポプラ(ヨーロッパクロヤマナラシ)のことで、樹形がほうき状になるものが有名ですが、クロポプラ自体樹形に幅があり、枝を横に拡げるのもあるようで、雄株は枝を縦に伸ばし、雌株は横に拡げると言われています。北大や羊ヶ丘通(国の農業試験場横)のポプラは、クロポプラ(ヨーロッパクロポプラ)といわれています。
一方、改良ポプラは、ヨーロッパクロポプラとアメリカクロポプラの間にできた雑種にポプラ属の多くの種類をかけ合わせて、その中で成長が早く用材として開発選抜されたもので、林業や緑化樹として、日本に戦後移入されています。
しかし、鮫島惇一郎著「北海道の樹木」(昭和61年)によると、イタリアを中心にヨーロッパで選抜育種された改良ポプラは、「北海道では病気やネズミ、寒さなどによってほとんど全滅してしまった」とのことで、「その代わり、王子育種研究所で育種された系統で、改良ドロノキがある。植えてから20年たつと高さ20m、直径20cmほどになり、病気、ネズミ、寒さに強い。改良ポプラの主流は、この改良ドロノキであろう」と記載しています。(今、私たちが公園などで見る、枝を横に拡げるタイプですばらしく大きくなっているポプラは、鮫島氏が言っている改良ポプラなのでしょうか。たぶん、そんなんでしょう)
1-071 ポプラ  クロポプラ 創成川通2011.9.23
創成川沿いのポプラは、大正4年にこの地域の農家の方が総出で植えたとのことで、その当時のポプラが生きているならば樹齢100年位になります。浅根性で強風に弱いポプラの性質からすれば、その当時植えられたものが現存する割合は相当低いと考えられます。もし、その当時植えられたものがそのまま生き残っているとすると、改良ポプラは無いはすです。しかし、現存するポプラの中で改良ポプラが6割を占めるのは、戦後、台風などの事あるごとに、順次、植え直しが繰り返されてきたのでしょう。
樹種の話など細いことを書いてしまいました。クロポプラであろうと改良ポプラであろうと、創成川通のポプラ並木のすばらしい景観には変わりありません。100年前にこの地の人々で植えられたポプラは、札幌の最も有名な「ポプラのある風景」の一つとなり、おそらく100年後も同じ姿で札幌の人々にそのすばらしい景観と爽快感を与え続けているのでしょう。

ポプラのある風景(その1:南区)

ポプラは、明治の中頃に日本に入ってきて、北海道を初め全国各地に植えられたようです。北国の涼しい気候と土地に合ったようで、現在では北大のポプラ並木や美瑛町の「ケンとメリーの木」に代表される、澄みきった青空に聳え立つポプラは、北海道を代表する風景となっています。
ポプラは、明治に導入されて以来、防風林として、田畑や牧草地の境界の目印として、戦後は、改良ポプラが生長が非常に早いということで、パルプ用材として植林されました。公園や緑地には、おなじみの細長いポプラは修景木に、改良ポプラは成長が早いことが緑化に適していると考えられたのでしょう、公園木として植えられました。
今、それらが大きく成長し、「ポプラのある風景」は札幌のいたるところに見ることができます。
1-077 ポプラ 真駒内公園2012.7.15
真駒内公園のポプラです。 青空に高く伸びているのがポプラです。中央にあるペンシル状のものや、枝を横に広げるタイプ、その中間的なタイプなど樹形は様々です。植栽がほぼ等間隔ですので、おそらく同じ種類を植えたのだと思います。種類はクロポプラ(ヨーロッパクロヤマナラシ:Populus.nigra)と思うのですが、どうでしょう?クロポプラの雌株は枝を横に広げ、雄株は立てるといわれています。樹形には相当ばらつきがあるようです。真駒内公園の造成が昭和42年に始まり50年に一部開放されていますので、これらの樹木の樹齢は50年前後と思われます。
1-021 ポプラ 改良ポプラ 真駒内川領地 2011.5.20
南区南町にある真駒内川緑地(真駒内川沿)に列植されている改良ポプラ(おそらく)です。樹高は優に20mは超えています。
1-058 ポプラ 真駒内小学校2011.7.1
南区真駒内真駒内小学校の外周に植栽されているポプラです。このポプラは小学校の北側にありますので、風除け(防風林)として植えられたのだと思います。学校のホームページをよると、このポプラはヨーロッパクロポプラのようです。この学校は昭和39年に完成していますので、その当時植えられたものなら、ポプラの樹齢は60年弱です。
1-042 改良ポプラ 豊平川 五輪橋上流右岸2012.9.1
真駒内公園の豊平川沿いに植えられているポプラ(おそらく改良ポプラ)です。 五輪橋から南東に向かって撮っています。

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