プラタナス(その4):樹肌の白さが目立つ

1-RIMG0028.jpg2013.4.15
中央区南24条腺?の街路樹プラタナスです。樹高は約8m、幹径は40cm前後。昭和50年前後に植えられたのでしょうか?この通りの街路樹は年数が経っている割に大きさの揃った樹が残って整然とした街路樹並木なっています。その理由は、この道路の南側が陸上自衛隊駐屯地に面しているために、近接住民からの落葉や日陰になるなどの苦情・要望が少ないことによるようです。
話が逸れてしまいました。話を本題に戻します。
この時期は雪が解けて、しかし、樹木が緑の葉を展げるはまだ少し早く、ちょうど冬と春の境目で何もない時期なのです。そのときに目立つのが樹肌です。特に今春はプラタナスの樹肌が白いように思うのです。
1-004 プラタナス 大通西2丁目2013.3.15
これは、大通公園西2丁目のプラタナスです。やけに樹肌が白く見えませんか?
1-RIMG0003.jpg2013.3.31
山鼻公園のプラタナス。幹径が1.5m前後あるプラタナス。この樹の枝も白っぽいです。
なぜ今春のプラタナスの樹肌が例年に比べて白っぽく見えるのでしょうか?
1-044 プラタナス(赤字)2012.7.28
思い当たったのが、
札幌では数年に一度、特に夏が暑い年に樹肌が剥がれ落ちるのを見かけます。昨年の夏は例年にない暑さで、しかも長く続きました。プラタナスの樹肌が写真のように大量に剥がれ落ちました。 剥がれ落ちた後に現れる樹肌の色は、緑色もありますが白っぽい樹肌が多いのです。今春樹肌が特に白っぽく見えるのは、これが原因のようです。
<余談>
プラタナスは、スズカケノキ科スズカケノキ属で世界に10種あるそうです。日本には明治時代に移入され、種類は、スズカケノキ、モミジバスズカケノキ、アメリカスズカケノキの3種です。モミジバスズカケノキは、スズカケノキとアメリカスズカケノキの交配種です。札幌の公園や街路樹には、モミジバスズカケノキとアメリカスズカケノキが植えられています(その区別はいまいちはっきりわかりません。図鑑には、モミジバスズカケノキは葉の切れ込みが深いとか、丸い種子の塊が花軸に2~3個ぶら下がるのがモミジバスズカケノキで、1個がアメリカスズカケノキと記載されていますが、現場でみるとその区別がいまいちはっきりしません)。スズカケノキはほとんど見かけません。この種は他の2種に比べて小ぶりで、一目見ただけでその区別はつきます。私が見かけたのは、中島公園にある1本のみです。


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脱皮する樹:プラタナス

044 プラタナス2012.7.28
この時期になると、街路樹プラタナスの樹皮が樹幹から剥がれているのを見かけます。昆虫の脱皮を連想します。
この脱皮に気づくのは毎年ではなく数年に一度で、そして、その年は暑い夏のような気がします。しかし、樹木の生理からすると、毎年、どこかのプラタナスで脱皮は行われているのですが、気づかないだけなのでしょうね。暑い年に多いのはなぜなのでしょうか?、
046 プラタナス2012.7.28
脱皮後のプラタナスの樹幹です。ベージュ色の部分が脱皮後間もないところで、白っぽいところは、もう少し時間が経っているのでしょうか?
樹皮には、プラタナスのように剥げ落ちるタイプのほかに、シラカバのように薄膜が剥がれていくタイプ、キハダのようにコルク質の樹皮を厚く覆うタイプ、多くの樹木で見られる樹皮の表面が裂けて若いときの平滑さを失い成熟した樹のゴツゴツとした樹皮に変わるものなどがあります。
プラタナスの樹皮が剥がれ落ちるのは、樹皮に寄生する害虫への防御措置なっているといわれています。また、街路樹のプラタナスが都市の中で長生きできるのは、汚染物質(自動車などの廃棄ガス)で詰まった皮目が定期的に取り除かれることも大きな要素の一つであると言われています。
*皮目:樹木の根、幹、枝にあり、空気(酸素)の取り入れ口。
下の写真は、エゾヤマザクラの皮目です。
006 エゾヤマザクラ2011.7.15
余談ですが、サクラの皮目って、人間の唇に似ていると思いませんか?

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篠懸の木の実

追記:6月17日
070 プラタナス 山鼻公園2012.5.20
プラタナス(スズカケ)のまん丸の実から種が舞い落ちるのがいつだろうか と気にしながら公園の樹を観察していました。プラタナスの芽出しは遅いので、葉が出る前に、丸い種子の塊から傘を広げて舞い落ちてくると思っていたのですが、なかなか飛んでくれません。
078 プラタナス2012.6.16
芽出しから3週間~1ヶ月弱が過ぎています。葉もだいぶ大きくなってきています。
やっと、舞い落ちてきてくれました。それも1個のみです。落下傘のように落ちてくる実は、ポプラの綿毛のようにふわふらと風に泳いでくれません。残念ながら写真に収めることはできませんでした。
079 プラタナス2012.6.16
これは、山鼻公園のプラタナスです。剪定されていないので、枝葉を大きく広げ、高さは25~30m、目の高さ(約1.5m)の幹径は1.5m弱あります。
山鼻公園には3本のプラタナスがありますが、いずれの樹もたくさんの実をつけています。
*プラタナスの実、そう果の拡大写真は、このページの一番最後にあります。
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017 プラタナス2012.3.16
藻岩下公園の豊平川沿いに植えられているプラタナスです。
街路樹のプラタナスは、毎年剪定されるので実は付きませんが、ここのプラタナスは剪定をする必要がないので、
樹上の枝先に小さな粒粒(果実)をたくさんつけています。
プラタナスには3種あります。(朝日新聞社編:北方植物園より抜粋)
第一が、ヨーロッパ東部から西アジア原産のスズカケノキで、各国の街路樹に植えられたのがこの樹である。環境をあまり選ばずにどこでも丈夫に育つ。
第二が、北米に自生するアメリカスズカケノキがある。第一のスズカケノキは樹皮が古くなったところから板状にはげるのに対し、アメリカスズカケノキの樹皮は裂けるだけ。また、垂れさがる果実も、スズカケノキは2個~6個あるが、アメリカスズカケノキは1個だけである。
三番目は、この両者の中間種モミジバスズカケノキである。17世紀末、スズカケノキの苗木の中に変わったものが発見され、選抜して固定したもの。この種類は、樹姿と葉の美しさではスズカケケノキを受継ぎ、強さと成長の早さはアメリカスズカケノキに劣らない。わが国で最初に新宿御苑などに植えられたのは、このモミジバスズカケノキだったので、わが国の街路樹はほとんどこれである。
001 プラタナス2012.3.16
藻岩下公園のプラタナスはぶら下がっている果実が1個だけなのでアメリカスズカケノキのようです(モミジバスズカケノキは花序の軸に球形の花序が2~3個付く)。
007 プラタナス2012.3.16
アメリカスズカケノキの果実は直径3cmほどの球形の集合果です。
この1個の集合果に約500個の種子(そう果)が入っているそうです。
012 プラタナス2012.3.16
そう果の拡大写真です。
私は見たことがないのですが、
春先、そう果の先端に密生している毛が傘のように開き、落下傘のように大空からふわりふわり舞い落ちてくるのでしょうか?
yb1.jpg
篠懸の木の名前の由来
スズカケの名の由来は、山伏の着る篠懸衣(すずかけころも)についている玉飾りに似ていることからつけられたものですが、写真の人形が羽織っている布が篠懸で、篠懸と思っていた赤い玉は、結袈裟(ゆいげさ)というものだそうです。

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山鼻公園のプラタナス(冬)

国道230号線(石山通)沿いの山鼻小学校北側に山鼻公園があります。この公園にすばらしくおおきなプラタナスの樹があります。
樹高:25m~30m、樹幅:25~30m 目通幹径:1.5m弱、
樹齢:70年前後
008 プラタナス2012.3.3
写真ではその大きさが分かりづらいのですが、写真の下のほうにある針葉樹や家並みと比較して、その大きさを連想してください。
プラタナスは、剪定など人間の手を加えられずにのびのび育つと70年でこんなに立派な樹になるのですね。
015 プラタナス2012.2.2
山鼻公園は、中島公園や円山公園など大きな公園を除いて、子供たちが遊ぶ公園(街区公園:昔の児童公園)では札幌で一番古い公園の一つです。昭和20年代後半に公園として整備されており、その時に植えられたのがこのプラタナスです。園内にはあと2本大きなプラタナスがあります。写真の樹と同じように立派に育っています。
プラタナスは明治8年か9年に日本に入ったとされています。北海道に最初に持ち込まれた時期は分りませんが、山鼻公園のプラタナスは、大きさでは全道で一番ではないでしょうか
山鼻公園 公園種別:街区公園、 面積:6,300㎡ 場所:中央区南14条西10丁目
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